身代わりの罰 リオン編(SO2&テイルズより:/リオン、共演パロ・公開)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにした、SO2&テイルズ共演パロです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「ううう~~~」
カイルはこの世の終わりと言わんばかりの表情を浮かべていた。
見つめているのは、学校からのお知らせのプリント。
プリントには、予防接種の日時が書かれている。
 (何でこんなものがあるのさ~~!!)
カイルはそう叫ばずにはいられない。
(やだよ~~!!受けたくないよ~~!!)
カイルは心底そう思う。
 (や、休んじゃおうっか!?だ、ダメだ!父さんはともかく・・リオンさんは騙せないし・・・。ずる休みなんてしたら・・・・)
カイルは思わずお尻に手が行く。
普段は優しいスタンでも、ズル休みなどすれば、間違いなく怒る。
お仕置きは間違いない。
下手をすれば、リオンからも叱られかねない。
 (うう・・!!学校なんてなくなっちゃえばいいのに!!)
予防接種を受けたくなくて、カイルはそんなことを思う。
(そうだよ!!学校を無くしちゃえばいいんだ!?)
注射嫌さに、カイルはとんでも無いことを考える。
(よし!!善は急げだ!!)
カイルは決意を固めると、急いで家を後にした。


 (誰も・・見てないよね・・・)
カイルは周りを確認する。
そして、自分しかいないと判断すると、慎重に塀を登り、敷地内へと入っていった。
 中へと降りたカイルは、校舎へと向かう。
校舎の壁際に立つと、再びカイルは誰もいないか確認する。
「大丈夫・・だよね・・」
そう呟くと、カイルは家のキッチンから持って来た料理用油を取り出す。
そして、ふたを開けると、壁にありったけの油をかけた。
 「よし・・あとは・・・」
カイルは少し離れると、詠唱に入る。
「バーンストライクッッ!!」
詠唱が終わるや、複数の火球が降り注ぐ。
火球は油をかけた部分に命中し、炎が燃え上がった。
 「よし!これで・・・あれっ!?」
燃え広がるかと思ったそのとき、魔法陣が現れ、水や冷風で火を消してしまう。
さらに、けたたましいベルの音が鳴り響いた。
 「うわあっ!?」
慌ててカイルは逃げ出す。
だが、塀を乗り越えようとしたところで、バランスを崩してしまう。
 「わあっっ!!」
身体が傾いだかと思うと、カイルは路上めがけて落ちてしまう。
 「うわあっっ!!」
「うわっっ!!」
鈍い音と共に、カイルともう一方の声の主が路上に転ぶ。
 「痛たたたた・・・。あれ?フレンさん?」
「おや?カイルじゃないか。大丈夫かい?」
夜間の巡回用の携帯ランプを手にしたフレンが、カイルにそう尋ねる。
 「う、うん、だ、大丈夫・・・」
「それよりどうしたんだい?こんな時間に?」
「え!?そ、その・・あの・・・」
フレンの問いにカイルは慌てる。
まさか学校を無くすために火をつけようとしたなどとは言えない。
その様子に、フレンは何だかおかしいと感じる。
 「フレンッ!ちょうどよかったわ!」
そのとき、明かりを手にして、路上へ現れたリフィルが声をかけてくる。
「おや?リフィルじゃないか。何かあったのかい?」
「ええ。何者かが忍びこんで、学校に火をつけようとしたの」
「何だって!?本当かい」
「ええ。こっちへ来ても・・・あら?カイル?こんな時間に、こんなところでどうしたのかしら?」
「え・・!あ・・あの・・・」
「おや?何か落としたみ・・!?」
不意にカイルが何かを落としたことに気づき、フレンは手渡そうとする。
だが、手にしたものが油の容器であることに気づくや、表情が変わる。
 「カイル・・・」
「は、はいっ!?」
「すまないけど、一緒に司令部まで来てくれるかい」
フレンの只ならぬ様子に、カイルは大人しく従うしかなかった。


