スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

青き狼たち3(バイオレンスあり)



(バイオレンスありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 カイは緊張の面持ちで、ジッとその男を見つめていた。
(焦るな・・!相手は只者じゃない・・!!それに決して逃がしたらダメだ!!)
カイは自分に言い聞かせる。
見張っている男は、国際手配を受けている殺し屋。
かなりの腕ききで、これまでに何人もの要人が殺害され、各国当局も大きな犠牲を払わされている。
だからこそ、シンセン社に逮捕の依頼が来たのだ。
 捕らえる機会を慎重に伺いながら、カイは何かを気にするように、別の方向へ視線を向ける。
視線の先には、カイと同年代の少年。
ポニーテールにしたエメラルドのような美しい緑の髪、女性と見まがうばかりに美しいが、どこかキツそうな感じのある面立ちをしている。
首にはお守りのようにハーモニカを下げ、腰にはリボルバーを下げている。
カイと同じシンセン社支給の防弾シャツを身につけており、仲間だと想像できた。
 だが、仲間のはずの少年を見るカイの目には、苛立ちや対抗心が燃えていた。
それもリボルバーの少年も同じらしく、カイを時々睨みつけ、威嚇するような表情を見せる。
対して、カイも同じように威嚇的な表情を見せる。
(負けるか!お前なんかに!?)
お互いに、そんな思いを抱きながら、二人の少年はターゲットをジッと監視していた。


 数週間前・・・・。
「お呼びですか、カンチョウ?」
執務室に現れたカイは、師である近藤にそう尋ねる。
 「ああ、実はお前に頼みがあってな」
「頼み・・ですか?」
思わずカイは真剣な表情になる。
「ああ、アメリカの知人の子をウチでしばらく預かることになった。よそで修行をさせたいというわけでな」
「なるほど・・・」
カイは納得した表情を浮かべる。
恐らく、同業者の跡継ぎか何かだろう。
必要な経験を積ませるため、他人のところへ預け、鍛えてもらうというわけだ。
シンセン社でも、有能な若手をよそに出向させて修行させたりしているから、その辺はよくわかる。
 「お前と同年代の子らしい。色々、教えてやったりしてくれるか?」
「はい!カンチョウの仰せとあらば、喜んで!!」
師からの頼みゆえ、カイは一も二も無く同意する。
「そうか。助かった。ああ、ちなみに、その子の部屋番号は・・・」
「わかりました。では、挨拶に行ってきます」
「頼むぞ。色々とまだ、慣れないだろうからな」
カイはそう言うと、執務室を後にした。


 同じ頃・・・。
マチウス・ハーモニカは、仏頂面で、銃の手入れをしていた。
手入れしているのは短銃身のマグナムリボルバーをベースにした、カスタム拳銃。
グリップ部分には、ハーモニカをくわえたライオンが描かれている。
少年の実家であるハーモニカ家が経営する警備会社のマークだった。
 (・・ったく・・どうして僕がこんなところに・・!?)
マチウスは自分をここへ送った父や伯父の顔を思い出し、さらに仏頂面になる。
まだ未成年ながらも、優れた銃の腕を持ち、実家の警備業務に従事している。
その中で、凶悪な犯罪者を撃退したことも数知れず。
当然ながら、自分の腕にも大いに自信を持っていた。
そんなマチウスにとって、修行のために、という理由で、こんなよその会社へやられたのは、不平極まりなかった。
(まだまだ未熟だって言いたいのか!?子供だと思って、馬鹿にしてるな!?)
銃弾を込め、父や伯父の顔を思い浮かべながら、ドアへ銃口を向けていたそのときだった。
 不意に、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「誰だ?」
不機嫌そのものな声で、マチウスは尋ねる。
「挨拶に来た。入れてくれ」
「開いてるさ。勝手に入ったらどうなんだ?」
マチウスはぶっきらぼうな口調で言う。
 「おぃおぃ、随分な言い方だなぁ」
「うるさいなぁ、何の用なんだ?」
「俺はカイ、ここのエージェントの一人だ。お前が、マチウスか?」
「馴れ馴れしく僕の名を呼ばないでもらおうか?」
「す、すまん。まぁとにかく、一緒の職場で働くんだ。よろしくな」
そう言うと、カイは握手をしようとする。
 「お断りだね」
「な、何?」
「半ば無理やりにここへ送り込まれたのさ。慣れ合うつもりなんか毛頭ないさ。さっさと出て行ってくれ。ボヤボヤするな!撃たれたいのか!!」
マチウスは本当に発砲しかねない剣幕で、カイの胴部に銃口を向けて言う。
カイはムッとしながらも、何とか自分を押さえ、部屋を後にした。


