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恋の代償



 バシィ!バアンッ!バアンッ!
「うっ・・!くっ・・!はあ・・っ!」
年頃の男の子の苦痛に喘ぐ声と、肌を打つ音が懺悔室内に響き渡る。
声の主は18歳くらいの青年。
青年は薄い茶色の髪に大きな黒い瞳の持ち主。
灰色に近い色のシャツに一番下が黄色のワインレッドのネクタイ、黒のズボンといった制服姿がこの学校の生徒であることを示していた。
この若者の名はアンリ。
ここ聖ステファノ神学校で聖職者としての道を目指す生徒の一人だった。
 だが、アンリは今、奇妙な状況に置かれていた。
神学生は彼より年上だが、若い女性の膝の上に乗せられてお尻を丸出しにしていた。
そのお尻はといえばほんのりと赤く染まっている。
しかも、お尻には女性の平手が振り下ろされ、甲高い音を弾けさせるたびにお尻の赤みをさらに濃くしていた。
 「さぁ、懺悔なさい。そして、自分の過ちを認めなさい」
厳しい声で言い聞かせながら、その女性は膝の上に乗せている若者のお尻を叩く。
アンリを叩いている女性は黒い修道服に白い線が入った黒い被り物を纏っている。
彼女はユリアといい、この神学校で教師を務めている聖職者の一人だった。
 「い・・嫌です・・絶対に・・・」
アンリは痛みに顔を顰めながらも、修道女に答える。
「強情な子ですね。それではまだ反省が必要ですね」
ため息をついたかと思うと、彼女は再び平手を振り下ろした。
それにしても、どうしてこのようなことになったのか?
話は今から30分ほど前にさかのぼる・・・。


 キィンコォンカァンコォン。
ベルが鳴ると同時に礼拝堂から生徒たちがドッと出てきた。
夕べの祈りがちょうど終わったところだったのだ。
この後、生徒たちは学生食堂で夕飯を食べたり、或いは風呂に入る。
そして、遼の自室に戻るのだ。
アンリも同様で夕飯を済ませようと学生食堂に向かっていたところだった。
 「おーい、アンリ~」
不意に誰かに呼び止められ、アンリは立ち止まった。
すると同室の生徒が向こうから近づいてくるのが見えた。
「あれ?ジョージじゃないか?どうしたの?」
「ああ、お前に伝言」
「伝言?誰から?」
「シスター・ユリア」
名前が告げられた瞬間、アンリは雷にでも打たれたかのように立ち尽くした。
だが、すぐに我に返る。
「シスター・ユリアから?本当?」
「ああ。すぐに懺悔室に来いって」
「懺悔室に?どうして?」
「さぁ。俺も知らないけど。アンリ、まさかお前何かしたのか?」
「ち、違うよっ!多分誤解だってば!」
アンリは慌てて否定する。
「そっか。とにかく伝えたからな」
「うん。ありがとう」
アンリはそういい置くと身を翻して懺悔室の方へ向かっていった。


