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王国軍中尉ルチア・ルヴェル外伝2 刺客襲来



 「いよいよだ!同志諸君!」
男はビールを一杯あおると同志たちをグルリと見回した。
彼らは皆強い決意を秘めた表情を浮かべている。
「おぉ!皆覚悟は出来ているぞ!」
「そうだ!アメリカに目にモノ見せてくれようぞ!」
同志達は次々と気炎を上げる。
彼らは反米を掲げる過激派組織。
明日、彼らは王都内のアメリカ企業や大使館に対して数箇所で爆弾テロを行おうとしていた。
そのためにバーと宿屋を兼業しているこの店に集まっているのである。
 「よく言ってくれた!さぁ、明日に備えてたっぷりと食ってくれ!」
頭株の男の言葉と共に全員が再び料理に手をつけ始めた。
宴もたけなわという事態になりかけた頃、突然ドアが勢いよく開き、誰かが飛び込んできた。
飛び込んできたのは店の主人。
「どうした?」
主人の只ならぬ表情に頭目の男は異変を察知する。
「嗅ぎつけられました!?」
「何だと!?」
直後、激しい音と共に宴会用のほかのドアが破られ、ヴィクトール軍の将兵達が中へ入ってくる。
「おのれっ!!」
リーダーは叫んだかと思うと拳銃を引き出してぶっ放した。
それを皮切りにたちまち互いの銃が火を吹く。
あっという間に店内は修羅の巷と化し、あちこちで将兵とテロリスト達がぶつかり合い始めた。
 リーダーの男は数人の将兵を打ち倒すと、混乱に紛れて移動し逃げ出そうとする。
だが途中でサーベルを手にした若い士官と顔を鉢合わせた。
「くそっ!!どけっっ!!」
女と見紛うばかりの美貌をした士官の顔面めがけ、男は拳銃をぶっ放す。
だが、女顔の士官ことマウロ少尉はすかさず敵の攻撃を見切るや、身体を捌いて銃弾をかわす。
「なっ・・ぐっ!!」
二発目をぶっ放そうとしたところへマウロはすかさず詰め寄ったかとマウロは男の身体を駆け上がるようにして跳び上がり、踏み台にするような感じで男の腿や腹、胸に蹴りを叩き込んでゆく。
最後に思い切り顔面を踏みつけるようにして蹴りを叩き込んだかと思うとサーベルを繰り出して肩を突く。
切先が抜かれると同時に天井目がけてマウロの身体が飛んだかと思うとマウロは天井を軽く蹴って再び急降下する。
男の傍を急降下しながらすれ違ったかと思った瞬間、閃光が走る。
男が胴を押さえ苦しそうな表情になったかと思うと、男はそのままどう、と床に倒れ伏した。


 その数日後・・・中東某所。
清河は不機嫌な表情でむっつりと押し黙っていた。
(おのれ・・・これで何度目だ?)
清河は怒りを紛らわせるかのようにワイングラスを傾ける。
彼はヴィクトールの様々な組織に働きかけや援助を行い、アメリカに対するテロ活動を行わせようとしていた。
だが、そのための計画が察知されてしまい、援助や庇護を与えていた組織が数度に渡って検挙されてしまったのである。
おかげでヴィクトールやその周辺諸国における清河の野心・計画が大きく後退させられてしまった。
 「これもそれも・・・・」
清河は怒りを抑えかねる声で呟くと机上に視線を落とす。
机にはヴィクトールの傘下組織に調べさせたマウロ少尉の資料があった。
「この若造めがっっ!!」
清河は激昂するや、資料に同封してある写真を投げ上げる。
写真を投げたかと思うと拳銃を引き抜き、数回引き金を引く。
机上に再び落ちてきたときにはマウロの写真は穴だらけになっていた。
清河は憎々しげにマウロの写真を見ていたが、やがて卓上電話の受話器を取る。
「ああ・・。そうだ。奴を使え。何としてもマウロとか言う若造を抹殺するのだ!!」


 それから二週間ほど後・・・。
勤務が終わり、夕飯を食べようと通りを行くマウロの姿があった。
(ん・・・・・?)