 (思いだしたら・・また、腹が立って来たな・・!!)
標的を尾行しながら、カイはムッとしそうになる。
その後も、マチウスの無愛想な態度は変わらなかった。
近藤の言葉もあり、何とか近づこうとするも、向こうが頑なな態度を取るため、どうにもならない。
喧嘩になりかけたことも何度かあった。
 (はっ!?しまった!?)
カイは相手のペースが急に早くなったことに気づく。
尾行がばれたかもしれない。
カイも足を速めて追いかけたが、完全に捲かれてしまう。
 「しまった・・・!!」
カイは悔しさに顔を歪める。
絶対に逃してはならない相手だったのに、逃してしまった。
悔しいし、今まで頑張ってくれた仲間達にも申し訳ない。
そんな気持ちに駆られていたときだった。
 「何やってるんだ!この馬鹿っ!!」
マチウスが現れたかと思うと、開口一番、カイを怒鳴りつけた。
「僕が追ってたのに!!お前のせいで逃がしたじゃないか!!どうしてくれるんだ!?」
「おい!?俺のせいだっていうのか!?」
「他に誰がいるんだ!!僕が失敗するはずが無い!!これだから、お前なんかと組むのは嫌だったんだ!?」
「おい・・!!いい加減にしろ!お前の尾行の腕が下手クソだから逃がしたんじゃないのか!?」
カイも不満が限界に達し、売り言葉に買い言葉で返してしまう。
 「何だと!?僕の腕が下手クソだって言いたいのか!?」
「そうだろう?逃がしたんだからな。下手な証拠だ!!」
「よくも言ったな・・!!」
怒りに駆られ、マチウスは愛用のリボルバーをぶっ放す。
とっさに見切ってかわすが、コンマ一秒の差で遅ければ、間違いなく腹に命中していた。
 「おい!よくもやったな!!お返しだ!!」
カイも怒りのあまり、脇差で抜き打ちを仕掛ける。
こちらもかわしたものの、あと数ミリ、リーチが長ければ、胴を切り裂かれていた。
 「クソッ!!痛い目見せてやるっ!!」
「こっちの台詞だっ!!覚悟しろっ!!」
二人の少年が、それぞれ拳銃と脇差を構え、互いめがけ、攻撃を繰り出し始めた。


 (コイツ・・!!)
拳銃を構えたまま、マチウスは苛立ちと共に、カイを睨みつける。
マチウスは左手に拳銃を構えている。
右腕には、カイの脇差で斬りつけられた跡が、無数と思えるほどについていた。
 カイは脇差を片手で構え、ジッと睨み合う。
マチウスの右手が撃鉄を叩くや、乾いた音が数度、響きわたる。
同時に、カイの脇差が数回、煌き、銃弾が地面へと転がり落ちる。
直後、踏み込んだカイの脇差が、マチウスの右腕に襲いかかる。
マチウスは身体を引くも、避けきれず、かすり傷を負う。
 (また・・やられた・・!?)
さらに増えた腕の傷に、マチウスはさらに苛立つ。
(ネチネチしつこいヤツだな!?)
苛立つが、マチウスは警戒を強める。
一点に狙いを定めて、徹底的に叩くつもりなのだ。
例えかすり傷でも、何度もしつこく斬られれば、切断されてしまう。
攻撃を避けながら、何度も寄せては一点を集中して攻撃する。
考えようによっては、恐ろしい技だった。
 (苛立ってるな・・。よし・・どんどん怒れ・・)
苛立つマチウスに、カイは作戦が成功していることを察する。
相手が苛立つほど、隙を突きやすい。
 (だが・・油断は禁物だ・・)
マチウスにはわからないように、カイは顔をしかめる。
カイの防弾ベストには、銃弾で切り裂かれた跡が幾つもついている。
マチウスの反撃を完全には、避けきれなかったためだ。
同時に、カイは脇差に視線を走らせる。
銃弾を何度も弾いたために、刃こぼれしているところも見られた。
 再び、マチウスが連射の構えを取るや、銃声が響く。
カイは見切ってかわし、マチウスの右腕めがけて、斬り込んだ。
それに対し、マチウスは避けず、刺してくれと言わんばかりに、右腕を差し出す。
 (何だと!?しま・・!?)
気づいた時には既に遅し。
斬り込んだ脇差は、ガッシリとマチウスの右腕に深々と食いこんでいた。
 「ぐううう・・!!」
腕を襲う山火事のような熱さと激痛に、マチウスは表情を歪める。
だが、それでもマチウスは腕の筋肉に力を込め、脇差を決して離さない。
とっさの判断で、カイが脇差を手放そうとするが、それより早く、マチウスは、カイの胴に銃口を突きつける。
 ドンッ!
防弾着の上からでも強烈な衝撃に、カイの身体がクルリと半回転する。
ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!
銃口が火を噴くたび、カイの身体が回転し、後ろへと移動する。
銃声が止まると同時に、カイは路上に倒れ、そのまま意識を失った。
 「ど・・どうだ!!お前なんかに・・負けな・・!!」
勝利の笑みを浮かべようとしたそのとき、尋常ではない腕の痛みに、マチウスも気を失った。


 目を覚ました二人の目に最初に飛び込んで来たのは、病院の白い天井だった。
「「目が覚めたか?」」
重なり合う二つの声に、二人とも振り向く。
 「カンチョウ・・!!」
「親父・・!?」
傍らにいた二人の人物の姿に、カイはハッとした、マチウスは嫌そうな表情を浮かべる。
一人は近藤、もう一人は、マチウス同様、ハーモニカを首から下げた男。
 男は使い古した帽子にロングコートを身にまとい、腰にはカスタムしたマグナムリボルバー、といった、西部劇さながらの姿をしている。
野性味と精悍さに溢れたその面立ちが、なおさら西部の男といった雰囲気を見せていた。
 「な、何でいるんだっ!?馬鹿親父っ!!」
父親の姿に、マチウスはムッとした表情になる。
そう、彼こそマチウスの父、ブロンソン・ハーモニカであった。
 「近藤から知らせを受けたからな。お前が馬鹿をやったってな」
「う、うるさいっ!!コイツが悪いんだっ!!追ってたヤツにまんまと逃げられるからだ!?」
「おいっ!それはお前のせいだろう!!」
「何言ってる!お前のせいじゃないか!!」
「いいや!お前だ!!」
ベッドの上で、再び喧嘩が始まりそうになる。
 「やめんか二人とも!!」
近藤に一喝され、二人とも渋々黙る。
「二人とも静かにせんか。カイはマグナム弾をもろに食らったのだし、マチウスも腕が動かなくなってもおかしくない怪我を負っているのだぞ?」
そう言われ、カイ、マチウス、二人ともそれぞれ、身体に包帯や点滴をしていることに気づく。
「二人とも言いたいことはあろう。だが・・まずは身体を治すことが先決だ。全てはそれからだ」
その言葉にカイ達も納得したのか、渋々ながら、押し黙った。


