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契遼州物語2(/ショタ)



 月明かりが照らす中、原野を疾駆する騎馬の一団があった。
先頭に立って、馬を走らせているのは神楽。
神楽の背後には、騎兵銃や回転式拳銃、或いは柳葉刀(りゅうようとう)と呼ばれる、大陸伝統の幅広の刀などで武装した手下達が、付き従っている。
やがて、彼らは、ある谷の入り口までやって来た。
 「ここか・・・・」
目の前にそびえる谷に、神楽は満足げに笑みを浮かべる。
「頭目・・。本当にここに入るんですか?」
部下の一人は、何故か不安げな表情で尋ねる。
「当然じゃないか。何をビクついているのさ、お前たち?」
「しかし・・ここは『毛龍(もうりゅう)の谷』ですよ!!」
馬賊の一人が、思わず大きな声を出して言う。
毛龍とは、契遼州の伝説に登場する魔物。
全身に毛の生えた、巨大な龍の姿をしていると伝えられている。
非常に凶暴で貪欲、見つかったら、人などボリボリと貪り食われてしまう。
そのように、太古から語り伝えられていた。
その毛龍が住み着いている、と伝えられているのが、この谷である。
その為、滅多に入るものはいなかった。
 「馬鹿を言うんじゃない。そんなの、ただの伝説さ。お前たち、それでも契遼馬賊か?おとぎ話なんかに、ビビってるんじゃない!!宝の山を、逃す気なのか!?」
神楽は部下達を叱咤する。
恐ろしい魔物の住む谷、などと信じられていても、中には足を踏み入れる者が時にはいる。
その者達の証言から、この谷には豊かな自然に恵まれていること、そのおかげで、高級毛皮の原料となるテン、漢方薬の最高級の原料である薬用ニンジンなどに恵まれている、ことなども神楽は突き止めていた。
毛皮も、薬用ニンジンも密猟するだけのリスクを冒すだけの価値があるもの。
それに、ここは未だ誰も征服していない、いわば無主の地。
自分が最初の主になる。
それも、未だ少年である神楽にとって、何とも言えない悦びだった。
 「そういうわけでは・・。しかし・・せめて副頭目にも・・・ぐうっっ!!」
途中まで言いかけたところに、神楽の拳が部下の腹に命中する。
少年ながら、馬賊の頭目である神楽だ。
腕が無ければ、荒くれ者ににらみを利かせることなど出来ない。
たった一撃で、屈強な馬賊が地面に倒れ、苦痛に呻く。
「馬鹿言うな!ヤツに話したら、絶対に反対するじゃないか!だから、お前たちだけ連れて来たんじゃないか!!さぁ、グズグズしないで、行くぞ!!」
神楽はそう言うと、谷へ入ってゆく。
ボスを置いてゆくわけにはいかない。
馬賊達は、神楽を追って、谷へと入っていった。