 翌日・・。
(うう・・。俺の馬鹿・・・!!)
牢の冷たい石床の上で、カイルは後悔せずにはいられなかった。
あの後、フレンに司令部へ連れて行かれ、取り調べを受けた。
元々嘘をつくのは苦手な上、証拠もある以上、自白するしかなかった。
だが、いざ実際に牢に入れられると、何とも堪える。
 「カイルーーーっっ!!」
聞き覚えのある声に、思わずハッとしてカイルは振り向く。
「と・・父さんっっ!!」
カイルは思わず父の元へ駆け寄ろうとする。
だが、鉄格子に阻まれてしまう。
 「カイル・・・。本当に・・したのかい?」
「ごめんなさいぃぃぃぃ・・・。予防注射・・嫌だったんだってばーーー!!」
「だからって何でそんな・・・」
「うわあーんっ!父さーんっっ!!ここから出たいよーー!!」
「うう・・・・」
泣きじゃくる息子に、思わずスタンは鉄格子を壊そうとする。
 「ちょっとっ!スタンッ!何やってるのさっっ!!」
鉄格子を壊そうとしたスタンを、一緒に面会に来たアシュトンが背後から組みついて止めにかかる。
 「アシュトンさんっ!離して下さいっ!!」
「ダメだよっ!気持ちは分かるけどさっ!!悪いことしたのはカイルなんだよっ!!そんなことしたら、スタンまで捕まっちゃうよ!!」
「そ・・そんなこと言ったって・・!!うぉぉぉぉ!!!」
カイルが悪いとわかっていても、息子を助け出したいという気持ちにスタンは暴走しそうになる。
 「いい加減にしろ!!魔人闇っっ!!」
「ぐわあっっ!!」
牢破りをしようとするスタンに、脇からリオンが闇の力を込めた突きを叩きこむ。
「うわあっ!!リオンッ!何するんだよ!?」
「それはこっちの台詞だ。この考えなしが。お前まで一緒に牢に入るつもりか?」
「う・・。だって・・カイルがかわいそうで・・・」
「放火をしようとしたのはカイルだ。自業自得だ。この馬鹿が」
リオンに叱られ、スタンはシュンとなってしまう。
 「この馬鹿が。何を考えているんだ」
「だって注射嫌だったんだよ!もうしないからー!リオンさん、助けてよー!」
「馬鹿なことを言うな。自業自得だ。しばらくここで反省してろ。スタン、帰るぞ」
「え・・でも・・・」
「面会時間はもう過ぎてるんだ。さっさと行くぞ」
「やだーっ!行かないでよー!」
「カイルーーーッッッ!!!!」
悲痛な声で鉄格子越しに父子は呼び合う。
リオンとアシュトンで、スタンを鉄格子から必死に引き離し、ようようのことで連れ帰った。


 それから数日後・・・。
「スタン、早く行こう」
「で・・でも・・・」
アシュトンの言葉に、スタンは躊躇う。
 「や・・やっぱり・・無理ですよ。カイルの・・公開お仕置きなんて・・見て・・られない・・・・」
スタンはうな垂れながら言う。
子供のイタズラではとてもすまない悪事を働いてしまった以上、ただのお仕置きでは許してもらえない。
そのため、広場での公開お仕置きの判決が下ったのである。
 「スタンの気持ちは分かるよ。幾ら悪いことしたからって、皆の目の前でお仕置きされるのを見るのは、辛いよね」
アシュトンも以前、レオンが公開お仕置きをされることに決まった際、見ていられなくて、行けなかった経験がある。
だから、スタンの気持ちはよくわかる。
 「だけどね、スタンの姿が見えないと、カイルもっと辛くて怖くてたまらないと思うんだ。それに、やっと終わっても一番傍にいて欲しい人がいない。それはとっても辛いことだよ。そんな思い、カイルにさせたくないでしょう?」
「そ・・そうですね。カイルが一番辛いんだ。すみません、ワガママ言って」
「いいんだよ。さぁ、行こう」
ようやく広場へ行く勇気が出たスタンに、アシュトンはそう言う。
 「はい。でも、あれ?リオンは?」
「ああ、リオンは一緒には行けなくなっちゃったんだよ。急に都合が悪くなったとかで」
そう説明するアシュトンの口調はどこか歯切れが悪い。
「そ、そうなんだ。一緒にいて欲しかったんだけど・・・」
「そうだよね。でも仕方ないよ。それより行こう、カイルが待ってるだろうし」
「そうですね。カイル、父さんがついてるからな」
広場へ向かっているであろう息子に向かってそう言うと、ようやくスタンはアシュトンと共に家を出た。