通りを歩きながらふとマウロは何者かが後をつけていることに気付く。
気付かない振りをしてそのまま歩くが、尾行者はしつこくつけてくる。
しかも、途中で段々と数が増えているようだった。
 (ウゼェ奴等だな・・・・)
マウロは表情をやや険しくすると歩き続ける。
だが、少しずつ表通りを外れ、別の方へ向かっていった。
別の通りへ出たマウロはそのままの早さで歩き続ける。
やがてあるビルの前までやって来た。
そのビルは使われなくなっているらしく、外観からして荒れている。
そんな廃ビルへマウロは入っていった。
 「くそっ!気付かれたか!」
マウロの後を追っていた男達はそういうと懐や腰に呑んでいた拳銃を抜いて中へ入ってゆく。
「どこだ・・・どこ行った・・・」
緊張した面持ちで踏み込むや、暗い中で男達はマウロの姿を探す。
 「おい・・・・」
不意に人影らしいものが現れ、声をかけてきた。
男達はハッとするや、一番近くにいた一人がマウロに銃口を向ける。
だが、それと同時にマウロの手がサーベルにかかったかと思うや、鞘から閃光が迸る。
「うわあっっ!!!」
抜き打ちを仕掛けられ、悲鳴と共に男は倒れる。
男が倒れるのを合図にしたかのようにマウロが男達の中へ飛び込んで。
意思を持ったかのようにサーベルが乱舞し、マウロが立ち止まったかと思うと全員、ドサッと床に倒れ伏した。
 「ちっ・・・。全然骨の無ね奴らだな・・・」
相手の雑魚振りにマウロは舌打ちする。
「う・・・くぅ・・・・」
一人が傷が浅かったためか、這ってその場から逃げ出そうとしていたが、マウロはその男を背後から首根っこを掴むや引き起こした。
 「おい!何だって俺を狙った!」
マウロは男を引き起こすや尋問する。
「だ・・誰が・・話す・・・」
男は拒否しようとしたが、マウロはサーベルを咽喉元に突きつける。
「このまま引き切ってやろうか?おおっ?」
男はマウロが不機嫌極まりない表情を浮かべ、全身から殺気を立ち昇らせていることに気付く。
(本気だ・・・)
それに気付くや、男は背筋に悪寒が走った。
拒否したら殺される、それを覚るや男の口は呆気なく開いた。
 「め・・命令だ・・う・・上からの・・・。お前を殺せと・・・」
「誰からだ?」
「そ・・それは・・・うぐうっ!!」
突然、男が苦悶の表情を浮かべたかと思うとグッタリしてしまう。
マウロはハッとして男を前後にひっくり返してみると背中に投げナイフのようなものが刺さっていた。
直後、黒く塗った投げナイフが数本飛んでくる。
マウロは剣を振るって叩き落とすや、ボールのように転がって外へ出る。
通りへ出るや、実を低くしたまま、あたりを見渡した。
 (どこだ・・?どこにいやがる・・?)
マウロは剣を構えたまま周囲を見回す。
確かに気配を感じたが、姿は全く見えない。
 突然、マウロは背中に寒気を感じた。
本能的にサーベルを背中へ回した瞬間、甲高い音と共に刃を通して手首に衝撃が走る。
敵の攻撃を剣で受け流すと同時に振り返りながらマウロは左裏拳を繰り出した。
闇の中で敵が確かに己の腕で受け止めたのを感じた瞬間、マウロは顎に突き上げるような衝撃を感じる。
足元の感覚が無くなったかと思うと、マウロの身体が宙に浮いていた。
 ドゴゴゴオオッッ!!!
マウロは胸、みぞおち、下腹部に強烈な打撃を叩き込まれるや、猛烈な勢いで吹っ飛ばされる。
激しい音と共にマウロは電柱へ叩きつけられた。
「ぐぶっ・・・ごはぁっ・・・」
マウロは苦痛に咳き込み、身体を曲げる。
胸がズキズキと痛み、骨にヒビがいっているかもしれないと思えた。
だが、苦痛に呻いているヒマなどマウロにはなかった。
マウロが殺気を再び感じるや、サーベルを薙ぎ払う。
漆黒の虚空の中で白刃が一閃したかと思うと、暗闇の中でガッキと何かにぶつかった。
すかさずマウロが膝蹴りを叩き込むや、服と腹の肉の感触を感じる。
(今だ!!)