 「頭目!!こんなにありましたよ!!」
手下の一人が、興奮した様子で、地面を指さす。
地面には、薬用ニンジンの花が、これでもかとビッシリ、咲き誇っていた。
手下達は、興奮の息を吐きながら、薬用ニンジンを掘れるだけ掘ってゆく。
「うひょおおお!!こんなに獲れましたよ!!頭目ううう!!」
また別の部下達が、これまた興奮しながら、神楽の元へ駆けつけてくる。
彼らは皆、銃で仕留めたテンを幾つも抱えていた。
 「スゴイですね、本当に宝の山だ!!」
「だから、言ったじゃないか。やっと、わかったのかい?」
分かりきっていたことを言う部下達に、少し呆れたような口調で、神楽は言う。
「まぁいいさ、お前たち、今夜はそろそろ引き上げるよ」
「ええ!?まだこれっぽっちですよ!?」
「あまり欲をかきすぎても、良くない。それに・・・・これ以上は、向こうも焦れてるからねぇ」
何のことかと、部下の一人が尋ねようとしたそのときだった。
突然、神楽は草むら目がけ、拳銃を発砲する。
直後、呻き声と共に、騎兵銃を手にした、治安隊の兵士が、転がり出てきた。
兵士は騎兵銃を抱えたまま倒れる。
直後、馬賊達は銃や刀を構え、あたりを見回す。
 「ふふ・・。いるんだろう、出てきたら、どうだい?」
神楽は、愛用の剣を手にしつつ、笑みを浮かべて言う。
「やはり・・気づいていたか・・・」
声と共に、木陰から、軍刀を手にした近方が現れる。
同時に、隠れていた兵士達も、騎兵銃を構えて、姿を現した。
 「よくわかったねぇ、近方ク~ン、さすがって褒めてあげるよ」
「黙れ!神楽、お前に勝ち目はない!降参せよ!!」
「はぁ?馬鹿なコト、言わないでよね~」
そういうや、神楽は近方目がけ、再度発砲する。
近方は軍刀で銃弾を弾き落とす。
「抵抗するか・・。ならばやむを得・・・・」
発砲命令を近方が下そうとした、そのときだった。
 突然、地響きがあたりに響きわたる。
「何だ・・!?」
近方も、神楽も思わず周囲を見回す。
馬賊も、兵士達も、つられて周りを見回す。
やがて、地響きの主が、姿を現した。
 現れたのは、全長9メートルにもなる、巨大な生物。
太い後ろ足を中心に、身体を水平にし、長い尾を後ろへピンと張った姿勢をしている。
鋭い牙がずらりと並んだ巨大な口と頭とは対照的に、前脚は小さい。
その全身は、20センチ近くある毛に、びっしりと覆われている。
爬虫類的な姿をしながら、哺乳類のように毛に覆われている。
まさに、毛のある龍、という姿だった。
 「も・・毛龍・・!?」
「まさか・・」
神楽や近方をはじめ、全員が驚きのあまり、毛龍をジッと見つめる。
あくまでも、伝説の存在と思っていた。
まさか、実在するとは思わなかった。
だが、そんなことを考えている余裕は、すぐに消える。
突然、毛龍が雄叫びを上げたからだ。
全員、危険を感じる。
直後、その予想は当たった。
毛龍が、たまたま一番近くにいた兵士の一人に、頭からかぶりついたからだ。
骨の砕ける音や肉の引きちぎられる、生々しい音が、その場に響きわたる。
 銜えられた兵士は、最初は口からはみ出た下半身をバタバタさせていた。
やがて、巨大な顎に粉砕された、無残な下半身が、ドスンと地面へ落下する。
兵士も馬賊も関係なく、ただ、呆然とその光景を眺めていた。
だが、再び、毛龍が人間たちを見回すと、我に返る。
「逃げろおおおおおおお!!!!!!!!」
誰かが叫んだ。
その声に、兵士も馬賊も関係なく、我先にと、逃げ出した。
当然、毛龍も獲物である人間たちを追いかける。
人間たちは走りに走る。
毛龍も、自らの食欲を満たすため、必死に追う。
やがて、馬賊の一人が石につまずき、倒れてしまう。
起き上がろうとしたところへ、毛龍の大きな後ろ足が、馬賊を思いきり踏みつける。
絶叫する馬賊を、龍の巨大な口が食らいつき、骨の砕ける音と共に、貪り食った。


