強情なのもほどほどに・・・(封神より:楊・道/玉)



 (注:封神を題材にした二次創作モノです。また、キャラのイメージが原作と異なっております。許容出来る方のみご覧ください)


 「どういうことですか?」
楊ゼンはニコリと、だが目は笑っていない笑みを浮かべ、それを見やった。
視線の先にあるのはかつては花瓶だったもの。
だが、今や粉々に砕け散りガラクタと化していた。
 「す・・すまない・・掃除を・・しようと・・していたら・・・」
玉鼎はソワソワしながら弟子に答える。
花瓶を壊してしまったときに切ったのだろう、指には絆創膏が貼られている。
 「またですか・・・」
「す・・すまない!」
「謝ればいいというものではありませんよ、師匠?これで何回目と思ってらっしゃるんですか?」
楊ゼンは厳しい口調で問いかける。
もっとも、無理もないことだった。
実は今回が初めてではなかったのだから。
既に何度か玉鼎は食器やガラス窓といったものを壊しており、しかもそのたびに程度は軽いものの、怪我まで負っていたのである。
「4回・・くらい・・だったかな・・?」
「7回です。全く・・あなたという人は・・・」
楊ゼンは呆れたような口調でため息をつく。
玉鼎もさすがにバツが悪いのだろう、顔をそむけて楊ゼンと視線を合わせないようにしていた。
 「ところで師匠・・・」
「な・・何だ・・?」
玉鼎はやや身構えて尋ねる。
よくわからないが、妙な気配を楊ゼンから感じたからだ。
「この前言ったこと・・・覚えてらっしゃいますか?」
「この前・・・?それが・・どうかしたのか?」
玉鼎は訝しげな表情を浮かべる。
楊ゼンが何を言いたいのかわからなかったからだ。
 「確か・・『二度ともう壊したりしない。約束する』とおっしゃってましたよね?」
「あ・・あぁ・・・でも・・それが?」
「ですがまた壊してしまいましたね?ということは約束を破ったことになりますね?」
「だ・・だが・・わざとじゃ・・・」
「それでも破ったことは事実でしょう?」
容赦のない追及に玉鼎は言葉に詰まってしまう。
楊ゼンの言うとおりだったからだ。
 「わ・・悪かった・・楊ゼン・・も・・もう・・しない・・・」
「その言葉は聴き飽きました。師匠・・・悪いと思ってらっしゃいますか?」
「あ・・当たり前じゃないか・・」
「いいでしょう。では、こちらへ来て下さい」
楊ゼンはそういうと師を手招きする。
弟子に言われた通り、玉鼎は楊ゼンの傍までやってきた。
 突然、玉鼎は手首を思いきり掴まれる感覚を覚えた。
次の瞬間、勢いよく身体が傾ぐのを感じる。
気づいたときには、玉鼎は椅子に腰かけた楊ゼンの膝の上に載せられてしまっていた。
同時に玉鼎は上着の裾がすり上がるのを両脚で感じる。
ハッとして振り向くと楊ゼンが上着を捲り上げ、ズボンに手をかけていた。
 「な・・何をしてるんだ!?」
思わず玉鼎は叫んだ。
「お仕置きをするんです」
「おし・・おき・・・?」
「そうです。師匠のお尻を叩いて差し上げます」
楊ゼンはきっぱりとそう言いきった。
弟子の言葉に玉鼎は一瞬、奇妙な表情を浮かべる。
だが、震える声で恐る恐る尋ねた。
 「な・・何だ・・って?・・」
「聞こえませんでしたか?師匠のお尻を叩くと言ったんです、僕は」
「楊ゼン!変な冗談はやめてくれ!」
「冗談なんかじゃありませんよ。本気で師匠のお尻を叩くつもりです」
「や・・やめてくれ!私は子供じゃないんだ!」
玉鼎は思わず叫ぶ。
 「仕方ないでしょう?口で言っただけじゃあ師匠はわかっていただけないようですからね。それじゃあ子供と同じじゃないですか?」
「くぅぅ・・・」
玉鼎は悔しそうな表情を浮かべるが、楊ゼンの正論に反論できず顔をプイとそむける。
会話の合間に楊ゼンはズボンを降ろして師匠のお尻をむき出しにする。
楊ゼンは師の頭を左手で押さえると言い聞かせるように言った。
「では・・行きますよ。覚悟はよろしいですね?」
玉鼎は楊ゼンのやり方が気に入らないのだろう、顔をそむけたまま返事をしない。
楊ゼンはそれに構わず右手を振り上げると、師匠のお尻目がけて振り下ろした。


