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菓子パン騒動(SO2&テイルズより:/ルーク・セネル、共演パロ)


(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「はぁ・・やっと終わった・・・」
セネルはホッと一息つくと、テーブルに視線を落とす。
テーブル上には、チョココロネやクリームパン、メロンパンといった多種多様な菓子パンが並べられている。
 「お疲れ様、全部済んだかな?」
様子を見に来たのか、厨房にアシュトンの姿が現れた。
「ああ、後は冷えるのを待って包装すればいいだけだ。だが・・・何だってわざわざ依頼なんかするんだ。俺はパン職人じゃないんだぞ」
「仕方ないじゃないか。セネルのパンって凄くおいしいんだし。僕だって初めて食べたときは、本当に凄く感激したんだよ」
不平そうなセネルに、アシュトンはそう言う。
 セネルの特技はパン作り。
その腕は本職顔負けで、作るパンはまさに絶品。
それゆえ、ギルドにパン作りの依頼が寄せられ、今日のその関係で依頼された菓子パンを作っていたのである。
 「まぁパン作り自体は好きだし、喜んで食べてもらえるのは嬉しいが・・おかげで大変なんだ!朝早くから仕込みとかしないといけないからな」
「それでパン屋とかからのスカウトを全部断ってるの?」
アシュトンは思わずセネルに尋ねる。
セネルは殺人的なまでに朝が弱い。
誰かが起こさないと、下手をすれば丸一日寝ているほどだった。
「ああ。職人として大量に作るとなると、まだ暗いうちから起きて働かなきゃだからな。俺には出来ないし、それは嫌なんだ。寝るのが好きなんでな」
「セネルらしいけど、もったいない気がするなぁ。凄いところからもスカウトが来てるのに」
セネルの答えに、アシュトンはそう思う。
セネルのパンのおいしさは、口の肥えた王侯貴族や大富豪をも唸らせるほど。
その腕を我がものにせんと、セレブ御用達の高級ベーカリーや王都の大貴族などからもスカウトの話があり、彼らが提示する給金の額を聞いた時には皆、目が飛び出るほど驚いたものだ。
そんな話が来ているのだから、パン職人にならないのがもったいない、そう思えるのである。
 「リッドじゃないが、俺は今の暮らしが気に入ってるしな。ゆっくり寝ていられるからな」
「まぁとにかく、後は僕らに任せて、セネルは休んでよ。疲れたでしょう?」
「そうだな、パン作りは疲れるからな・・。それじゃあお言葉に甘えて、一眠りさせてもらう。何かあったら起こしてくれ」
セネルはそういうと、仮眠を取りに自分用のゲストルームへと向かった。
 「この量だと・・・用意した分じゃ足りないかもだから・・・」
今回は注文量が多かったためか、予定していた量ではラッピング用の材料が足りなくなるかもしれない。
そう判断すると、アシュトンは必要なものの買い出しに外へ出た。


 セネルが菓子パン制作の作業を終えて少し経った頃・・・。
「あーくそっ!つまんねーなぁ!」
不機嫌そうな表情を浮かべながら、ルークが廊下を歩いていた。
クエストの依頼も無く、暇で手持無沙汰なのだ。
 「何か面白いことねえのかよ・・ん?」
ルークは不意に何ともおいしそうな匂いがすることに気づく。
「何だこりゃ?」
興味をそそられたルークは、匂いを追って走り出す。
やがて、ルークは厨房へとたどり着いた。
 「こっからだよな・・・。ん?」
匂いを追ううちに、ルークはテーブル上に置かれた菓子パン類に気づく。
「これ、菓子パンか?うまそうだな」
ルークはそういうと、菓子パンの一つを手に取って食べてしまう。
 「うおっ!マジうめー!!」
そのおいしさにルークは感激する。
同時に、さらに食欲が刺激される。
「こんなにあんだから少しくらい大丈夫だよな」
そんなことを言うと、ルークはどんどん菓子パンを食べてしまう。