 (何とか・・撒けたか・・・・)
毛龍が追ってこないことを確認すると、神楽は安堵の息を吐く。
(まさか・・本当にいるなんて・・・)
あくまでも伝説の存在と思っていた生物が実在したことに、神楽は驚く。
しかも、危うく食われるところだった。
(さっさと・・脱出しないと・・・)
怪物の胃袋に収まるなど、真っ平ごめんだ。
谷の入口へ、向かおうとした、そのときだった。
 突然、木々の間から、サーベルが突きだされる。
咄嗟に、神楽は愛用の剣で受け止める。
「どこへ行く!逃がしはせんぞ!!」
サーベルを構えて迫りながら、近方は言う。
「く・・!しつこいなぁ!!そっちも逃げたらどうだい?毛龍のエサになるよ!?」
「馬鹿を言うな!!あんな獣ごときを恐れて、お前を逃がしてたまるものか!!」
二人は互いに突きを繰り出しながら、そんな会話を交わす。
神楽は何とか間合いを離し、谷から逃げ出そうとする。
近方はそうはさせじと、幾度も突きを繰り出しながら、間合いを保つ。
走りながら、二人は互いに激しい突きの応酬を繰り広げる。
火花と共に、金属がぶつかり合う音が、森に響きわたる。
そんな派手な音を毛龍が見逃すはずがない。
鼻先を血に染めたまま、毛龍は音のする方向を振り向く。
捕食生物ならではの、よく見える目で、毛龍は、斬り合う近方と神楽の姿を認める。
直後、二人の少年目がけ、毛龍は走り出した。
 近づいてくる地響きに、二人の少年は思わず振り向く。
同時に、巨大な龍の口が、二人に襲いかかった。
 とっさに、二人とも、横に飛び退いてかわす。
毛龍は、近方に狙いを定め、近方に喰らいつこうとする。
近方は木々の間を巧みに走り、噛みつかれないようにする。
 (へぇ、ナカナカやるじゃないか)
姿を木陰に隠し、神楽は巧みに身をかわす近方の姿に、感心する。
最初は、この隙に、谷を脱出しようと考えた。
だが、すぐにその考えを捨てる。
毛の生えた大トカゲごときに、近方を食われてはたまらない。
近方は、自分が倒すことに決めているのだ。
その楽しみを守るためだ。
神楽は剣を構えると、毛龍の背後へと近づいてゆく。
幸い、毛龍は完全に近方に気を取られている。
近方も、毛龍の攻撃をかわすのに必死で、神楽には気づいていない。
ある程度の距離まで近づくと、再び、神楽は立ち止まり、両者の様子を伺う。
毛龍は吼えながら、近方に喰らいつこうとする。
近方は軍刀を構え、右に左に巧みに動いて、噛みつきをかわす。
やがて、毛龍に隙が見えたそのときだった。
 神楽は毛龍めがけ、剣を飛ばすように投げつける。
直後、毛龍の片側の後ろ足の太ももに、剣が深々と突き刺さった。
毛龍は苦痛の雄たけびをあげると、片膝を地面について、座り込む。
剣が刺さったのが見えない為、近方は一瞬、困惑する。
だが、すぐに迷いを捨てる。
近方は、片膝をついた毛龍の脇へ回る。
そして、太い首のそばに立つと、裂帛の気合と共に、軍刀を振り下ろした。
手ごたえを感じた直後、近方は飛び退く。
毛龍の太くがっしりした首に、赤い筋が走る。
筋の幅が広がったと見えた直後、鮮血が噴き出した。
毛龍は断末魔の咆哮をあげた後、自らの血だまりに倒れ伏す。
近方は慎重に近づくと、毛龍を数度、軍刀で触れ、死を確認する。
(危なかった・・・む?)
近方は毛龍の太ももに、深々と剣が突き刺さっているのを見つける。
(コレは・・!?)
柄頭にあしらわれた獅子頭の装飾が、神楽のものであることを示していた。
途端に、近方の表情が険しくなる。
逮捕すべき存在である馬賊に、窮地を救われたのだ。
軍人として、何とも恥ずかしいことだ。
しかも、幼児のように尻を叩かれる屈辱を与えられた神楽にだ。
屈辱感で、近方は怒りの炎を燃やさずには、いられなかった。