 パアシィンッ!
「く・・・」
甲高い音と共に痺れに近い痛みが玉鼎のお尻の表面で弾け、お尻全体に広がってゆく。
パアシィンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!パアシィンッ!
立て続けに数回、平手打ちが玉鼎のお尻で炸裂する。
(し・・尻を・・叩かれて・・いるんだ・・)
肌を打つ音、そしてそれが鳴るたびにお尻に生じる痛みが否応なしにそれを玉鼎に自覚させる。
(た・・確かに・・・何度も壊したり・・二度としないとの約束を破った・・・私も・・悪いかもしれない・・でも・・でも・・・だからって・・こんなの・・あんまりじゃないか!?)
あまりにも屈辱的な扱いに玉鼎はムラムラと怒りがこみ上げてくる。
屈辱感がそれに火を注ぎ、玉鼎の心に燻った怒りの炎を燃え上がらせた。
 「やめろ・・・やめないか・・楊ゼン!」
玉鼎は身体を揺り動かして抵抗する。
「やめませんよ。師匠が悪いんですからね」
「何を言う!これが師に対する態度か!?」
玉鼎は怒りに駆られているためか、普段からは想像できない荒っぽい態度で叫ぶ。
「なら聞きますが・・・師匠こそこれが分別のある大人の態度ですか?今の師匠は子供と同じですよ?」
楊ゼンも玉鼎の態度にやや腹を据えかねたのか、当てこすりでもするかのように言う。
「だ・・黙れ・・いいからさっさと降ろさないか!!」
玉鼎の態度の楊ゼンはため息をつく。
「師匠・・どうやらちっとも反省して下さらないようですねぇ」
「こんな扱いされて・・反省も何もないだろう・・・」
玉鼎は怒りを堪えかね、震える声で楊ゼンに答える。
 「よくわかりました・・・師匠がちっとも反省してらっしゃらないのは・・・・」
楊ゼンは玉鼎に聞こえるように大きくため息をつく。
同時に楊ゼンは足を組んだ。
おかげで玉鼎は天井に向かってお尻を突き上げた態勢になる。
(何だ・・どうするつもりだ・・?)
状況に変化が生じたせいか、玉鼎は思わず警戒感を高める。
直後、再び右手を振り下ろす微かな音が聞こえた。