 「やだあ~~~~っっ!!」
「こらっ!ワガママを言うでないっっ!!」
馬車に必死にしがみつくカイルを、クロエがこれまた必死に引き離そうとする。
 「カイル、悪いことをしたのは君だろう?ちゃんと償ってくるんだ」
「そ・・それはわかってるけど・・!!でも、やっぱりやだ~~!!怖いんだってばーー!!」
フレンが説得しようとするも、カイルは護送用馬車にしがみつき続ける。
 「仕方ない・・。皆、手伝ってくれるかい?」
フレンは一緒にいるアスベル達に声をかける。
そして、既に引き離しにかかっているクロエと共に、数人がかりでカイルを引き離した。
 「やだっ!やだやだっ!もうしないからっ!ごめんなさいっ!!お願いだからやめてよーーー!!!」
「そういうわけにはいかないんだ。すまない」
フレンはそういうと、数人がかりでカイルを広場へと連れてゆく。
 「ひ・・・・!!」
広場に用意された拘束台、そして脇に置かれたいかにも痛そうな鞭やパドルに、カイルは顔色が変わる。
 「やだっ!やだやだ~~~~!!せめて父さんの膝の上で、手で叩いてよっっっ!!!!!あんなの絶対にやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
冷たく無機質な拘束台、鞭やパドル、いずれも愛情や温もりとは全く無縁な、刑罰としてのお仕置きを嫌でも認識させる。
それはカイルにとっては、何よりも耐えがたいものだった。
そんなカイルを、無情にもフレン達が拘束台へと引きたててゆく、と思ったそのときだった。
 フレン達はカイルを、拘束台では無く、別の場所へと連れて行ったのだ。
「え・・・?」
台に連れて行かれるとばかり思ったカイルは、訝しげな表情を浮かべる。
 「カイルッッ!!」
聞き覚えのある声に思わずカイルは振り向く。
すると、スタンの姿があった。
 「と、父さ~~んっっ!!」
「カイルぅぅぅ!!!!!!」
二人は思わず抱き合う。
 「ひぃぃん・・。牢屋で一人っきりで・・・寂しくて・・寂しくて・・死んじゃいそうだったよぉぉぉ・・・」
「俺もだよぉぉ・・・。カイルがいなくて・・ううう・・!!!」
父子が感動?の再会をしているうちに、フレンが咳払いをする。
 「あ・・!!す、すみませんっ!!」
「いや、いいんだよ。それより・・・二人にはここで公開お仕置きを見届けてもらうよ」
「え?でも・・・カイルはここに・・・」
フレンの言葉にスタンは怪訝な表情を浮かべる。
 「それはおいおいわかるよ。まずは・・二人でここに座ってくれないかな」
二人は言われた通り、用意された座席に座る。
席は特等席とも言うべき位置にあり、お仕置きの様子が良く見えた。
 「こ・・これ・・!?」
「父さん・・まさか!?」
二人は自分達の置かれた状況にハッとする。
かつて、リッドがキールのスパルタダイエットが原因で肉屋を襲撃、逮捕の上広場での公開お仕置きを受けたときの状況とそっくりだったからだ。
あのときは、キールとアシュトンの二人が身代わりで罰を受け、リッドはそれを見なくてはいけないという罰を受けた。
この状況では、自分では無く、他の誰かが叩かれる。
頭の良くないカイルでも、そのことは嫌でもわかった。
 「父さん・・!!」
「え!?リオンッッ!?嘘だろう!?」
兵士達に連れられ、拘束台へと現れたリオンの姿に、カイルもスタンも愕然とする。
 「ど、どういうことなの!?」
思わずカイルはフレンに詰め寄る。
「それは僕から説明するよ。リオンに頼まれたんだよ。カイルの公開お仕置きだけは何とか許してやってくれないか、そう交渉してほしいって頼まれたんだ。それでフレン達と色々話しあって・・・代わりにリオンが受けるっていうことに・・・」
「そ・・そんなっ!?俺、何も聞いてないですよ!!何で話してくれなかったんですか!?」
スタンは思わずアシュトンに詰め寄る。
 「ご・・ごめんっ!絶対に話すなって、リオンにきつく頼まれてたんだ・・・」
「リオンの馬鹿っ!一人で何でそんな・・・!!」
「フレンさんっ!お願いっ!ちゃんとお仕置き受けるからっ!!だからリオンさんにはやめてっっ!!」
カイルはフレンに必死に縋りつく。
 「そうはいかないんだ。カイル、君の気持ちは分かる。でも、こういうことに決まったんだ。カイル・・リオンのお仕置きをしっかりと見ること。それが君へのお仕置きだよ」
「そ・・そんな~~~!!!」
カイルは絶望の表情になり、崩れ落ちそうになる。
そんなカイルを尻目に、着々と刑の準備が進められていた。