 (やっと・・・着いたか・・・)
ようやく谷の入口へたどり着き、神楽はホッとする。
だが、自分の馬の傍にいる人物の姿に、ギクリとする。
 「頭目・・。お待ちしておりましたよ」
柔和な微笑を浮かべながら、眼鏡に長衫姿の青年が、神楽に呼びかける。
青年の名は張徹(ちょうてつ)。
獅頭一味の副頭目である。
 「ちょ、張・・・ど、どうして・・ここに?」
神楽は引きつった笑みを浮かべながら、尋ねる。
この谷には、絶対に行ってはいけない。
張に厳しく言われていたからだ。
その言いつけを破ったのだ。
ただでは、すまない。
とっさに、神楽は獅子頭の形をした、小さな分銅を、張目がけて、投げつける。
だが、張はそれを簡単に受け止めてしまう。
「おやおや?いけませんね~。いきなり暴力なんてね~。幾ら頭目でも、見逃せませんね~」
「ちょ、張・・。ちょ、ちょっとした遊び心だったんだよ。だ・・だからさ・・・」
神楽は後ずさりしながら、弁解する。
「『遊び心』?そのせいで、部下を何人も犠牲にしているんですよ?それに・・下手をすれば、頭目自身も毛龍に食い殺されていたかもしれないんですよ?」
目が笑っていない、怒りのこもった微笑を浮かべながら、張はジリジリと主人との間合いを詰めてゆく。
追いつめられた神楽は、何と、張目がけ、飛びかかる。
飛びかかると同時に、副頭目の顔面目がけ、パンチを繰り出した。
 だが、神楽の突きは難なく受け止められてしまう。
「おやおや?いけませんね~。これは、お仕置き確定ですね」
そういうと同時に、張は神楽のみぞおちに打撃を入れる。
直後、神楽はそのまま、気を失った。


 バッチィィーーンンン!!!
「ひいいいいんんっっ!!ごめんなさぁぁあああいいいい!!!」
パドルが叩きつけられると同時に、神楽の悲鳴が上がる。
神楽のお尻は、既にサルのように、真っ赤に染め上がっていた。
 バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!
「ひいいっ!張っ!ごめんなさいっ!やめてぇぇ!!ごめんなさいっ!!」
「頭目、言ったはずですよ~。毛龍の谷は、危険ですから、絶対に行ってはいけませんとね~。それなのに、何で約束破ったんですか~?」
泣き叫びながら、必死に謝る神楽に、どこか楽しげな表情で、張はパドルを振り下ろす。
「ひぃぃん!だ、ダメって言われれば、い、行ってみたく・・なるじゃ・・ないかぁあ~~っ!!」
「それが理由になりますか~?頭目のその気まぐれの為に、何人の部下が死にましたかね~?それに、頭目も危うく食われるところだったかも、しれないんですよ~?」
バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!笑顔のまま、容赦なく張は神楽のお尻を叩く。
「だ、だからごめんなさぁああいい!!も、もう、しないからぁぁぁ!!」
「もうしない、のは当然ですよ~。悪い子な頭目のお尻には、まだまだ反省が必要ですね~。あと100回は叩いて差し上げましょう~」
「そ・・そんなぁぁぁぁ!!!」
絶望の声を上げる神楽のお尻に、容赦なく張のパドルが振り下ろされる。
その後、長い間、神楽の悲鳴が響いていた・・。


 同じ頃・・・。
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「う・・!くぅ・・!くっ・・!ううく・・!!」
苦悶の表情を浮かべながらも、近方は必死に耐える。
近方は机にうつ伏せになり、お尻を突き出している。
ズボンを降ろされ、むき出しにされたお尻に、容赦なく『精神注入棒』と刻まれた棒が叩きつけられる。
 バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「全く・・近方隊長、君ともあろう者が・・賊を取り逃がすなど・・」
「も・・申し訳ありません・・!!総督閣下・・!!く・・!?」
苦悶の表情を浮かべつつ、近方は総督に謝る。
神楽逮捕に失敗した罰として、注入棒による尻打ちを受けているところだった。
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!ババシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!シンッ!
「謝れば、よいというものではないのだよ?ヤツは開拓地の脅威なのだ。その脅威をのがしてしまうなど・・!!二度と失敗せぬよう、身に沁みて反省したまえ」
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
総督の非情な声と共に、近方のお尻に、容赦なく精神注入棒が叩きつけられる。
「くうっ!ああっ!くあああ!申し訳・・ありません!!くっ!ああっ!くあああ!!」
その後、長い長い間、お尻を叩く音と、近方の苦悶の声が響き続けた・・・。


 ―完―

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