 バシィンッ!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッ!
突然、玉鼎のお尻で何十もの爆竹が一斉に弾けたような音と衝撃がした。
「か・・はっ・・・」
玉鼎は目から火花が飛び出たように感じる。
(な・・何だ・・・?)
最初、玉鼎は何が起こったのかわからなかった。
だが、次いで第二波が玉鼎のお尻に降りかかった。
 ビッダァ~ンッ!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッ!
バジィ~ンッ!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッ!
「くっ・・くぅ・・く・・あ・・くぅぅ・・あぅぅ・・・」
強烈な音と共に楊ゼンの平手打ちが土砂降りの雨の如く大量に玉鼎のお尻に降り注ぐ。
あっという間に玉鼎のお尻は濃厚なワインレッドに染め上がってしまった。
苦痛の声を漏らしつつも、玉鼎は楊ゼンのズボンの裾をしっかりと掴み、平手打ちの嵐を堪えようとする。
 (そ・・そうか・・。そういう・・積りだな・・)
玉鼎は弟子の意図を推察する。
楊ゼンは物量作戦をするつもりなのだ。
耐えきれないくらい苛烈な平手打ちを喰らわせ続け、強情で頑なな玉鼎の心をへし折ろうというわけだ。
(や・・やるなら・・やってみるがいい・・・。わ・・私は・・絶対に・・謝らないからな・・!!)
既に意地になってしまっている玉鼎はさらに頑なな決意をすると、ゆっくりと後ろを振り向く。
そして楊ゼンをキッと睨みつけた。
対して、楊ゼンは冷ややかな視線を向けると、師匠のお尻に向かって平手打ちの雨を降らせ始めた。
 「ハァ・・・・ハァハァハァ・・・・」
苦しそうな息を吐きながら、玉鼎は両肩を激しく上下させる。
お尻は今や二倍近くに腫れ上がり、触れると火傷するのではないかと思うくらいに熱かった。
 「師匠・・・反省しましたか?」
楊ゼンは一旦手を止めるとそう尋ねる。
だが、玉鼎は振り返るとムッとした表情を見せつける。
そして、そのままプイッと顔をそむけてしまった。
 (弱ったな・・・・)
さすがに楊ゼンも困った表情を浮かべる。
師が完全に意固地になってしまったからだ。
(何があっても絶対に謝らないつもりですね・・・・)
楊ゼンとしては玉鼎が素直に謝ってくれれば許すつもりだった。
だが、玉鼎は例えお尻が壊れようとも謝るつもりは毛頭無いようだ。
玉鼎が反省の意を見せない以上、楊ゼンとしても許すわけにはいかない。
 (でも・・・これ以上は・・・)
楊ゼンは師匠のお尻と自身の手を交互に見やる。
玉鼎のお尻は限界に達しているはずだし、楊ゼンの手の方も真っ赤になっていた。
どちらとしても叩くのは無理だった。
しかし、楊ゼンとしても引くわけにはいかない。
過失とはいえ、約束を破ったのは師匠の方なのだから。
 とはいうものの、このままではずっと膠着状態だ。
どうしようかと楊ゼンが頭を抱えかけたそのときだった。