 「うめーうめー!ん?そうだ・・!!」
ルークはグミ類などを入れるのに使う袋を取り出すと、特においしいと思った種類の菓子パンを選んで袋に詰める。
そして、詰め終えると、厨房を後にした。
 同じ頃、クエストを終えたルカが会館に戻って来ていた。
「はぁ、疲れたなぁ・・・」
「僕も・・」
「二人ともだいぶお疲れだな。ご苦労さん」
疲れた様子のルカとジュードに、ボーマンはそういう。
その袋には薬草が満杯に詰まっている。
ボーマンの手伝いで薬草採取に行っていた帰りなのである。
 「うん、あそこのモンスター、強いからね。どうしたって大変だよね」
「確かにな。腕自慢でも油断するとやられるからな」
ルカの言葉にボーマンは頷く。
郊外の洞窟は薬草の自生地としてのみならず、強くて危険な魔物の生息地としても知られている。
そのため、薬草採取は魔物と戦いながらになり、帰って来た時にはクタクタ、というわけである。
 「でも、大変だけど、武術の修行にも、薬草の勉強にもなるから、やりがいがあるよね」
「そうだね、僕も前より強くなった気がするし」
「そうだな。その意気だぞ、二人とも」
ジュードとルカの言葉に、ボーマンはそう言う。
「まぁ二人とも今日はご苦労さんだったな。これ、報酬な」
そういうと、ボーマンは二人に報酬としてお金と薬草を手渡した。
 「おっ!帰ってきてたのかよ」
そこへ袋を抱えたルークが現れる。
「あっ、兄さん、ただいま」
「ルカ、疲れてんだろ?コレ食えよ」
そういうと、ルークは袋から菓子パンを一つ取り出して渡す。
 「ありがとう、それじゃあいただきます」
ルカはパンを受け取ると、食べ始める。
「うわぁ!おいしい!」
「だろだろ?もっとあるからどんどん食えって」
ルークはそういうと、さらにルカにパンを与えようとする。
 「へぇ、中々ウマそうなパンだな」
「おい!手ぇ出すんじゃねーよ!ルカに持ってきたんだからな!!」
おいしそうな菓子パンに思わず呟くボーマンに、ルークはそう言う。
 「兄さん、そんな意地悪言わないでよ。こんなにあるんだし、ボーマンやジュードだってお腹減ってるんだし。二人にも分けてあげてよ」
「ち・・仕方ねえなぁ・・。わーったよ!ただし・・テメェらあんま食うんじゃねぞ!あくまでルカのなんだからな!」
「わかってるって」
「そ、それじゃあお言葉に甘えて・・・」
ルカのおかげで、ボーマンとジュードもパンにありつく。
 「うおっ!美味いっ!?コイツは絶品だな!!」
「僕も・・。こんなおいしいパン食べたの初めてだよ・・」
「だろだろ?マジうめーだろ!俺が見つけて来たんだぜ!!」
絶品菓子パンを手放しでほめるボーマン達に、ルークも鼻高々になる。
 「でも兄さん、どこで見つけてきたの?こんなおいしいパン作るパン屋さん、この街にあったっけ?」
ルカは怪訝な表情を浮かべる。
どこかの店で買ってきたのなら、絶対街の噂になるから、知っているはず。
 「あん?厨房にたまたま置いてあったから持って来ただけだぜ?」
「え・・?厨房?厨房のどこ?」
「あん?テーブルの上だよ。いちばん右の」
「「「!!!!」」」
ルークの言葉に三人は表情が強ばる。
 「あん?どーしたんだよ?んな顔してよ?」
「に、兄さんっ!このパン・・依頼用のパンだよっ!!」
ルカは思わず叫ぶ。
ルークが言ったテーブルは、ギルドに寄せられた依頼用の食品を置いておくためのもの。
その上に置いてあったということは、後で依頼人へ引き渡すための、いわば商品だ。
 「ど・・どうしよう・・。食べちゃった・・よぉぉ・・・」
「あん?どうしたんだよ?この世の終わりみたいな顔して?」
真っ青になっているルカに、思わずルークは怪訝な表情を浮かべる。
 「ルーク、お前が持って来たのはな、依頼用のパンだったんだよ」
「ハァ?んなこと知らねーよ!」
「でもテーブルの位置とかでわかるだろう?」