 カチャッッ。
金属音と共に、手足を拘束する金輪が締まる。
リオンは上半身うつ伏せでお尻を突き出した体勢で、拘束されていた。
 「リオン、大丈夫か?」
台の脇に立つガイは、心配そうに尋ねる。
「余計なお節介は無用だ。さっさと済ませてもらおうか」
リオンはいつも通りの、無愛想かつつっけんどんな態度で返す。
 「そうか。じゃあ、行くぞ」
役人が罪状や刑罰の内容を読み上げるのを尻目に、ガイはリオンのお尻をあらわにする。
お尻に外気を感じ、リオンは否応なしに、公衆の面前でお尻を出しているということを認識させられる。
屈辱感に思わず顔を赤くしそうになるが、必死に堪える。
 「では・・始めるぞ。覚悟はいいな?」
パドルを握りしめ、ガイが再び尋ねる。
「愚問だ。さっさと済ませろと言っているだろう?聞こえなかったのか?」
(キールとそっくりだな・・・)
心の中で苦笑しつつ、ガイはパドルを振り上げた。


 バッシィィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「く・・・・!!」
(馬鹿っ!みっともないだろう!!)
パドルで思い切り叩かれ、一瞬リオンは声を漏らす。
そんな自分をリオンは叱咤する。
キールに負けず劣らずプライドの高いリオンにとって、見苦しい姿をさらすのは、絶対に嫌だった。
 バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バアンッ!ビダァンッ!バアンッ!バシッ!バアンッ!バシッ!ビダァンッ!バアンッ!
口を一文字に引き結び、必死に耐えるリオンを尻目に、ガイはパドルを振り下ろす。
あっという間に、お尻は真っ赤に染まってゆく。
 「やめ・・!やめて・・!やめてよぉぉ・・・!!」
苦痛と屈辱を堪え、叩かれるリオンの姿に、カイルは泣きそうになる。
思わず、手で目を覆ってしまいたくなるが、それをフレンが無理やりに見させる。
 「フレンさんっ!何をするのっ!!」
「すまない。辛いよね。だけど、これが君への罰なんだ。ちゃんと、見るんだよ」
「そ・・そんなぁぁぁ!!も、もうやだぁぁ!!見たくないよぉぉ!!」
身代わりで罰を受けるリオンの姿に、カイルは泣きだす。
その間にも、さらにお仕置きは続いてゆく。
 バッシィィィ~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~ッッッッ!!!
「く・・!かっは・・!あっう・・・!うっあ・・・!!」
(馬鹿!?何をやっている!?)
苦痛に耐えきれず、声を漏らす自分に、リオンは思わず罵りたくなる。
 「リオン、無理は禁物だぞ」
そんなリオンに、ガイは心配になって声をかける。
「く・・!余計な心配は・・!ぐぅ・・!無用だと・・言って・・!る・・だろう・・!!」
既にお尻はワインレッドに満遍なく染まり、倍近くに腫れ上がっている。
顔も苦痛に満ち、目尻には涙が浮かんでいる。
だが、それでもリオンはガイをキッと睨みつけていた。
 「そうか・・・。出来るだけ早く終わらせるからな」
ガイはリオン、そして特等席で見ているカイルの様子を確かめると、パドルから鞭へと持ちかえる。
鞭を見せられ、さすがにリオンの表情が一瞬変わる。
だが、すぐに普段の冷静な表情に戻ると、毅然とした態度で受けようとする。
 「嘘・・!やめてっ!お願いだからっ!!」
カイルは必死にフレン達に縋りつく。
「ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!!お、俺が悪かったからっ!!二度と学校に火なんかつけようなんて思わないからっっ!!後の分は俺を叩いてっ!!リオンさんは許してよぉぉぉ!!!」
「そうですよ!も、もうカイルだって反省してますし!!お、俺からもちゃんと叱ります!!だからっ!これ以上はっっ!!」
「そうだよ。これ以上やったら、リオンも死んじゃうかもしれないよ!そ、それにカイルにも辛いよ!!」
必死に縋るカイルに、スタンとアシュトンも一緒に嘆願しようとする。
さすがに、フレン達ももう十分だと思い、中止命令を出そうとしたそのときだった。
 「いやあ~、見事なまでに赤いですね~」
突然、リオンの傍らにジェイドが現れた。
「貴様!何を見てるんだ!?」
「旦那!?どうしてここに!?」
突然現れたジェイドの姿に、ガイは怪訝な表情を浮かべる。
リオンの身代わり刑罰のことは、自分達に任せると言ったからだ。
 「いやぁ、私もちょっと様子が気になりましてね~」
「く・・!おいっ!貴様っ!つつくな!う・・!く・・!!」
話しながらお尻をさりげなくつつくジェイドに、リオンは抗議する。
 「おや?痛かったですか?」
「当たり・・いや、これくらいどうということはない」
文句を言おうとしたが、持ち前のプライドから平気な振りをしてしまう。
 「そうですか。ふぅむ、それならまだまだ平気ですねぇ」
「な・・!」
「だ、旦那・・!!ソイツはさすがに・・!!」
さらに叩かせようとするジェイドに、思わずガイは止めに入ろうとする。
 「まぁ・・リオンがどうしても無理だというなら終わりにしてもいいですがねぇ」
ジェイドは挑発するかのように呟く。
それを聞きつけ、リオンはプライドを刺激されてしまう。
 「ふん、心配無用だ。僕はまだまだ耐えられる」
「おいっ!何を言ってるんだ!?変な意地はやめろ!キールじゃあるまいし!!」
ガイは必死に止めようとする。
 「意地なんて張っていない。こんなのは蚊が刺したようなものだ」
「いや~。そうですか~。それを聞いて安心しましたよ。さぁ、ガイ、続けて下さい」
「しかし・・・」
「ガイ、これは上司命令ですよ」
「わかりましたよ・・・ハァ・・・・」
ガイはため息をつくと、鞭を振り上げる。
 ビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッッ!!
「ぐ・・!ぐぅあ・・!うっ・・!うぅうぅ・・・!!」
既に散々に叩かれたお尻には、鞭の嵐はまさに地獄の苦しみ。
リオンの表情は、完全に苦痛に染まる。
 ビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシビシビシッ!
「うわああ!ひ・・!ぐっう・・!ひっ・・!うゎあああ・・!!ぐっ・・!!うぅああぁぁ・・!!」
「リオンさんっ!リオンさぁぁぁんんん!!!やめっ!やめてっ!ごめんなさいっ!二度としないからぁぁぁ!!ごめんなさぁぁぁぃぃぃいいいい!!!!」
鞭の嵐とリオンの悲鳴、泣き叫びながら必死に謝り、許しを乞うカイルの声が広場に響きわたった。


 「ぐ・・!!」
「大丈夫か?」
「ふん・・。これくらい・・ぐぅあ・・!平気・・だ・・ぐぅ・・!!」
薬を塗るボーマンの問いかけに、平静を装うとするリオンだったが、身体は正直なもので、悲鳴を上げてしまう。
 「リオン、無理するなよ」
「そうだよ。それにしても、ひどいよね!あんなに叩くなんて!」
心配するスタンを尻目に、広場での光景を思い出し、カイルは憤慨する。
 「お前が言える立場か。元はといえば、カイルが学校に火をつけようとしたからだろうが。この馬鹿が!」
「ごめんなさい・・・」
リオンに叱られ、カイルはシュンとする。
 「それにしても、リオン、何だって俺に一言も相談してくれなかったのさ!!」
「お前がカイルのことでメソメソしてばかりで、腑抜けていたからだろうが!お前も反省しろ」
「う・・」
カイルが逮捕されたショックで、何も出来ずに呆然としているしかなかったことを叱られ、スタンもシュンっとしてしまう。
 「まぁリオンも落ち着いてよ。カイル、ちゃんと反省してるでしょ?」
アシュトンは助け舟を出し、カイルにそう尋ねる。
「うん・・。リオンさん・・・本当にごめんなさい。二度としないよ・・・」
「ふん、そんなの当然だ」
「それと・・ありがとう・・。俺のために・・身代わりになってくれて」
「勘違いするな。僕の身内が公開刑罰されるのはプライドが許さなかっただけだ。まあいい、僕は一眠りさせてもらうぞ」
そういうと、疲労が極限に達していたのだろう、リオンはすぐさま眠りに落ちた。


 ―完―

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