 「玉鼎~。いるかい~?」
突然、道徳の声が聞こえてきた。
それを聞くや、玉鼎はハッとした表情を浮かべる。
同時に玉鼎は身体を思いきり揺り動かすと、楊ゼンの膝から抜け出そうとし始めた。
 「師匠!」
慌てて楊ゼンは玉鼎を押さえつけにかかる。
「離さないか!私に恥をかかせたいのか!?」
「駄目です!ちゃんと謝って下さるまでは降ろしませんからね!」
「嫌だ!離すんだ!!」
たちまち両者の間で口論が始まる。
その間に部屋のドアが開き、道徳が入ってきた。
 「玉て・・・・」
入ってくるなり、道徳は目の前の状況に一瞬、目を丸くする。
だが、すぐに苦笑を浮かべると
「おやおや?また叱られてるのかい、玉鼎?」
「または余計だよ・・。そ、それより何しに来たんだ・・?」
玉鼎は恥ずかしさにブルブルと身体を震わせながら尋ねる。
「回覧板を届けに来たんだよ」
そういうと道徳はテーブルに回覧板を置き、同情の籠った目で楊ゼンを見やる。
 「それにしても大変だなぁ。今度は何したんだい?」
「花瓶を壊されましてねぇ。これで七回目なんですよ。口で言っても分かって下さらないようですし・・前回もう二度としないと約束されたんですが・・・」
楊ゼンはため息をつきながら道徳に説明する。
「なるほど。よくわかったよ。それより玉鼎、楊ゼンにはちゃんと謝ったのかい?」
道徳の問いに玉鼎はムッとした表情を浮かべる。
「何で道徳にそんなことを言われなくちゃならないんだ・・?」
「やっぱり謝ってないんだねぇ。まぁ大方想像はついてたんだけどね」
「そうなんですよ、道徳様。どうも意地を張ってらっしゃって・・困ったものです・・」
「二人ともいい加減にしてくれ!全く・・人を子供みたいに!!」
玉鼎はそう言うと不機嫌な表情を浮かべてまた顔をそむける。
(ってそれじゃあ本当に子供じゃないか)
そう道徳は思ったものの、口には出さず道徳はただ苦笑を浮かべる。
 「なぁ玉鼎・・・」
道徳はおもむろに玉鼎に話しかけ始めた。
「玉鼎が強情になるのはそりゃあ無理もないなぁ。お尻叩かれるなんて恥ずかしいし、子供扱いされてるみたいで悔しいんだろう?それはわからないでもないよ」
「だ・・・だったら・・何で・・」
玉鼎は不満そうな表情を浮かべて問いかける。
「じゃあ聞くけど、そもそもどうしてぶたれてるんだい?」
「そ・・それは・・・」
玉鼎は途端に口ごもる。
自分に非があるのはわかっているからだ。
 「玉鼎が何回ももの壊しちゃったりしたからだろう?」
「そ・・そうだが・・・。わ・・わざとじゃ・・・」
「でも何度も言われてもしちゃったのは事実だろう?」
道徳に鋭く追及され、玉鼎は黙りこくってしまう。
「それじゃあどう考えても玉鼎が悪いだろう?それにもうしないって約束もしたんだろう?でもそれを守れなかったんだろう?」
ますます不利になる状況に玉鼎はただ貝のように口をつぐんでいる。
「だったら・・誰が見ても君が悪いんじゃないかい?恥ずかしいのはわかるけど、君が悪い以上、ちゃんと謝るのが大人じゃないかい?」
玉鼎は説得するような口調でそう問いかける。
しばらくの間、玉鼎はジッと黙っていた。
だが、ムスッとした口調で一言
「嫌だ・・・」
と言っただけだった。
 「どうしても謝らないつもりかい?」
「絶対に嫌だ!謝るくらいならお尻が壊れた方がズッとましだよ!」
「ハァ~・・・ここまで強情なのかい・・・それじゃあ・・仕方無いなぁ・・・」
道徳はため息をつくと二人の方へ歩み寄る。
二人の目の前に立ったかと思うや、いきなり道徳は玉鼎を抱き上げ、そのまま肩に担いでしまった。
 「道徳様?何をなさるんですか!?」
「道徳!何のつもりだ!?」
突然の行動にさすがに二人ともビックリする。
「どうやら全然反省してないみたいだからね。俺からもお仕置きしてあげるよ。ただし・・玉虚宮の中庭でね」
「なっ・・・!!」
道徳の答えに玉鼎は絶句する。
そんなことをされたら他の人間にまで自分のお仕置きを見られてしまう。
 「そうですねぇ。それも仕方ありませんかねぇ・・・」
畳みかけるように楊ゼンがそんなことを言いだした。
「よ・・楊ゼンっ!お前まで何を言ってるんだ!?」
「仕方ないじゃないですか、師匠がちっとも反省して下さらないんですから。僕だって師匠にそこまで恥ずかしい思いをさせるのは嫌ですよ。でも、師匠が意地を張って謝って下さらないのなら仕方ありません。もっときつくお仕置きして差し上げないとわかっていただけないようですからね」
楊ゼンにまでそう言われてしまい、玉鼎は愕然とする。
そういう間にも道徳は部屋を出て行こうとする。
 「ま・・待って・・待ってくれ道徳!!」
慌てて玉鼎は道徳に呼びかけた。
「何だい?」
「そ・・それだけは・・やめて・・くれ・・頼む!それだけは・・!」
「それじゃあちゃんと楊ゼンに謝るかい?」
「く・・・」
そう問いかけられ、玉鼎は言葉に詰まってしまう。
外で他人の目にさらされながらお仕置きされるのも嫌だが、楊ゼンに謝るのも嫌だったからだ。
玉鼎のそんな逡巡を見抜いたのか、道徳は
「それじゃあ仕方ないな・・・」
というと再び歩き出そうとする。
「わかった!謝る!楊ゼンにちゃんと謝るから!だからやめてくれ!頼む!」
もはやプライドも意地もかなぐり捨てて玉鼎はそう叫んだ。
(やっと折れてくれたか・・やれやれ・・・)
道徳は苦笑しつつもホッとする。
 「わかったよ。それじゃあ外でのお仕置きは許してあげるよ・・。ただし・・・」
そう言ったかと思うと、道徳は肩に担いだ玉鼎のお尻目がけて思いっきり右手を叩きつけた。
パア~ンッ!パシィ~ンッ!パアチィ~ンッ!
「くっ・・!なっ!何をするんだ!」
「これは俺からの分。楊ゼンを困らせちゃ駄目だろ?全く」
パアシィンッ!ピシャア~ンッ!パア~ンッ!パアチィ~ンッ!
「くっ・・!あっ・・!うぅ・・!くぅ・・!あっ・・!」
道徳の平手打ちに玉鼎は道徳の背中を掴んで耐える。
その後、しばらく叩いてからようやく道徳は玉鼎を降ろしてやった。
床に降ろされた玉鼎は顔をしかめながら真っ赤に腫れあがったお尻をさすっている。
お尻をさすりながら、チラリチラリと恨めしそうな目で道徳を見やる。
その様子に苦笑しつつも
「さぁ、約束だろ。ちゃんと楊ゼンに謝ったらどうだい?」
「黙ってくれ・・。わかっているよ・・それくらい・・」
玉鼎はキッと道徳を睨みつけてやりたかったのだろうが、あいにくお尻の痛みのせいでそうはいかなかった。
ようやくお尻の痛みが引いたのか、お尻をさするのをやめると、玉鼎はやっと弟子の方を向く。
 「よ・・楊ゼン・・・」
震える声で玉鼎は楊ゼンに呼びかける。
「何です・・?」
「な・・何度も・・壊したり・・もうしないと・・約束・・したのに・・ま・・守れなくて・・わ・・悪かった・・・。ちゃ・・ちゃんと・・反省・・してる・・だ・・だから・・も・・もう・・許して・・くれないか・・?本当に・・悪かった・・・」
やっとのことでそう言うと恐る恐る楊ゼンを見やる。
楊ゼンはジッと押し黙ったまま何も言おうとしない。
(ま・・まだ・・怒ってるのか・・?)
不安がこみ上げ、玉鼎は戦々恐々とした様子でジッと弟子を見守っている。
ドキドキと心臓が激しく鼓動するのを聞く中、ようやく楊ゼンが口を開いた。
「ようやく謝って下さいましたね。いいでしょう。許して差し上げます」
その言葉を聞くと、ようやく玉鼎はホッとした表情を浮かべた。