 それからしばらく経った頃・・・。
「何でお前と一緒にいなくちゃいけないんだ!?」
「それはこっちの台詞だ!?」
正座したまま、カイとマチウスは言い争う。
あの後、無事に退院し、今ではすっかり業務に戻っていた。
ある日、それぞれ業務を終えて戻って来たら、近藤に格闘訓練用の道場へ呼び出されたのである。
そこで、再び互いに顔を合わせ、言い争っているのだった。
 「おぃ、また喧嘩か?」
「喧嘩はいかんぞ、二人とも」
二人が言い争っているところへ、ブロンソンと近藤が入って来る。
「す・・すみません・・」
「何だよ、師匠におべっかか?」
「うるさいっ!!」
再び言い争いになりかけるが、大人二人に制止され、やむなく黙る。
 「二人とも、身体の調子はどうだ?」
「はい・・。問題ありません・・」
「ふん・・。あの程度でへたばるようなヤワさは持っちゃいないさ」
近藤の問いに、カイは神妙に、マチウスはツンとした口調で答える。
 「そうか・・。ならば・・問題は無いな・・」
「あの・・カンチョウ・・もしかして・・?」
恐る恐る、カイは尋ねる。
「もちろん、お仕置きだ。さぁ、カイ、こっちに来い」
「カ、カンチョウ・・!?お、お願いです!?こ・・ここでは・・」
マチウスという、いけ好かない相手にお仕置きを見られるのはたまらない。
思わずカイは懇願する。
 「ダメだ。恥ずかしいのも、お仕置きのうちだ」
「わ・・わかり・・ました・・」
カイはうな垂れて、正座した近藤の膝にうつ伏せになる。
直後、近藤はカイのズボンを下ろし、年頃の少年らしい、健康的なお尻をあらわにする。
 「何だ?この年になって尻叩きか?恥ずかしいヤツだな?」
「う・・うるさいっ!!」
「おぃおぃ、何を人事のように言ってるんだ?マチウス、お前もこっちに来い」
マチウスとカイが言い争いになりそうなところへ、ブロンソンが口を開く。
 「は!?ま、まさか僕も叩くつもりなのか!?馬鹿親父!?」
「決まってるだろう、ケジメはきっちりつけさせんとな」
「ふざけるなっ!!何で僕がっ!!」
カッとなったあまり、マチウスは銃を抜く。
だが、構えるよりも先に、ブロンソンに取り押さえられてしまう。
 「くっ!?離せっ!!」
抵抗するマチウスだったが、ブロンソンには無意味。
あっという間にコートを捲りあげられ、下着ごとハーフパンツを降ろされる。
僅かの間に、女性のような、形の整った綺麗なお尻があらわになった。
 「やめろっ!セクハラ親父っ!!離せっ!!馬鹿っ!!」
押さえつけられながらも、マチウスは抵抗を続ける。
だが、全て父親に封じられてしまう。
 近藤とブロンソンはそれぞれ弟子と息子を膝に乗せ、正座した姿で手を振り上げる。
直後、大人二人の力強い手が、少年達のお尻目がけて振り下ろされた。


 バッチィーンッ!
「くぅ・・!!」
お尻を襲う痛みに、思わずカイは声を漏らす。
だが、隣のマチウスが目に入るや、必死に声を押し殺す。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「・・!・・・!・・・!・・・!・・・!」
声を押し殺し、カイは必死に耐える。
同年代の少年の前で、恥ずかしい姿を見せるまいと必死なのだ。
だが、それが苦痛を増す。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「カイ・・・。仲間同士の喧嘩は厳禁・・。よく・・言っておいたはずだぞ?」
お尻を叩きながら、近藤はお説教を始める。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「す・・すみません・・!!だけど・・アイツが・・・」
バッジィィィーーーンンンッッッッ!!
「うわあああっっっ!!」
突然、思い切りお尻を叩かれ、カイは絶叫する。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「気持ちはわからなくもない。ああも突っかかられ、自分のせいにされてはな。だが・・だからといって、喧嘩をしてはよいという理由にはならん」
「す・・すみません・・。くぅ・・!!あく・・!!」
バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
近藤の手が振り下ろされるたび、カイのお尻が赤く染まってゆく。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「それだけではない。マチウスと喧嘩してどうなった?胴にマグナム弾を4発も撃ちこまれたんだぞ?ウチの防弾着がマグナム弾にも耐えられる仕様で、かつ闘気による防御術をお前が習得していたからこそ助かったが・・。普通の人間なら死んでいるぞ?」
「す・・すみません・・!!ご迷惑と心配を・・かけ・・ました・・・」
「わかってはいるようだな。なら・・仕上げに厳しく行くぞ。覚悟はいいな?」
「は・・はい・・」
カイは覚悟を決めて頷く。
それを見届けると、再び近藤は手を振り下ろす。
 バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!
「うっ・・!ああっ・・!うあああっ!ああーっ!痛っ!痛いぃぃ!!」
骨にまで響きそうな打撃に、カイは我慢もプライドも捨てて、悲鳴を上げる。
だが、それでも決して許しを乞うたり、泣き言は言わない。
 バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!バアーンッ!
「カンチョウ・・ごめんなさい・・!!うあああっ!!ごめんなさい・・!!痛ああ!!ごめんなさい・・!!ごめんな・・さいい・!!」
その後、カイの悲鳴と『ごめんなさい』がお尻を叩く音とともに響いていた。


 バシィーンッ!
「やめろっ!?何するんだーっ!?」
甲高い音とともにお尻を襲った痛みに、マチウスは振り向いて抗議する。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「くそっ!やめろっ!やめないかっ!やめろって言ってるだろう!?聞こえないのか!?」
お尻叩きを続ける父に、マチウスは怒りの声で抗議を続ける。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「聞こえてるさ。マチウス、お前が悪いから、叱られてるんだろうが。わかってるのか?」
「だ、だからって何で尻叩きなんだ!?僕は子供じゃないっ!!」
マチウスは睨みつけながら、文句を言う。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「ガキじゃないだと?仲間と喧嘩して、騒ぎを起こす奴が大人だと思ってるのか?」
「う、うるさいっ!元はと言えば、アンタが無理やりこんなところにやったからだろう!?そうだ!馬鹿親父のせいだ!!アンタこそ謝れ!!いい加減にしないと、本気で怒るからな!!」
父親への不平不満を燃え上がらせながら、マチウスは抗議をする。
 「マチウス・・本気で言ってるのか?」
声のトーンが変わったことに気づき、一瞬マチウスはビクッとする。
「だ・・だったら何だって言うんだ!?お、親父こそ僕に謝れ!!アンタのせいなんだからな!!」
プライドと反抗心が勝ち、マチウスは頑なな態度を取り続ける。
 「わかった・・。なら、俺も容赦せん・・」
そう言うと、ハーモニカは手を再び振り下ろす。
バンバンバンッ!バンバンバンバンッ!バンバンバンバンバンッ!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッ!
「やめろっ!やめ・・ひいいーっ!ひぃーんっ!やめ・・ひいいーーっ!!」
機銃掃射さながらの、先ほどとは比べ物にならない平手打ちに、マチウスは悲鳴をあげ始める。
 バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッ!
「うあああんっ!やだっ!も・・もうやだっ!やめてっ!いやだっ!やああ~~っ!やーあーだーっ!やめてぇぇぇ!!あ・・謝る・・からぁぁ!!」
もはや耐えきれず、マチウスはプライドをかなぐり捨てて謝る。
 「ダメだ。身に沁みて、反省しろ」
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッ!
「そんなあああああ!!うああああああん!!やだぁぁぁぁ!!やめてぇぇぇぇ!!うわあああああんんん!!」
泣き叫ぶ子供のようなマチウスの悲鳴と、集中豪雨のような平手打ちの音、それらがない交ぜとなって、響いていた。


 「くぅ・・!!うっうう・・!!」
「すまん、沁みたか?」
思わず苦痛の声を漏らすカイに、案じる声をかけながら、近藤は薬を塗る。
 「いえ・・。大丈夫・・です・・。すみません・・。迷惑と心配を・・かけました・・」
「構わんさ。わかってくれたからな。それより、今は休め」
「す・・すみません・・」
カイは近藤に薬を塗られながら、そのまま静かに目を閉じた。
 「おい・・!もっと、優しくしないか!?」
一方、マチウスはムッとした表情で文句を言う。
「コレも仕置きのうちだ。反省しろ」
「く・・!!散々だ・・!!尻は叩かれる・・!!泣かされる・・!!」
「嫌なら、二度と仲間と喧嘩なんかするな」
「うるさいっ!!エラそうに説教なんかするな!馬鹿親父!?」
そう言うと、マチウスはプイッと顔をそむける。
そんな息子の姿に、ブロンソンは密かに苦笑を浮かべながら、薬を塗っていた。


 ―完―

スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

山田主水

Author:山田主水
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2投票
無料アクセス解析
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。