戦国の村(BL)



(BLありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 昔々・・・。いわゆる戦国時代と呼ばれる時代、これはその頃のお話・・・。


 藤木(ふじき)村と勝俣(かつまた)村、二つの村の境となっている鎮夫(しずお)川。
その川を挟んで何とも殺気だった雰囲気が支配していた。
雰囲気の主はそれぞれの川岸に立つ集団。
格好はまちまちだが、槍や刀・脇差など、全員何らかの武器を身につけている。
彼らはそれぞれの村の村人達。
戦乱の時代を反映し、普通の村人や町人ですら自衛のために刀・脇差くらいは持っているのが当たり前。
そんな時代には、百姓といえど、戦いでもめごとの解決を図るのは普通の事だった。
 両村の間では、しばらく前から用水の権利を巡ってトラブルが続いていた。
近隣の友好的な立場の村の代表などが入り、話し合いの場も持たれたりしたが、交渉は上手くゆかず、ついにこういうことになったのである。
 しばらくの間両陣営とも睨み合っていたが、やがて大将格の村人の指示と共に、両者から弓矢を持った村人達が現れる。
互いに弓矢を打ち合い、矢が雨のように自分達に降り注いでくるのを、戸板などを盾にして必死に耐える。
互いに矢を撃ち尽くすと、今度は槍や刀を構え、お互い川に足を踏み入れ、突撃した。
二つの集団と集団が激しくぶつかり合い、双方入り乱れて乱戦となる。
最初のうちは接戦だったが、やがて勝俣村側が押し始めた。
 勝俣村側は一人の男を先頭に立てて攻めかかる。
先頭に立つのは、2メートルはあろうかという、雲突くような屈強な大男。
荒々しげなヒゲを生やし、いかにも恐ろしそうな顔で、金輪を嵌め、鉄の芯を入れた六尺棒をビュンビュンと振りまわすその姿は、まさに昔話の鬼か、あるいはかの牛若丸こと源義経に仕えた弁慶そのもの。
 彼は勝俣村が雇っている武術指導兼用心棒の武芸者。
雇われ武芸者は破竹の勢いで藤木村側の男達を次々と蹴散らす。
このままでは藤木村の敗走、誰もがそう思ったときだった。
 不意に、藤木村側から何者かが進みでて、相手側の用心棒の前に立ちはだかる。
現れたのは、身長170センチ代くらい、相手の用心棒とは対照的にすらりとした、だが無駄なく引き締まり、しなやかさを秘めた身体をした男。
野性味あふれる精悍な、だが現代ならばモデルや俳優が務まりそうな端正さを感じさせる面立ちをしている。
 男は腰を落としたどっしりとした体勢で、刀を構えている。
刀はがっしりしたつくりの、いかにも武骨な実戦用のもの。
男は菅原文蔵(すがわらぶんぞう)と名乗る武芸者、しばらく以前から藤木村に滞在し、目の前の相手同様、藤木村の武術指導兼用心棒をしていた。
 二つの村の用心棒は、互いに得物を構えて睨み合う。
その空気が感染したのか、双方の村の男達も、戦いを中断し、固唾を飲んで見守る。
 敵方の用心棒に気づくや、向こうの用心棒は六尺棒をビュンビュン振りまわして襲いかかって来た。
六尺棒の嵐を、菅原は服一枚の差で見切ってかわす。
中々当たらぬのに苛立ち、金棒の武芸者はやっきになって振りまわす。
ギリギリでかわし続けるうち、金棒の武芸者の動きが焦りでだんだんと乱れてくる。
やがて、大きな隙が出来たところへ、菅原が踏み込んで刀を振り下ろした。
 敵方の武芸者は棒で防ごうとするも、棒ごと顔面を唐竹割りにされ、息絶える。
頼みの用心棒がやられ、勝俣村側に一瞬動揺が走る。
そこをついて菅原は勝俣村側に斬り込む。
用心棒をやられたショックで、勝俣村側は崩れかける。
そこをみた藤木村側は、勢いを盛り返し、槍や刀、脇差を振るって攻めかかる。
すっかり立場は逆転し、今や勝俣村側が防戦一方。
勝俣村側はしばらくは堪えていたが、やがて潰走し、ほうほうの体で逃げ去っていった。


 「だぁぁ!もう少し優しくしろよ!!」