 「うく・・・よ・・楊ゼン・・も・・もう少し・・丁寧に・・」
「何言ってらっしゃるんですか。強情を張り過ぎるからですよ、もう」
楊ゼンはそう言いながら師のお尻に薬を塗りこんでゆく。
ときどき染みるのだろう、玉鼎は一瞬顔をしかめたかと思うとベッドのシーツを握り締めた。
 「大丈夫かい?それにしても随分叩かれたもんだねぇ」
道徳はベッド脇の椅子に腰かけた姿で話しかける。
「仕方なかったんですよ。師匠が強情張って中々謝って下さらなかったので」
「玉鼎、強情張るのも程々にしなきゃあ。でなきゃあお尻が壊れちゃうじゃないか」
「そういう道徳だって・・人のこと叩いたじゃないか・・。しかも玉虚宮で叩こうとしたくせに・・・」
玉鼎はそう言うと恨めしそうな目を向けて道徳を睨む。
「悪かったって。でもそうでも言わないと謝らないと思ったんだよ」
「師匠のおかげで道徳様にもお世話をおかけしてしまいましたね」
「いいんだよ別に。楊ゼンこそ大変だろう?」
「えぇ、本当世話が焼けますね」
楊ゼンが苦笑いすると道徳もつられて苦笑する。
 「それじゃあ俺はもう行くから。玉鼎、いい子にしてもう楊ゼンに世話焼かせちゃ駄目だぞ?」
道徳はそう言うとポンポンと軽く玉鼎の頭を撫でる。
「って私は子供じゃあない!!いい加減にしてくれ!」
玉鼎がたまりかねてそう言うと道徳はまた苦笑して出てゆく。
楊ゼンも同じように苦笑いを浮かべたが、膝の上の師に優しい目を向けると再びお尻の手当を始めた。


 ―完―

スポンサーサイト

theme : 二次創作
genre : 小説・文学

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

山田主水

Author:山田主水
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2投票
無料アクセス解析
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード