青き狼たち6(BL・バイオレンス)



(BL・バイオレンスありです。許容できる方のみご覧ください)


 その夜、いつものように、近藤が寝室で寝ていたときだった。
不意に、近藤は目を覚ますや、抱いて寝ていた脇差を抜いて突きつける。
「あっちゃ~、気づかれちゃったなぁ。残念残念!」
喉元に真剣を突きつけられている状況で、クーロはケラケラと笑う。
そのクーロは、男性用Tバックパンツのみを履いた、女性と見まごうばかりに美しい、だが、どこか淫らさや狂気を感じさせる身体をあらわにしていた姿で、近藤に跨っている。
その視線も、淫欲に満ちていた。
 「何だそのはしたない姿は・・!さっさと服を着ろ!」
「アハハハ、もしかして勃ったのかい?だったら、嬉しいねぇ。どうせなら、僕の味見もするかい?」
クーロはそういうと、四つん這いになってお尻を差し出し、いやらしい感じに下着を降ろし、ニヤニヤと笑みを浮かべたまま、淫らにお尻を振って誘いをかける。
 バシーンッ!!
「うわっ!痛っ!何をするのさっ!!」
思いきりお尻を叩かれ、思わずクーロは蹲って、お尻をさする。
「いい加減にしろ・・!朝から尻を叩かれたいのか!?」
「わかったよ。尻を叩かれて泣き叫ぶのは勘弁だからね」
クーロは渋々、パンツを上げる。
そして、名残惜しげに、寝室を後にした。


 それからしばらく経ったある日・・・・。
「ハァ~ッ!つまらない・・つまらないなぁ・・・」
クーロはそんなことを呟きながら、雑誌を投げ出す。
 (毎朝襲うのも飽きたしな~。どこかに強くて逞しい、いい男でもいないかなぁ・・)
与えられた部屋の天井をボーっと見つめながら、そんなことを考えていたときだった。
不意に、鋼と鋼が打ち合う音が聞こえてくる。
(コイツは・・!?)
クーロは、刀と刀がぶつかり合う音だと気づく。
飛び上がるように起き上がると、クーロは音のした方へ駆けつけた。
 音の源は中庭。
中庭では、二人の男が刃引き刀を構えて、睨みあっていた。
一人は近藤、もう一人は見知らぬ人物。
 近藤と対峙しているのは、片目に眼帯をし、褐色に日焼けした肌をした男。
片目の大剣豪が当たり役な某アクションスターをどことなく思い起こさせる面立ちに、狼やドーベルマンを思わせる、無駄なく引き締まり、強靭さとしなやかさを兼ね備えた肉体を黒を基調にした服装で包んでいる。
 近藤と眼帯剣士はジッと睨みあったまま、ゆっくりと、位置を入れ替えるように、横へ移動してゆく。
横へと動きながら、互いに、徐々に間合いを詰めてゆく。
やがて、両者の足が止まったかと思うと、再び睨み合う。
睨み合いながら、二人の肌からは、ジンワリと汗が噴き出す。
 動いたのは同時。
両者とも、一気に間合いを詰めたかと思うと、鋼がぶつかり合う音が響く。
いわゆる鍔競り合いの状態で、二人は互いに押し合う。
だが、力が拮抗しているのだろう、微動だにしない。
鍔競り合いのまま、二人はグルグルと、社交ダンスのように位置を目まぐるしく入れ替える。
やがて、二人同時に離れたが、直後、互いの刀が光の尾を引きながら、激しく乱れ飛ぶように打ち合う。
何度も打ち合った後、ようやく双方とも刀を引いた。
 「さすが・・千葉さんですな。全く・・鈍っていない・・」
「アンタもだ。俺もうかうかしてられんな」
刀を納め、近藤と、千葉と呼ばれた眼帯剣士は互いに相手の腕を褒め合う。
 「次はまた・・ちょうど一か月後に・・よろしいか?」
「わかりました。お待ちしています」
千葉の問いに近藤は頷く。
それを見届けると、千葉は刀を鞘に納め、その場を後にした。
 「出てこい。別にコソコソする必要は無い」
「何だ~、バレてたのか。気配を消してたはずなのにさぁ」
クーロは残念そうに言いながら、物陰から現れる。
 「立ち合いが見たいのならば、堂々と見るがよい。お前も・・武道家の端くれであろうが」
「ふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃない。ところで・・あの眼帯男、何者だい?」
「千葉一厳(ちばかずよし)という武道家だ。何を・・考えている?」
「別に~」
そう言いつつも、クーロは何やら企んでいるかのような笑みを密かに浮かべていた。