「何言ってるんですか、あなた武芸者でしょう?これくらい我慢したらどうです?」
文句を言う菅原に、傷の手当てをしながら、青年はそう言う。
 青年は20歳前後、新緑のような鮮やかな緑の髪と瞳が印象的で、女性顔負けに美しく、だがどこか手厳しそうで、またプライドなども高そうな雰囲気を持った面立ちをしている。
黒い法衣を着ているところから、僧侶と推察できた。
 僧の名は誠信(せいしん)。
藤木村内の、村立寺院を預かる僧である。
戦国の村では集会や村の行事を行う公共の場所として、村立のお堂や寺を持っていた。
その寺の管理者として、村に雇われているのである。
ちなみに、菅原も誠信の寺に普段は寝泊まりし、村の若者に剣術等の指導をしていた。
 「そう言ったってなぁ、沁みるもんは沁みるんだよ!」
「怪我しなければいいだけでしょう?武芸者なんですから、もっと怪我なんかしないで勝てるように考えたらどうなんです?全く・・・人の気も知らないで・・・」
「ん?何か言ったか?」
最後の言葉を聞きつけ、菅原は怪訝な表情を浮かべる。
 「何でもありませんよ。って何脱がそうとしてるんですか!?」
服を脱がそうとしている菅原に、思わず誠信は文句を言う。
「ん?お前さんを抱こうとな」
「はぁ!?まっ昼間から何考えてるんですか!?」
菅原の言葉に、思わず誠信は声を上げる。
二人は同居人というだけでなく、そういう関係でもあった。
ちなみに、この時代は珍しいことではない。
 「俺とじゃ嫌か?」
「そ・・そういう・・わけでは・・・」
「じゃあいいだろう。お前さんを抱きたいんじゃ!!」
「あ・・ダメです!?ここは・・寺院で・・私は・・!!」
「頼む!抱かせてくれ!?人を斬ったので気が高ぶって・・収まらんのじゃ!!」
「は?もしかしてそれが・・理由ですか?」
菅原の理由に、誠信はキョトンとした表情を浮かべる。
 「ん?そうだが?」
「嫌です。あなたとなんかしたくありません」
「んな殺生なー!このままだと欲求不満で死んじまう!!」
「いっぺん死んだ方がいいんじゃないですか?」
「そりゃあねえだろ!頼・・おいっ!ちょっと待て!?」
抱かせてくれと頼む菅原に、誠信は奥から何やら袋を持ってくる。
 「あなたって人は・・!!若い男を抱くことしか頭にないんですかーー!!」
誠信は怒りの声を上げるや、袋の中から白い玉を取り出し、投げつける。
玉が菅原の身体に当たるや、粉が舞う。
 「ぐええええ!!!ゲホッ!!ゲホゲホゲホッ!!」
粉をくらってしまい、菅原は猛烈に咳き込み、或いは涙で目をぼろぼろにしてしまう。
粉の正体は刺激性の薬草を調合した、一種の目つぶし。
誠信は薬草の知識があり、村人のために様々な薬を作っている。
この目つぶしもその一つで、村人が捕り物を行うときや、或いは若い女性などの護身用のために作ったものだった。
「うわーっ!落ち着けーっ!!目つぶし投げるなってーの!!」
すっかり怒り、目つぶしを投げつけまくる誠信に菅原は慌てて逃げ出した。
 「全く・・・!!人の気も知らないで・・・!!」
寺を飛び出して逃げ出す菅原に、誠信はため息をつく。
菅原に抱かれること自体は嫌ではない。
だが、あれではただの性欲処理と言われているようで嫌だ。
 (私も・・大人げないですが・・・。しかし・・・)
目つぶしなど持ちだした自分もよくないと思いつつ、それでも菅原の発言には我慢出来ない。
そう思わずにはいられなかった。


 数日後・・。
「な・・なぁ・・・」
「何です?話しかけないで下さい。私は忙しいんです」
恐る恐る呼びかける菅原に、誠信ははねつけるように答える。
 「なぁ、俺が悪かったって。謝るからよ、勘弁してくれよ」
「別に謝る必要なんてありませんよ。それより忙しいんですから邪魔をしないで下さい!!」
取りつく島も無い誠信の態度に、菅原はシュンとなって、スゴスゴと部屋を後にする。
 (少し言いすぎましたかね・・?)
すっかり落ち込んだ様子の菅原に、誠信は微かに胸が痛みそうになる。
(何を言ってるんですか!?いい薬です!?あんな下半身男には!!)
先日のことを思い出し、誠信は自分にそう言い聞かせる。
菅原の言動はやはり勘弁出来るものではない。
そう思うと簡単には許してやれない。
そんなことを誠信が考えていたときだった。
 「誠信様!誠信様!」
不意に外から、息せき切って誠信を呼ぶ声が聞こえてくる。
思わず縁側に出ると、村の若者が息せき切って飛んできた。
 「おや?村はずれの五助さんじゃないですか。どうしたんですか?」
「すいませんっ!すぐ来て下さいっ!山仕事してたら怪我人が・・・!!」
「わかりました!すぐに行きます!!」
表情が変わると、誠信は奥から薬の入った袋や箱を取って来る。
 「おい、どっか行くのか?」
真剣な表情で、医療道具を抱えた誠信に、菅原は怪訝な表情で尋ねる。
「怪我人が出たので、出かけるのですよ。いちいち聞かないで下さい」
「待て。俺も行く。色々物騒だしな」
「あなたの護衛なんていりませんよ。治療に行くだけなんですから」
「そう言うなよ~。心配なんだよ。山の方だろ?追い剥ぎとか・・・」
「別にあなたに心配していただかなくて結構です。私は急ぎますから」
「あっ!おいっ!待てよっ!!」
呼び止めようとするが、誠信はそのまま若者と共に行ってしまう。
 「たはは・・。完全に怒ってやがるなぁ・・。どうすっか・・・」
困った表情を浮かべつつ、菅原はポリポリと頬をかいていた。


 「どうです?少しは楽になりましたか?」
「へぇ、痛みが和らぎましたわい」
手当てを終えた患者に尋ねた誠信に、男はそう返す。
 「ならよかったです。皆さん、今日は仕事はおしまいですか?」
「へぇ、こう怪我人が出ちまったんじゃ、山仕事どころじゃねえですから」
「では皆さんで送ってあげて下さい。怪我人ですから気をつけて下さいね」
「わかってまさぁ、さぁ、帰るべ。田助どん」
男達は怪我をした仲間を支えながら、村へと帰ってゆく。
 「すんません、誠信様。わざわざ来てもらって・・」
「構いませんよ。怪我人や病人の手当ても、私達僧侶の大切な役目ですからね」
自分を呼びに来た五助に、誠信はそう答える。
 「そんならよかったです。んじゃあ寺まで送りますね」
「すみませんね。ではよろしくお願いします」
五助は山仕事用の鎌と、護身用の脇差を腰に差すと、誠信の先に立って、山を降りはじめた。
 「そういや誠信様」
「何です?」
「菅原の旦那と喧嘩でもしたんですか?」
「な・・何のことです?」
五助の問いに、誠信は平静を装って問い返す。
 「いや、何か旦那と言い争ってたみたいですし・・・」
「ああ・・。あれですか、何でもありませんよ。心配していただくことはありません」
「そうっすか。ならええんですけど。ん?」
不意に五助の表情が変わり、脇差に手をかける。
 「どうしたんで・・うわっ!!」
突然、木陰から飛んできた矢に、誠信は驚く。
「うわっ!?」
矢は五助の肩に突き刺さり、五助は倒れる。
 「五助さんっ!!」
慌てて駆け寄る誠信だが、そこへ物陰から、刀や脇差、弓矢などで武装した、いかにも山賊や追い剥ぎらしい数人の男達が現れた。
男達はあっという間に誠信達を取り囲み、刀を突きつける。
 「あなた方は・・追い剥ぎですか!?」
「誰でもいいだろ。来い」