ルークの言葉にボーマンは思わずそう言う。
 「る、るせぇな!イチイチ場所なんて見てねーよ!ちゃんとわかるように書いとけってんだよ!!」
「ルーク・・・」
思わずボーマンが呆れたように呟いたときだった。
 「おぃおぃ、一体何を騒いでるんだ?」
不意に背後から聞こえてきた声に、全員振り向く。
直後、ルークを除く全員の表情がこわばった。
 「セ、セネル・・・・・」
ルカは顔から血の気が引きそうになる。
こんなにおいしいパンをつくれるのは、ギルドメンバー内ではまずセネルだ。
他にも料理の腕に長けた人物は多いが、パンに関してはセネルに叶う者はいない。
 「ど、どうしたの?こ、こんなところで?」
心臓が飛び出しそうになるのを堪え、ルカは必死に尋ねる。
「ああ、パン作りの仕事が終わって一眠りしてたんだが・・何だか騒がしいからな・・」
「そ、そうだったんだ、ごめんね」
「いや。それより何を食べてるんだ?」
「う・・あ・・あの、その・・・」
「何だ?どうし・・!?」
歯切れの悪いルカに話しかけようとしたところで、セネルは食べかけのパンに気づくや、ルカからパンをひったくる。
 「おいっ!何すんだよっ!!」
ルークが思わず抗議するが、セネルはそれを無視して食べかけのパンをじっと見つめる。
「これは・・!!おいっ!?何でお前が持ってるんだ!?」
「ご、ごめんなさいっ!!き、君のパン・・僕らが食べちゃったんだ!!」
「あん?あれ、セネルのパンかよ?」
謝るルカを尻目に、ルークがそう言う。
 「何だと!?どういうことだ!?」
「待て!落ち着けって」
今にも激昂して食ってかかりそうなセネルを、ボーマンが落ち着かせようとする。
 「これが落ち着いていられるか!?まさか・・食べたのか!?」
「るせーなぁ、だったらどーだってんだよ」
「何だと!?お前、人のパンを食べておいて・・!!」
「たまたま置いてあったから食っただけだってーの」
「置いてあったんじゃない!!包装前の準備をしてたんだ!!何てことをしてくれたんだ!?」
苦労して造ったパンを食べられてしまい、激昂するセネルに、ルークは相変わらずの傍若無人な態度で返す。
 「るせーなぁ、パンなんてまた造りゃあいいじゃねえかよ。ケチケチすんなよ」
「に、兄さん、そ、そういう言い方は・・・」
慌ててルカが止めようとするも、二人の言い争いは止まらない。
 「ふざけるな!人が造った物を盗み食いしておいて!このパン泥棒!!」
カッとなったセネルは、ルークを殴りつける。
「テメェ!何すんだ!!」
「うるさいっ!パン泥棒の癖に!!反省もしないで・・そんな奴は俺が痛い目見せてやる!!」
「そりゃコッチの台詞だっ!!烈破掌っっ!!」
ルークは殴られたお返しに、闘気を纏った掌打を叩きつけ、セネルを吹っ飛ばす。
 「やったなっ!魔神拳っっ!!」
セネルも着地と同時に衝撃波を放って反撃する。
「この寝坊助シスコン野郎っ!!ボコボコにしてやるっ!!」
「こっちの台詞だっ!!ワガママパン泥棒っっ!!」
すっかり頭に血が上った二人は、周りを巻き込みながら、喧嘩を始める。
 「「うわあっ!!」」
「危ないっ!」
ボーマンはルカ達を連れて急いでその場を離れる。
 「ルカ、ジュード急いでガイかティア、それとスタンかチェスターを連れて来てくれ。俺が時間稼いでるうちにな」
「わ、わかったよ。行こう、ジュード」
「うん。急がないと」
二人はガイ達を探しに急いでその場から離れる。
ガイ達を探しにルカ達が離れるのを尻目に、ボーマンが喧嘩中の二人に接近する。
 「おいおい、お前ら、落ち着けって」
「るせぇ!口挟むんじゃねえ!烈破掌っ!!」
「そうだ!これは俺達二人の問題だ!!魔神拳!!」
「やれやれ・・。仕方ねえな・・・」
激昂して同時に攻撃してくる二人にため息をつきつつ、ボーマンは二人を取り押さえようと、拳を構えた。


 「すまなかったな。羊の世話なんて頼んで」