 それからしばらく経ったある日・・。
(つけられている・・・)
通りを歩きながら、千葉は尾行されていることに気づく。
だが、千葉は平然としている。
尾行など、千葉にとって、日常茶飯事だからだ。
そのまま、何食わぬ顔で千葉は通りを歩き続ける。
やがて、適当なところで路地裏へと入っていった。
 後を追って入り込んだクーロは、鼻先に鞘ぐるみの刀を突きつけられる。
「お前は近藤のところの・・・。何のつもりだ?」
「何のつもりかって?決まってるじゃないか!!」
クーロは手に提げていた刀を、居合いの要領で、抜き打ちに放つ。
それを見切り、千葉は僅かに下がってかわす。
 「ハッハ~!イイねぇ!やっぱり、楽しめそうだよ!フフフ、もう・・興奮してきたなぁ!」
クーロは左右にスリットが入った、愛用の腰布を捲り上げ、ビキニパンツの下の、興奮した自身を見せつける。
 「お前・・!変態か!?」
「何とでもいいなよ。お前を叩きのめして・・精力を全て・・貪ってや・・!?うおっ!何だ!?この臭い!?」
突然、クーロは何とも言いがたい異臭に気づく。
同時に、長いコートや目出し帽で全身を隠した、異様な集団が現れた。
 「何だ、お前らは!?僕の邪・・!!」
苛立たしい表情で、クーロが言いかけたところで、一人が襲いかかる。
「馬鹿にするなっ!!」
あまりにも隙だらけな動きのため、クーロは難なくかわし、蹴り飛ばす。
だが、直後、乾いた枝を蹴ったような感覚を覚える。
 「そりゃあっ!!」
その傍らでは、千葉が襲いかかってきた一人の首を斬り飛ばす。
だが、首が無くなったのに、平然と動いて、千葉へ襲いかかり、さらには首もコロコロと転がって、千葉へ噛みつこうとする。
その首と身体を、千葉は真っ二つに断ち割り、次の敵を切り倒す。
 「な・・何だっ!?ハッ!?」
そんな光景に驚くも、次の気配に、クーロも今度は自分もためらわず、刀で真っ向から切りつける。
だが、思いきり袈裟懸けにしたのに、敵は倒れるどころか、出血すらしない。
そのまま、鋭い爪や歯で、野獣のように飛びかかろうとする。
 「だああっ!しつこいんだっ!!」
苛立ちながら、クーロは目の前の敵を空中へ蹴り上げる。
さらにクーロは空中へ飛び上がり、自らの身体を回転させ、空中で切り刻む。
着地と同時に、敵がバラバラになって、降ってくる。
 「な・・・!?」
降ってきたのは、ミイラ化した死体の一部。
だが、驚く暇は無い。
次々と、異様な者たちが、二人に襲いかかってきたからだ。
二人は互いに力を合わせ、異様な者たちへと斬り込んでいった。