マウロはすかさず片足を踏み出すや思いっきりサーベルを繰り出す。
だが、空中で何かにぶつかったかと思うや、甲高い音と共に火花が散る。
その微かな火花が闇に紛れる漆黒の刃を一瞬だけマウロの目に見せた。
 突然、剣がグルリと回転したかと思うや、同時にマウロの身体も回転しながら宙に浮く。
(返してきやがった!)
マウロは電柱の突き出しに己の足を引っかけるや、それを支えに逆回転し、相手の巻き込みを相殺して逃れ出る。
逃れたかと思うや今度は電柱を蹴って飛び込み、横薙ぎに斬りつける。
だが、敵もそれを見切るや、黒塗りの投げナイフを飛ばして牽制しながら後ろへ飛び退く。
飛び退いたかと思うと敵は再び闇の中へ溶け込んでしまった。
 (なるほど・・・。闇に紛れてやがったわけか・・・)
先ほどの様相からマウロは見当をつけた。
襲撃者は全身を忍者服のような闇に完全に紛れる衣服で覆い、武器も闇に溶け込むものを使っているのだ。
だから見えない敵が襲ってきたように感じたのである。
(俺としたことが・・・)
マウロは自身を叱咤すると頭を冷やし、周囲の気配を探る。
あらゆる感覚を総動員して敵の位置を掴みにかかった。
(目に・・・頼るな・・・)
マウロは耳と鼻、皮膚の感覚を研ぎ澄ます。
やがて、微かだが相手の息遣いが聞えてきた。
本能的にマウロが後ろを振り向くや、闇に向かって振り下ろした。
 ギィンッ!
激しく鋼同士がぶつかり合う音と共にポロリと折れる音がする。
マウロは敵の一瞬の動揺を感じるや、一気に相手の懐へ飛び込んだ。
飛び込んだかと思うや、マウロは膝蹴りを敵に叩き込む。
相手が身体を折ったのを感じると同時にマウロはバク転しながら蹴り上げた。
顎を思い切り蹴飛ばされ、敵は空中へ浮き上がる。
「ハッ!」
短い気合と共にマウロはロケットの如き勢いで浮いた敵に向かって突進する。
そしてすれ違い間際に一閃を繰り出した。
 直後、敵は勢いよく吹っ飛び、廃ビルの壁に叩きつけられる。
(あの感触は・・・)
マウロは空中で敵の胴に刀身をたたきつけた瞬間、違和感を感じていた。
壁に叩きつけられた衝撃で路上に倒れている敵の身体を見てみると、破れた服の下から着込みが見えていた。
(やっぱりそうかよ・・・・)
マウロは鎖帷子を見て納得する。
だが、少なくとも打撃で相当の衝撃を与えていた。
実際、相手はウンウン呻いている。
 「おい・・・」
マウロは刺客に切先を突きつけるや、声をかけた。
「テメェ・・一体何者だ?」
「フフフフフフ・・・。俺がしゃべるとでも思っているのか?」
刺客は覆面の下から嘲笑するように言う。
「随分余裕だな」
「クックックッ。さあてなぁ・・・」
マウロは相手の余裕綽々な態度にカチンと来る。
「おい!いい加減にしろよ!このまましょっ引いてやる!」
「貴様のような若造に出来るかな?」
「んだとっ!なめんなあっっ!」
マウロは激昂のあまり、サーベルを振り下ろす。
だが、あわや頭を切り割るかと見えた瞬間、苦痛に呻いているはずの男が白刃取りで受け止めてしまった。
同時に男がマウロの顎を思いっきり蹴り上げる。
衝撃でマウロは仰け反るようにして吹っ飛ばされ、地面に背中から叩きつけられた。
 「フフフフフ・・・・冥土の土産だ・・。若造・・・。俺の真の姿を見せてやろう・・」
男はそう言ったかと思うと、深呼吸を始める。
「むうん・・・むううううううんんんんんんんっっっっっっっ!!!!」
男の気合と共にビリビリと男を闇に溶け込ませていた服が破けはじめた。
そのため、闇の中に痩身の身体が微かに見える。