「嫌です」
「なら・・仕方ない」
「う・・!!」
鳩尾にパンチを叩き込まれ、誠信は気絶する。
男達は気絶した誠信を連れて行った。


 「遅えなぁ・・。どうしたんだ?」
中々帰って来ない誠信に菅原は怪訝な表情を浮かべる。
そのとき、風を切るような音がしたかと思うと、矢が柱に突き刺さった。
 「何だ!?ん・・!?」
矢文に気づき、急いで外して中身を読む。
目を通すなり、ワナワナと菅原は身体を震わせた。
 「クッソ・・!!やってくれたな!!」
そう言って手紙を投げ捨てる。
菅原は飛び込むように奥に行ったかと思うと、刀を差した姿で寺を飛び出した。


 「おい!連れてきたぜ!!」
誠信を連行した男達は荒れ寺へやって来ると、先に待っていた人物に声をかける。
 そこにいたのは10代半ばか後半くらいの少年。
頭の後ろで髪を束ねた、いわゆるポニーテイルの髪型に、少年らしくもどこか艶っぽく整った面立ちをしている。
すらりとしているが、誠信とは対照的にしなやかさやバネを感じさせる身体に、半袖・丈が膝上までの着物を着ている。
 「お兄さん方、ご苦労さん。ほい、お手当て」
少年はそういうと、賊らしい男達に金を渡す。
「あ~、これっぽっちじゃ足りねえなぁ?」
「何?不満?あいにくこれしか用意してないんだけどな~」
「金じゃねえよ。オメエの尻で払ってくれよ」
「何?先払いの手つけでやらせてあげたじゃん」
「あれだけじゃ足りねえよ!」
「もう・・仕方ないなぁ・・。じゃあ、お兄さんからね」
少年はそういうと、傍の男に抱かれる。
 「へへへ・・たまんねえ・・」
だらしない表情を浮かべながら、賊の男は少年の尻に手を回し、揉もうとする。
同時に少年も男の首に手を回し、抱きしめようとしたかに見えた。
 「ぐ・・!!ぐえええ!!」
直後、苦悶の声が上がる。
いつの間にか少年の手には、両端に分銅がついた鎖があり、それで男の首を絞めていた。
 「調子に乗るんじゃないよ!このクズ!!」
がらりと変わった口調で、少年は閉めながら男の首を不自然な方向へと曲げてしまう。
「こ・・こんガキッッ!!」
仲間をやられ、激昂した賊たちは少年に襲いかかる。
少年は懐に手を入れたかと思うと、何かを投げ放つようなしぐさをする。
直後、男達の額や喉に、大きな針のような形状の手裏剣が刺さっていた。
 「は~もうっ!やっぱ山賊とか使うと後がメンドイよね~~」
事切れた追い剥ぎ達に、少年はため息をつきながら呟く。
直後、少年は今度は誠信の元へとゆく。
 「えーと、あんた誠信さん?藤木村の坊さんの?」
「え・・ええ・・。あなたこそ・・何者です?」
「ああ?俺?俺は弦三郎(げんざぶろう)っていうの。あんた、菅原の旦那と暮らしてんでしょ?」
「よ・・よく・・知ってますね・・」
「ふふん。俺に調べられないことはないモンねー。おっ!来た来た!」
ニヤリと笑みを浮かべ、弦三郎は崩れかけた山門の方を振り向く。
すると、肩を上下させ、荒い息を吐く菅原の姿があった。
 「ふふふ、待ってたよ~。菅原の旦那~~~」
弦三郎はニヤニヤしながら、菅原に呼びかける。
「待ってたよじゃねえ!!弦三郎・・!!やっぱりお前か!?」
「ふふふ、かなり息荒いね~~。全速力で走ってきたの~?」
「んなことぁどうでもいい!!誠信を返さんか!!」
「やだよ~~。腕ずくで取り返してごらん~~~。あっかんべーだっ!!」