 「やっと・・終わった・・」
クーロはウンザリしたように、あたりを見回す。
周囲には、数人分のミイラ化した死体だったものが、バラバラ、グチャグチャになって散乱している。
薬品による異臭が周囲を覆い尽くし、吐き気を催しそうになる。
 「どうやら・・・巻き込んでしまったか・・・」
刀を納めながら、千葉は呟く。
「おい!何なんだこいつらは!?」
あたりに散らばった破片の山を指しながら、クーロは尋ねる。
 「こいつ等はミイラだ・・。ただし・・・黒魔術の力で動く・・・。大方、俺が追っているやつが刺客に差し向けたのだろう」
「何だソレ!?RPGじゃあるまいし!おいっ!どこへ行く!」
去ろうとする千葉に、クーロは追いかけようとする。
だが、直後、千葉の身体から発する凄まじい闘気を浴びせかけられ、足が止まってしまう。
 「邪魔をするな・・!俺にはやらねばならんことがある・・!?」
「ふ、ふん!これくらいで僕がやめ・・!?」
千葉に斬りかかろうとしたところへ、さらに背後から、また別の闘気を浴びせかけられる。
まさかと思い、振り向いてみると、そこには近藤の姿。
 「探したぞ・・・」
静かに言うと、近藤は千葉の方を向く。
「千葉さん、ウチの若いものが失礼な真似をした。まことに・・申し訳ない」
「別に気にしてはおらんさ。そういうヤツなんだろう?」
「ああ、訳あって、ウチで預かっているのだが・・・・」
「俺には果たさねばならんことがある。すまんが、失礼する」
そういうと、千葉は歩き出す。
 「おいっ!待てっ!僕と・・・」
追いかけようとしたところへ、後ろから近藤に首根っこを掴まれ、引き戻される。
「いい加減にせんか!勝手に抜け出しおって!覚悟しておけ!」
「うるさいなぁ!離せっ!?うわあっ!!」
抵抗するクーロだが、柔術の要領でツボを押さえられ、手足の力が抜けてしまう。
それでも口では抵抗しようとするクーロを担ぎ上げ、近藤は帰っていった。


 バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!
「く・・!やめ・・やめろ・・!やめないか・・!!やめろ・・!!」
お尻を叩く音が響く中、クーロは振り返り、キッと近藤を睨みつける。
 バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!
「やめろではない!何を考えているのだ!?」
成人男性とは思えない、クーロのセクシーなお尻を叩きながら、近藤は叱りつける。
 バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!
「千葉は俺の大切な知人だ・・!それを淫らな目的のために・・襲撃しおって・・!!」
クーロのお尻に、骨まで響きそうな平手打ちを叩きつけながら、近藤は怒りを抑えかねた声で言う。
 バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!
「う、うるさいなぁ!アンタとまともに立ち合いが出来るようなヤツを、オメオメ見逃すような馬鹿な真似が出来るわけ無いだろう!僕にこんな屈辱を与えられるアンタと同等の力を・・・!!戦って・・血を滾らせて・・そしてヤツの精を最後に・・ああうぅーーっっ!!」
「それ以上しゃべるな!変態めが!!」
クーロの発言に、近藤はげんなりしそうになるのを堪える。
 バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!
「くそっ!やめろっ!やめないかっ!何で・・尻叩きなんだーっ!どうせ尻をいたぶられるなら、アンタの金棒でグチャグチャかき回されたいのに!!」
「それ以上妙なことを言うなっ!叫ぶなっ!!骨盤ごと粉砕するぞ!!」
破廉恥なことを言うクーロに、近藤はキレそうになるのを必死に堪え、お尻を叩く。
その後、長い間、クーロの声とお尻を叩く音が響いていた。


 同じ頃・・・・・。
「ミイラ共は返り討ちになりましたか。まぁ、あの程度の輩では、千葉を討つのは無理だと思ってはいましたが」
分厚い本を閉じ、青年はそう呟く。
ほっそりした身体に神父服を纏っていることから、一見すると神父に見える。
だが、首にかけた十字架は通常とは逆さに吊ってあり、抱えている本も、聖書ではなく、古びた人の皮の表紙に、拷問や吐き気を催す怪物が描かれた、おどろおどろしいものだった。
 そんな謎の青年に、脇からワインが差し出される。
ワインを差し出したのは、半ば腐って骨が見えている手。
目線を移して全身を見てみると、身体の所々が腐敗し、骨がむき出しになっている、米兵の死体だった。
死体の差し出したワインを受け取り、青年は飲み干す。
 「まぁ、今回は見逃しましょう。ですが・・・千葉、あなたの首は私が必ず・・!」
スマホに映る千葉の映像を見つめながら、神父服の青年は、そう呟いた。


 ―完―

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