「気にしなくて大丈夫だよ。元々羊飼いやってたからさ、昔は」
ガイの言葉に、スタンはそう返事をする。
スタンは元々羊飼い出身で、羊の世話が上手いため、よく羊の世話を牧場などから頼まれていた。
今日も、司令部メンバーの関係者の牧場に、ガイの頼みで手伝いに行っていたのである。
 「それならよかった。もしまたのときは頼むな」
「ああ、任せておいてよ。あれ?」
不意にスタンはルカ達が必死に走って来るのに気づく。
 「おや?どうしたんだ、そんなに慌てて?」
只ならぬ二人の様子に、ガイは訝しげに尋ねる。
「二人とも大変なんだっ!!ルークとセネルが会館で大喧嘩してるんだよ!!」
「何だって!スタン!」
「わかったよ、俺も手伝うよ。二人を止めなきゃね」
ガイとスタンはそういうと、ルカ達と共にギルド会館へ向かう。
 「それにしても、どうして喧嘩なんかになったんだい?」
走りながら、スタンは尋ねる。
「うん、実は兄さんが・・・セネルが依頼で造ったパンを・・食べちゃって・・」
「それでセネルが怒って喧嘩になったんだな?」
「う・・うん・・・」
自分の家族が関わっているからか、ルカの表情は晴れない。
そのうちに、4人は会館に到着した。
 「うわ・・!!ヒドいなぁ!?これ!?」
壁や天井のあちこちに穴やヒビが出来た廊下に、スタンは思わず声を出す。
「お前ら・・!!いい加減にしろと言ってるだろう!?」
叱責するようなボーマンの声に、思わず皆、振り向く。
すると、戦いで愛用の白衣がすっかり汚れてしまっているボーマンの姿があった。
 「るせぇ!エラそうに口出すんじゃねーよ!!」
「そうだ!これは俺とルークの問題だっっ!!」
止めようとするボーマンに対し、二人は同時に攻撃を仕掛ける。
 「はっ!そらっ!はっ!烈震天衝っっ!!」
剣を振るってボーマンのガードを固めさせたところで、ルークは突きからの強力なアッパーでガードを崩し、同時に打ち上げる。
「くらえっ!!鳳凰天駆っっ!!」
そこへセネルが飛び上がり、炎を纏った急降下キックを叩き込んだ。
 「ぐ・・・!!」
二人の攻撃にボーマンは吹っ飛ばされてしまう。
「「ボーマンッッ!!」」
ルカとジュードは思わず駆け寄る。
 「スタン」
「わかってる」
ガイとスタンは顔を合わせると、剣を振るう。
「「魔神剣ッッ!!」」
二人同時に衝撃波をルーク達目がけて飛ばし、同時に追いかける。
 「弧月閃!!」
「爪竜連牙斬!!」
魔神剣が当たったところへ、間合いを詰めていたガイが月の幻影と共に連続斬りを、スタンが炎を纏った連続斬りをそれぞれルークとセネルに叩き込む。
 「痛って・・何すんだよガイッ!!」
「スタンッ!何をするんだっ!?」
攻撃を加えた当人達に、ルークもセネルも抗議する。
 「何するんだじゃないだろう?セネル、周りをよく見てごらん?」
「何だと?は・・・!?」
セネルは言われた通り、あたりを見回す。
冷静になった今では、自分達の喧嘩が原因で壊れた壁や天井、そして止めようとして攻撃を受けたボーマンの姿が目に入って来た。
 「とりあえず・・ゲストルームで待ってるんだよ、セネル」
「あ・・あぁ・・」
「ルークもだ、セネルと一緒に部屋で待ってるんだ」
「ハァ?何でだよ!?冗談じゃ・・」
「ルーク、あまり聞きわけが無いと、ここでお尻を叩くぞ?」
抗議しようとしたルークだったが、ガイのその一言に渋々黙る。
 「とりあえず・・・まずはボーマンを医務室へ連れていこう。スタンも手伝ってくれるか?」
「わかったよ」
セネル達をゲストルームへ行かせてから、ガイとスタンはそういうと、ジュード達と共に、ボーマンを連れていった。


 「あーくそっ!!ついてねー!!」
ゲストルームで、ルークは苛立たしげに叫ぶ。
「おいっ!どーしてくれんだよっ!!テメェのせいで俺までケツ叩かれるだろうが!!」
「何だと!?元はといえばお前が悪いんだろう!!」
反省の色が見られないルークに、セネルもカッとなる。
 「るせぇ!商品なら商品ってちゃんと書いとけよ!わかんねーだろうが!!」
「ふざけるな!あのテーブルは商品用だと説明されたはずだろう!!」
調理関連のクエストを受ける際、厨房についての詳しい説明を、必ず受けているはず。
セネルはそう思いながら、ルークに言い返す。
 「ハァ?そんなの聞いてねーし」
「お前なぁ・・・」
ルークの態度に、さすがにセネルも呆れたような口調になる。
 「こらこら?何を騒いでるんだ?」
「二人とも、ちゃんと反省してなきゃダメじゃないか」
騒ぎを聞きつけたのか、ガイとスタンが顔を出す。
 「スタン・・。ボーマンは?」
セネルは恐る恐る尋ねる。
「ああ、大丈夫みたいだよ。上手く急所は避けたりしてたそうだから。自分で手当てしてたよ」
「そ・・そうか・・」
医者とはいえ、自分で手当てが出来るのだから、そんなに傷はひどくなかったのだろう。
そう思うと、セネルはホッとする。
 「それよりダメじゃないか。喧嘩なんかしたら。しかも、物を壊したり、止めようとしたボーマンさんにまで暴力振るって」
「う・・。そ・・それは悪かった・・。反省してる・・・」
「ダメだよ、セネル、悪い子はお仕置きだからね」
「ま、待て!待ってくれ!!」
スタンのお仕置き宣告に慌てるセネルだったが、スタンが待つわけもなく、あっという間に掴まり、膝の上に載せられてしまう。
セネルを膝に載せるや、スタンは慣れた手つきで、セネルのお尻をむき出しにしてしまう。
 「だーはっはっはっ!ケツ丸出しかよっ!?情けねー!!」
「う、うるさいっ!!お前だって同じ目に遭うくせにっ!!」
大笑いするルークに、セネルはそう言い返す。
 「ハァ?何言ってんだよ?」
「ルークもだぞ。今日はしっかり反省してもらわないとな」
「ハァ!?ちょっと待て!何で俺までケツ叩かれなきゃならねえんだよ!!」
ガイの言葉に、ルークは目を丸くする。
 「ルーク、ここまででわからないはずがないだろう?セネルが造ったパンを勝手に食べたり、持ちだしたりしたんだろう?」
「し、知らなかったんだよ!!何も書いてねーし!たまたまテーブルに置いてあったの食べただけだってーの!!」
お仕置きから何としても逃げようと、ルークは必死に言い訳する。
 「ルーク、あそこのテーブルは商品用のだ。ここで働くようになったときにちゃんと説明されただろう?それに、例えそうじゃなくても、勝手に食べたりしたらダメだろう?」
ガイはルークにわかってもらおうと、出来るだけ優しい声で、言い聞かせるように言う。
 「それに、セネルと喧嘩した上に会館の壁や天井を壊したり、止めようとしたボーマンにも暴力を振るっただろう?」
「し、仕方ねえだろ!あの寝坊助シスコンが俺の事パン泥棒とか言うし!ボーマンの野郎が勝手に首突っ込んで来たんだよ!俺は悪くねえ!!」
「はぁ・・。反省の色無しか・・。仕方ないな・・」
ガイはため息をつきながら、同じようにルークを押さえにかかる。
 「だぁぁ!何すんだっ!?馬鹿ッ!!」
抵抗するルークを、ガイは押さえ込んで膝の上に載せると、これまた慣れた手つきでお尻を出してしまう。
 「ルーク、ちゃんと反省するんだぞ」
「だぁぁ!やめろってんだろーがっ!!はーなーせーっっ!!」
「セネルもだよ、悪い子は俺許さないよ」
ガイとスタンはそれぞれ、そう言うと、手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~ンッッッ!!
「くぅ・・!!」
弾けるような音と共にお尻に走る痛みに、セネルは顔を顰める。
 パシッ!パアンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「ダメじゃないか、人と喧嘩なんかして」
お尻を叩きながら、スタンはお説教を始める。
 パンッ!パシンッ!ピシャンッ!パアンッ!
「く・・!し、仕方・・ないだろう・・!!朝早くから・・本当に大変だったんだ・・!!」
セネルは悔しさを顔に滲ませながら言う。
 パン作りは非常に大変な作業。
暗いうちから起きて仕込みやら何やらしなくてはいけない。
誰にとっても大変だが、スタン・カイル親子並みに寝起きが悪く、朝に弱いセネルにとっては尚更だった。
 「それだけじゃない!!材料も全部自分で目利きして、取ってきたりしたんだ!!やっとの思いで造ったのに・・!!それを・・それを・・全部アイツが台無しにしたんだっ!!」
悔しさに目尻に涙を浮かべながら、セネルは叫ぶ。
 「そうだよね、悔しいよね。許せないよね。そんなに手間暇かけて、苦労して造ったのに、食べられたりしたらさ」
お尻を叩きながらも、スタンは同情するように言う。
 「でもさ、だからって喧嘩なんてしていいってことにはならないだろ?」
「し、仕方ないだろう!ルークが盗み食いなんてするからだ!!」
「だからってカッとなって喧嘩なんかしたらダメじゃないか。そのせいで物を壊したり、それに何より・・止めようとしたボーマンさんにまで暴力を振るっただろう?」
「く・・!!だ・・だから悪かったって言ってるだろう!!イチイチ言わないでくれ!!」
恥ずかしさにセネルは顔を真っ赤にする。
 「悪いことしたのはセネルじゃないか?それに、そんなことして、下手したら警察沙汰なんだよ。わかってるのかい?」
「だから悪かったって言ってるだろう!いい加減にしてくれ!どうしていつも尻叩きなんだっっ!!俺は子供じゃないっ!!本気で怒るからなっっ!!」
自分が悪いのはわかっているが、それでも年頃の男の子故に恥ずかしさと悔しさで、ついそんな態度を取ってしまう。
 「セネル・・。本気で言ってるのかい?」
スタンの雰囲気に、セネルは思わず背筋が寒くなりかける。
だが、屈辱感から来る怒りが、セネルを突き動かす。
 「だ・・だったら何だって言うんだっ!!いい加減にしろっ!!本気で怒るって言ってるだろう!!」
「よくわかったよ、セネルが反省してないのは・・・」
そういうと、スタンは手を振り上げる。
 ビッダァァァァァ~~~~ンッッッッ!!!
「うっ・・わぁぁぁああ!!!!」
容赦ない平手打ちに、セネルは絶叫する。
 「そんな悪い子・・絶対に許さないからね!!」
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
怒りの声と共に、スタンは平手の豪雨をお見舞いする。
 「うわぁぁぁ!!痛っ!痛ぁぁぁあ!やめ・・やめろ・・!!やめてくれっ!!うわっ!!痛っ!痛ぃぃぃぃぃ!!!」
セネルの悲鳴が響きわたる中、スタンの平手打ちが容赦なくセネルのお尻に降り注ぎ続けた。


 セネルのお仕置きが始まったのと同じ頃、ガイもルークのお仕置きを始めていた。
バッシィィィ~~~ンッッ!!
「だぁぁぁ!何しやがんだっ!!」
思い切りお尻を叩かれ、ルークは叫ぶように言う。
それを無視して、ガイはお尻を叩き続ける。
 パンッ!パシンッ!ピシャンッ!パアンッ!パシンッ!ピシャンッ!
「だぁぁ!痛っ!痛えっ!痛えだろばかっ!!」
痛みに悲鳴を上げるルークだが、ガイはさらに叩き続ける。
 パンッ!ピシャンッ!パアンッ!パシンッ!ピシャンッ!
「痛えっつってんだろーが!やめろってーの!聞こえてねーのかよ!?」
「聞こえてるよ」
「ハァ!?だったら何でこんなことすんだよ!?」
ルークは信じられないと、言わんばかりの表情を浮かべる。
 「ルーク、ダメだろう?セネルが苦労して造ったパンを食べるだなんて・・・」
お尻を叩きながら、ガイは出来るだけ優しい声でお説教を始める。
「る、るせーなぁ!お、俺はたまたま置いてあったパンを食っただけだってーの!!」
「ルーク、ここに初めて来た時、皆でナールさんから説明を受けただろう?厨房の右のテーブルは依頼で造った食べ物を置いておくものだから、絶対に食べないようにってな」
「そ、そんなの覚えてねーよっ!!」
ガイのお説教に、ルークはそう言う。
 「それにルーク、こっちに越してくるずっと前にも、果物屋で同じようなことをして、俺やティアにキツく叱られただろう?覚えてないのか?」
ガイはお尻を叩きながら、ルークにそう言う。
 実はルークは以前にも、元いた街で、果物屋の軒先から商品のリンゴを勝手に取って食べてしまい、激昂した果物屋とトラブルになりかけた。
幸い、知らせを聞きつけてすぐに駆けつけたガイにより、丸く収まったものの、後でティアとガイからたっぷりとお尻に言い聞かせられる羽目になったのである。
 「それだけじゃない、カッとなってセネルと喧嘩しただろう?」
「し、仕方ねーだろっ!あの野郎ッ!人をパン泥棒とか言いやがったんだぜ!!」
「そう言われても仕方ないことをしたのはルークだろう?それに、止めようとしたボーマンにまで暴力を振るっただろう?」
「あ、あいつが悪いんだよっ!!勝手に首突っ込んで来やがるし!!何だよ何だよっ!!皆して俺の事悪者扱いしやがって!!」
「ルーク、悪いことをしたのはルークだろう?」
「るせえよっ!!ガイの馬鹿っ!!俺、悪くねえ!!」
「ルーク、本気で言ってるのか?」
全然反省の見られないルークの姿に、さすがにガイの表情も厳しいものになる。
 「だ、だったら何だよっ!!いい加減に降ろせよっ!!マジ怒るからなっ!!」
「やれやれ・・・。仕方ないな・・・」
ガイはため息をつくと、足を組む。
おかげで、ルークは既に赤くなっているお尻を突き上げる体勢になる。
 「だぁぁ!何すんだっ!?やめろってーの!!」
よりお仕置きが辛くなる体勢に、ルークは慌てる。
「ダメだ、今日はしっかりと反省するんだぞ」
ガイはそういうと、思い切り振りかぶった。
 ビッダァァァァァ~~~~~ンンンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
「ぎゃああああああああ!!!!痛ってぇぇぇえええええええ!!!」
容赦ない平手の豪雨に、ルークは絶叫する。
「何すんだ馬鹿ぁぁぁ!!痛えっ!!痛ぇぇぇぇぇ!!ぎゃああ!!やめろっ!やめ・・やめてぇぇぇ!!!ぎゃああああああ!!!!」
ガイの厳しい平手打ちが容赦なくルークのお尻を真っ赤に染め上げてゆく中、ルークの悲鳴が響き続けた。


 「うっ・・うっうっう・・・」
セネルはボロボロ涙をこぼして泣いていた。
お尻は今やすっかりワインレッドに染め上がっている。
 「も・・もう・・やだぁ・・。やめて・・やめて・・くれ・・。あ・・謝る・・。お・・俺が・・悪かった・・から・・・」
「セネル、反省してくれたかい?」
スタンは一旦お尻を叩く手を止めて尋ねる。
 「し・・してる・・。も・・もう・・しない・・だから・・」
「じゃあ約束出来るね?」
「あ・・あぁ・・。ちゃんと・・する・・。だから・・」
「わかってくれてよかったよ、じゃあ、終わりだよ」
スタンはそういうと、セネルを起こし、抱きしめた。
 「おいっ!何をするんだっ!!」
「よかった・・。本当に・・。セネル、苦労して造ったパンを台無しにされた気持ちはわかるよ。でもさ、だからって喧嘩なんかしたら立派な暴行罪・傷害罪だよ?そうしたら牢屋だよ。故郷の妹さんや、友達の女騎士さんが聞いたら、絶対に悲しむよ?」
「!!!!!」
スタンの言葉に、セネルはハッとした表情になる。
 「そうだな・・。下手をすれば・・シャーリィやクロエを泣かせていたんだな・・・」
故郷の家族や友人のことを思い出し、セネルはそう呟く。
「そうだよ、妹さん達のためにも、もう二度とこんなことしちゃダメだよ」
 スタンがセネルにそう言い聞かせているのと同じ頃・・。