子供かと思うようなしぐさで、弦三郎は挑発する。
 「クソ・・!!仕方ない・・!!」
舌打ちしながら、菅原は抜刀し、構える。
対して、弦三郎も分銅鎖を構えて、ジッと睨み合った。
 互いに武器を構えたまま、二人はジリジリと接近する。
一歩、また一歩と接近していたが、やがて途中で二人の歩みが止まる。
二人とも微動だにせず、ジッと相手を睨みつける。
 先に動いたのは菅原。
すっと間合いを詰めるや、斬りかかる。
弦三郎はそれを分銅鎖で受け流し、懐に入り込もうとする。
対して、菅原もそうはさせじと間合いを離し、再び刀を振るって分銅鎖を切断する。
 武器を切断されても、弦三郎は慌てず、今度は懐からトゲ付きの鉄輪を取り出し、拳に握る。
今度は弦三郎から先に攻めた。
間合いを詰めるや、パンチのラッシュが襲いかかる。
菅原はそれを刀で受け流しつつ、蹴りを繰り出して間合いを離しにかかる。
だが、相手もそうはさせじと、しつこく食い下がり、パンチを繰り出し続ける。
やがて、弦三郎の繰り出したキックが菅原の腕を下から蹴りあげ、菅原は刀を取り落とす。
そこへ弦三郎が懐へ入り込もうとする。
 そうはさせじと、菅原も両腕を伸ばして掴みにかかる。
互いに組み合ったまま、相手を制圧しようとするが、ついに弦三郎が姿勢を崩し、そこにつけ込んで菅原が背負い投げを喰らわせた。
 地面に叩きつけると同時に、菅原は逆手に握った脇差を喉に突きつける。
「どうする?まだやるなら・・容赦はしねえぞ!」
「わかったよ。俺も死にたくないからね~。降参降参」
そういうと、ようやく菅原は脇差を喉から離すも、弦三郎をしっかりと掴んだまま。
そのままで、誠信のところへゆき、縄を切る。
 「大丈夫か?」
「ええ・・。何とか・・」
「ならええ・・。それより・・・」
菅原は弦三郎をジロリと見やる。
 「おい・・・。貴様、これで何度目だ?」
「さあねぇ、忘れたよ~」
「忘れたよじゃねえ!!何度も何度もしつこく・・」
「ふふん。付きまとわれて嫌なら、いっそのこと殺す?」
「ガキはやりたくねえ。だが・・・」
菅原は弦三郎を引き倒したかと思うと、膝に載せる。
同時に、着物の裾を捲り上げ、下着を降ろした。
 「あれ?何何?負けたのに抱いてくれるの?」
「馬鹿か・・。貴様みたいなガキには・・こうしてやる・・」
苦々しい表情で呟くと、菅原は手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「うわ・・!!」
弾けるような音と共に、弦三郎は悲鳴を上げる。
バシッ!バンッ!ビダンッ!バアアンッ!バシッ!ビダンッ!
「わ・・!ちょ、ちょっとっ!何するのさっ!?」
弦三郎は振り向きながら抗議する。
 「悪ガキに仕置きしてんだよ!見りゃわかるだろ!!」
バシッ!バンッ!ビダンッ!バアアンッ!バシッ!バアンッ!ビダンッ!
「ちょ、ちょっとっ!やめろってばっ!!」
「うるせえ!!人をかっさらう悪ガキがっっ!!切られても文句は言えねえ立場だろっっ!!」
お尻を叩きながら、菅原はそう言う。
 「う・・うるさいなあっ!!アンタが悪いんじゃないかっ!?俺の宿願邪魔したくせにっっ!!」
「何が宿願だっ!?こっちは付きまとわれて迷惑してんだよっっ!!」
バシッ!ビダンッ!バアアンッ!バシッ!バシッ!バンッ!ビダンッ!バアアンッ!バシッ!