だが、その身体は筋肉が盛り上がったかと思うと身長も高くなる。
男の身長が優に2メートルを超えたかと思うと、さらに変化が生じ始めた。
顔やこめかみがグングンと突き出し始めたかと思うと、顔は牛のようになり、内側に曲がった大きな角が生える。
やがて、男は牛の頭に筋骨たくましい男の身体を持った異形の姿に変身した。


 「てめぇ!清河のところの遺伝子改造人間か!」
マウロは異形の姿を見るやそう叫ぶ。
このような異様な変身は特殊な遺伝子改造手術でも行わなければ不可能だったからだ。
そしてそういった超ハイテク技術を持っている組織はそう多くはない。
清河の組織がそういった技術を持っている代表的な組織だった。
「いかにも。我こそは清河首席同志配下の遺伝子改造人間ミノトン!」
「ミノトンだぁ?ミノタウルスのつもりかぁ?」
マウロは名前と怪人の容貌からそう見当をつけて挑発するように言う。
「いかにも・・・だがミノタウルスなど俺には遠く及ばぬぅぅぅ!!!」
そう叫ぶや、怪人ことミノトンは猛烈な勢いで突進してきた。
あっという間に岩のような巨体が迫ってくる。
 「ぐあっ・・・!!」
マウロは完全には避けきれず、すれ違いざまに吹っ飛ばされてしまう。
「くそっ・・あの野郎っ・・・」
マウロはヨロヨロと起き上がるが、そこへすかさずミノトンが角を突き出してくる。
「フンフンフンフンフンフンフンフンフンッッ!!!」
「ぬがぁぁぁっっっ!!!!」
角と刃が激しくぶつかり合い、火花を散らす。
マウロの腕と剣は一体と化し、別の生き物になったかのように縦横無尽の動きを見せる。
だが、ミノトンの方も巨体からは想像できぬ俊敏な動きで全身を巧みに捌き、マウロのサーベルを悉く防いでしまう。
「しまっ・・・」
不意にマウロは舌打ちした。
腕をミノトンの角に巻き込まれてしまったのだ。
マウロの右腕をうまく巻き込むことに成功するや、ミノトンは思いっきり上体を起こす。
マウロはそれにつられて空中へ投げ上げられる。
「ぬううん・・・ウォォォォォォォォ!!!!!!」
気合と共にミノトンはミキサーさながらの勢いで上体を回転させ始めた。
その勢いでマウロも振り回されてしまう。
(ぐ・・・くく・・・・)
二本の角に回転しながら幾重にも叩きつけられ、マウロの腕は砕け散ってしまうかと思えるほどの苦痛に襲われる。
同時に目茶苦茶に振り回され、平衡感覚がおかしくなってしまう。
そのうち、吐き気と思しきものが咽喉へこみ上げてきた。
やがて、マウロはダメ押しの一振りで宙高く投げ出される。
マウロを投げ出すや、ミノトンは陸上選手のスタートダッシュに似た体勢を取った。
 平衡感覚を乱されたため、そのまま間抜けたように落下してくるマウロをジッと見つめていたかと思うと、突然地面を蹴り、ロケットのようなスピードと勢いでマウロ目がけて突進した。
トラックが激突したような音と共にマウロが回転しながら吹っ飛ばされる。
踵を変えたかと思うや、今度はミノトンは正反対の方向に向かって突進し、落ちてくるマウロをふっとばす。
ミノトンが往復するたびにマウロの軍服は角の先端で切り裂かれ、タックルの衝撃で身体に打ち身が出来る。
十数回に渡って往復したのち、ようやくミノトンが止まったかと同時にドオンッッ!という轟音と共にマウロが道路へ叩きつけられた。
 着地点には半径1メートル以上、深さは30センチは優にありそうなクレーターが生じている。
「ゴボッ・・ガハッ・・グブッ・・ゴブゴボゴホオッッ」
不治の病にでもかかったかのように、マウロは激しく咳き込む。
引き裂かれた軍服の下からは細長い赤い筋が見えていた。