「ひぃぃん・・痛ぇ・・・痛ぇぇよぉぉ・・・」
ルークもしゃくり上げながら、泣いていた。
こちらもセネルに負けず劣らず、いやそれ以上に濃厚なワインレッドに染め上がっている。
 「も・・もう・・やだぁぁ・・。勘弁・・して・・くれよぉぉ・・・」
ボロボロ泣くルークに、ガイも一旦お尻を叩く手を止める。
「ルーク、痛いか?辛いか?」
「あ・・当たり・・前だろ・・!!馬鹿ぁぁ・・!!」
「そうだな。でもな、お前に苦労して造ったパンを食べられたセネルだって辛かったんだぞ?それに、ルークがしたことは泥棒と同じなんだ。もしそれで捕まったら、ティア達だって悲しむぞ?そんな思いさせていいのか?」
「わ・・わーったよぉ・・。も・・もう・・しねえ・・よぉぉ・・」
「それならいいんだ。あと、ちゃんとセネルにも謝るんだ」
「はぁ!?何でだよ!?」
セネルに謝れ、というガイの言葉に、ルークは思わずそう言う。
 「ルーク、悪いのはお前だろう?」
「で、でもコイツだってぶん殴ってきたんだぜ!!」
「でも元はといえばルークが食べたからだろう?もし・・嫌なら・・仕方ない、広場で公開お仕置きすることになるぞ?」
「な・・汚えぞ!!」
「ルークだってそんなのは嫌だろう?ちゃんと謝るんだ」
「わ・・わーったよ!おい・・!ま・・まぁ・・わ、悪かったよ・・。こ・・これでいいだろっ!!」
渋々ながら、ルークは謝る。
 「セネル、言いたいことはあるだろうが、俺からも謝る。二度とあんなことはさせたいと俺からも約束するから、今日のところは勘弁してやってくれないか?」
ガイもフォローするように、セネルにそう言う。
「わ、わかった・・。お・・俺も悪かったし・・ガイがそう言うなら・・・」
「そうか。よかった。ほっとしたよ」
許してくれたセネルに、ガイは安堵の息を漏らした。


 「くぅぅ・・!!」
「だ、大丈夫?し、沁みたかな?」
痛みに顔を顰めたセネルに、思わずジュードは尋ねる。
 「いや・・。大丈夫だ・・・」
「そう・・。なら、いいんだけど・・」
セネルの返事にホッとしつつ、ジュードは手当てを続ける。
 「兄さん、大丈夫?」
セネルの横では、同じようにお尻を出したままのルークを、ルカが手当てしていた。
「んなワケねーだろっ!クソッ!本気で叩きやがって・・・」
「仕方ないだろう?ルークが悪い子だったんだからな」
「そうだよ、ルーク、ダメじゃないか。勝手にパン食べちゃ」
不平そうなルークに、ガイとスタンがそう言う。
 「るせーなぁ!こっちはマジで痛いんだよ!!くぅ・・!!」
「兄さん、無理しちゃダメだよ」
ルカは手当てしながら、ルークにそう言う。
 「セネル、またパン作らなきゃいけないんだよね?」
手当てをしながら、ジュードはそう尋ねる。
「ああ・・。また・・仕込みとか・・材料集めとか・・大変だけどな・・・」
落ち込んだ声のセネルに、ジュードが口を開く。
 「よかったら僕、手伝おうか?」
「いいのか?」
「うん、知らなかったとはいえ、僕もセネルのパン食べちゃったし。お詫びに協力するよ」
「あ・・。ぼ、僕も・・。僕も食べちゃったし、それに・・兄さんがしたことだし・・」
ジュードに続いて、ルカもそう言う。
「俺も手伝おう。ルークと一緒にな」
「はぁ!?待てよ!?何で俺まで手伝わなきゃなんねーんだよ!!」
ガイの言葉にルークは思わず言う。
 「元はといえばルークが悪いだろう?迷惑かけた償いをちゃんとするんだぞ。それとも可愛いルカに手伝いさせて、自分は逃げるつもりなのか?」
「く・・!!わ、わーったよ!!わかったよ!やりゃあいいんだろ!!」
ルカのことを言われ、ルークもようやく了解する。
「俺も手伝うよ。そのお尻じゃ大変だろうし。俺もセネルには時々おいしいパンもらってるからさ」
ガイに続いて、スタンもそう言う。
「皆・・すまないな・・」
手伝いを申し出た皆に、セネルは思わずそう言う。
「いいんだよ、これくらい、それよりセネル、今は休みなよ。無理しないで」
「ルークも休んだ方がいい。お尻が痛いだろう?」
「ってガイのせいだろ!!」
スタンの言葉にセネルは静かに目を閉じる。
ルークもガイに言い返しつつ、やはり疲れたのだろう、そのまま寝入ってしまった。


 ―完―
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