「く・・やめ・・やめろってっ!あ・・!う・・あ・・ひ・・!あ・・ダ・・うわあああああああっっっ!!」
突然、悲鳴を上げて弦三郎はのけ反る。
同時に、自身から欲望を放ってしまった。
 「のわあっ!?何してんだっっ!!」
袴を白濁液で汚され、思わず菅原は叫ぶ。
その隙に、弦三郎は菅原の膝から飛び出し、一跳びで木の上まで飛んだ。
 「くぅうう・・!!よくもやってくれたよね・・!!覚えてろっっ!!」
お尻をさすりながら、悔しそうな表情を浮かべて捨て台詞を残し、弦三郎はそのまま姿を消した。
 「クソ・・!!ガビガビだぜ・・!!それより・・」
汚れた服に舌打ちしつつ、菅原は誠信の方を振り向く。
「大丈夫か?」
「え・・ええ・・。何とか・・。それより・・一体何だったんです?」
「悪い、アイツは弦三郎とかいうやつで・・・。忍び崩れか何からしいんだが・・。以前色々あって・・それ以来しつこくつけ回されて・・勝負を挑まれてんだよ・・」
そう言いながら、菅原はため息をつく。
 「それより・・・。すまんっっ!!」
いきなり、菅原は土下座した。
「この間の事は俺が悪かった!!性欲処理みてえなこと言って!!謝るから・・勘弁してくれ!!お前さんに愛想尽かされたら・・俺は・・生きていけん・・!!」
「全く・・ずるいですね・・。あなたは・・・」
土下座する菅原に、誠信はため息をつきながら言う。
 「仕方ありませんね。この前の事は・・私も大人げなかったですからね・・。許してあげましょう・・」
「すまんっ!本当にすまんっ!恩に着るっ!!」
「ただし・・仕方なくですからね。二度と調子に乗らないで下さいよ」
「わかっとるって!あ・・!!」
「どうしたんですか?そんな顔して?」
何かを思い出したような菅原に、誠信は怪訝な表情を浮かべる。
 「どうしたじゃねえよ!誠信っ!こん馬鹿っ!!俺を連れて行かなかっただろうが!!」
自分を連れていかなかったことを思い出し、菅原は声を上げる。
「く・・!も・・元はといえばあなたが悪いのでしょう?」
「その件は悪かった。だけどな、俺を用心棒に連れていけばこういうことにはならなかっただろうが!!」
「う・・うるさいですね!あなたになんか言われたくありませんっ!!」
「馬鹿野郎!弦三郎からの矢文でメチャクチャ驚いたんだからな!!」
「ちょ・・何をするんですかっ!?」
菅原は今度は誠信を膝に載せる。
 「こういうことまたされたら、俺の心臓が持たないからな」
「も・・元は言えばあなたのせいでしょう!!降ろしなさいっ!!」
抗議する誠信だったが、菅原はそれを無視し、上着を捲り上げ、袴や下着を降ろして青年僧のお尻を出してしまう。
 バアッジィィィ~~~ンッッッ!!
「何するんですかっ!?やめなさいっ!!」
「馬鹿野郎!こっちがどれほど心配したと思ってんだ!!」
「あなたが勝手にしたんでしょう!やめ・・やめ・・うわああっっ!!」
肌を打つ音と共に、今度は誠信の悲鳴が響きわたっていた。


 「クッソ~!何でまたあんなことに・・・!!」
弦三郎は悔しそうな表情を浮かべる。
(何であんなヤツにお尻叩かれてイっちゃうんだよ!?)
お尻を叩かれているうちに射精したことに、たまらない屈辱感を覚える。
 「クソ・・!今度こそ首取ってやるんだからな!!」
叩かれたお尻をさすりながら、弦三郎はそう呟いた。


 ―完―

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