マウロは剣を杖にして立ち上がるも、その足取りはどこかふらついてしまっている。
「ふふん・・さすがに俺の『タックル・ウェイブ』は効いたようだな」
「う・・うるせぇ・・こんなの・・屁でもねえよ・・・」
マウロはミノトンの幾重にも押し寄せる波のようなタックル攻撃に対して強がりを言うものの、効いているのは明らかだった。
「まあいい・・・だが・・これで最後だっ!死ねぃっっっ!!」
叫ぶと同時にミノトンは角を振りかざしたかと思うと、切先を向けて全力で突進する。
だが、マウロは逃げずに片膝をついて地面に座り込む。
「フハハ!死を覚悟したかっっ!!」
突撃しながらミノトンは勝利を確信する。
マウロはそのままの体勢でサーベルを鞘に収め、腰に引きつけた状態でジッと待つ。
そして怪人の角がマウロに達しようとしたそのときだった。


 突然、マウロの鞘から真っ蒼な閃光が迸った。
同時にマウロはコマのような勢いで回転する。
「『回龍昇(かいりゅうしょう)』ッッッ!!!」
叫ぶと同時に光の龍がマウロの全身に巻きつき、コマのように高速回転しながら飛びあがった。
「ぐっ・・ぬうおっっ!!」
マウロはミノトンを巻き込んで飛ぶ。
闘気を纏った刀身が回転しながら幾度も叩きつけられる。
さすがのミノトンもこれにはこたえたらしく、空中で回転が止まったときには苦痛の表情を浮かべていた。
だが、攻撃はこれで終わったわけではなかった。
マウロは滞空状態でミノトンを思いっきり片足で蹴り上げ、さらにその衝撃で浮かびあがりつつあるミノトンの腹をもう片方の足で蹴り、近くの電柱まで飛んでゆく。
「生憎だな・・何度も往復すんのはなぁ、テメェだけの専売特許じぇねえんだよ!くらいやがれ・・・『九龍撃(くりゅうげき)』ッッ!!」
叫ぶと共にマウロは電柱を蹴って空中のミノトン目がけて飛んでゆく。
ミノトンとすれ違うや、マウロは闘気を纏った剣で斬りつける。
闘気は青い龍の姿をしており、さながら龍がその身を曲げて襲いかかったように見えた。
相手の身体を切りつけたかと思うと、マウロは反対側の電柱まで飛んでいた。
再び電柱を蹴って飛び向かうと、同じように龍の闘気を纏った剣で斬りつける。
それを4往復、つまり八回飛んでは斬るという行為を繰り返した。
 「これで・・・トドメだぁっっ!!!」
マウロはそう叫ぶや、今度は突きの体勢でドリルのように高速回転しながら飛んでゆく。
やがて空中のミノトンとすれ違うや、ミノトンの巨体が回転するマウロに巻き込まれる。
巻き込まれたミノトンはマウロが刀身と全身に纏った龍形の闘気でもろに全身を削られるような攻撃を受けた。
「ごぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」
鈍い音が何度もしたかと思うとミノトンは弾き飛ばされ、道路に叩きつけられる。
回転が止まったと思うや、マウロはふわりと着地する。
 「お・・おのれ・・・無念・・・・」
ミノトンは激しく数回咳き込んだ後、ヨロヨロと立ち上がりかけたが、全身にピシピシッとひび割れが走ったかと思うや、爆風と共に木っ端微塵に吹っ飛んだ。
 「ハァ・・・ハァハァハァ・・・」
マウロはようやくホッとしたように息を吐く。
「フンッ・・・!千年早いんだよ!この牛野郎っっ!」
マウロはキッとミノトンだった灰を睨みつけるとサーベルを静かに納める。
そして再度一瞥をくれたかと思うとその場を立ち去った。


 ―完―
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