 「失礼します・・・」
懺悔室にやって来たアンリはそう言ってドアを開けるも誰もいない。
どうやらアンリの方が先に来たようだ。
(何の用だろう・・・もしかして・・・)
ルームメイトには否定したが、アンリは一つだけ思い当たる理由があった。
途端にドキンドキンと心臓が高鳴ってくる。
(早く・・来ないかな・・・)
心臓をドキドキとさせつつ、アンリはユリアがやってくるのを待つ。
やがて、足音が近づいてきたかと思うと、扉がきしむ音がする。
アンリが振り返ってみるとユリア修道女の姿がそこにはあった。
 「シスター・ユリア・・・」
名前を呼びかけてアンリは口をつぐむ。
ユリア修道女の表情はどことなく厳しいものだったからだ。
それが、これからの状況について何かかんばらしからぬものを感じさせた。
 「アンリ・デュヴォワですね?」
「は・・はい・・」
修道女の問いにアンリは大人しく返事をする。
「自分が何故呼ばれたかわかりますか?」
「し・・シスターへの・・僕の手紙の・・ことですか?」
緊張した面持ちでアンリは尋ねる。
「そうです。どうやらよくわかっているようですね。それならば、自分が何を仕出かしているかもわかっていますね?」
シスター・ユリアは厳しい声で問いかける。
余りにも厳しい調子にアンリは最初持っていた期待感がしぼんでゆくのを感じた。
「シスター・ユリア・・・。ぼ、僕は・・ただ・・・気持ちを・・伝えたい・・と思っただけです・・正直に・・・」
「だから・・手紙を私に出したというのですか?」
「はい・・・」
アンリはシスター・ユリアに対して手紙を送っていた。
手紙の内容はいわゆるラブレターだ。
自分の気持ちを嘘偽り無く、正直に書いたものだった。
 「アンリ君」
ユリア修道女は冷たい厳しい口調で目の前の生徒に呼びかける。
「私が何者だかわかっていますか?」
「しゅ・・修道女です・・」
「そうです。私は神に身を捧げることを誓った身ですよ?勿論、君くらいの年の子が誰かを好きになるのは私にもわかっています。でも、私は君の気持ちに答えることは許されていません。それに・・・」
一旦言葉を切ると、ユリア修道女はジッとアンリの目を見据えた。
「君も聖職を目指しているのでしょう?ならば自分の行為が許されないことだというのはわかっていますね?」
「そ・・それは・・・」
アンリはシスターの言葉に言いよどむ。
彼も頭では無論わかっていた。
 この神学校はカトリック系でアンリが目指しているのもカトリックの聖職者だった。
プロテスタントとは異なり、カトリックでは聖職者の結婚や恋愛は御法度である。
しかし、頭ではわかっていても、心というのはどうにもならないもの。
アンリはいけないこととは思いつつもどうしても気持ちを押さえられなかった。
 「シスター・ユリア・・・許されないことだとは・・わかってます・・。でも・・でも、シスターのことが好き・・なんです・・・」
苦渋に満ちた表情で、跳ね除けられるのはわかっていつつもアンリは告白をした。
 「その気持ちを・・改めるつもりはないのですか?」
「は・・はい。何があっても・・・」
「では、仕方ありませんね。許されない思いを抱く生徒には罰が必要ですね」
「ば・・罰・・?」
修道女の問いにアンリは恐怖と嫌な予感を感じ、後ずさりそうになる。
修道女は二つの椅子を用意すると横に並べ、一方の椅子に腰かけた。
 「さぁ、早く来なさい」
ユリア修道女は椅子に座ると厳しい声で生徒に命令した。
アンリは不安におずおずと後ずさろうとする。
「アンリ君!私を本気で怒らせたいのですか!」
シスターが眉をひそめ、声も表情も険しくなる。
このまままごついているとまずい事になると思ったのか、アンリは慌ててシスターの傍へ駆け寄った。
 「アンリ君、さぁ、ここに来なさい」
シスター・ユリアはそういうと膝を指し示した。
「え・・?こ、ここって?」
アンリは修道女の言っていることがよく飲み込めず、思わず怪訝そうな声を出す。
「え?ではないでしょう!早くしなさい!」
修道女はそう叫んだかと思うや、男子生徒の右手首を掴む。
アンリが気付いたときには、両肘をもう一つの椅子についた状態でユリア修道女の膝の上に乗せられていた。
 突然、アンリはお尻が冷やりとするのを感じた。
慌てて後ろを振り返ってみると、シスター・ユリアが制服のズボンに手をかけて降ろしているではないか。
あっという間にアンリは白いブリーフごとズボンを膝の辺りまで降ろされてしまい、お尻が丸見えになる。
 「なっ・・何してるんですか!シスター!」
思いも寄らぬ事態にアンリはつい抗議する。
「決まっているでしょう?君を処罰するためです」
「そ・・それと・・お尻出すのが何の関係があるんですか!?」
顔を羞恥で赤くしながらアンリは声をあげる。
「アンリ君・・・君は許されない思いに捕らわれています。君のような子にはただ口で説教しただけでは効き目がありません。ですから、厳しく罰します。もっとも・・素直に許されない思いを捨てて懺悔すればそれで終わりですが」
ユリア修道女は最後通牒を突きつける。
「い・・嫌です・・。痛い思いをしても・・シスターへの気持ちは捨てません・・」
シスターの容赦のない通告にアンリはあくまで自分の思いを通そうとする。
「仕方ありませんね。あまりこういうことはしたくはなかったですが・・・。では、覚悟なさい」
シスター・ユリアはため息をついたかと思うと、ゆっくりと左手を振り上げた。


 バアシィンッ!
「くうっ!」
細い女性の身体からは想像できない強い平手打ちに、思わずアンリは苦痛の声を漏らし、目をつぶりそうになる。
バシィンッ!パアンッ!ピシャアンッ!ビシリィ!
「あっ・・!うっ・・!ひゃあっ・・!あうっ・・!」
一打ごとにお尻に痛みを覚え、アンリの口から声が漏れ聞える。
(うぅ・・・まさか・・お尻を・・叩かれるなんて・・・)
戒律に背く行為である以上、叱責を受けることは予想していた。
だが、まさか小さな子供のようにお尻をぶたれるなどとは思ってもいなかった。
いくら自分の思いや行為が処罰や叱責の対象になるものであるとはいえ、これはさすがに辛いものがある。
あまりの恥ずかしさや屈辱感にアンリは両頬が赤く染まり、目尻に涙が浮かんでくる。
「痛いのですか?でも、痛い思いをするのは君が悪いのですよ。さぁ、許されない思いを抱いた過ちを認め、懺悔しなさい」
屈辱感に打ち震えるアンリに、さらなる追い討ちのごとくシスター・ユリアの厳しい言葉がかけられる。
 バシィンッ!バアンッ!ピシャアンッ!バアンッ!
「うっ・・!くっ・・!あっ・・!うくっ・・!」
バアンッ!バシィンッ!ビタアンッ!ビシャアンッ!
「ああっ・・!ううっ・・!痛っ!・・痛いっ・・!」
ビタアンッ!バアシィンッ!バアンッ!ビシャアンッ!
「うくうっ・・!ううぅっ・・!痛っっ!うくぅぅっ・・・!」
ユリア修道女の平手打ちが何度も何度もアンリのお尻に叩きつけられる。
一打ごとにお尻が赤みを帯びてゆき、ついにはお尻全体が朱色に染まる。
アンリ自身も苦痛に耐え兼ねだしたのか、表情が苦しげになり、時々目から涙を床にこぼしていた。
 「さぁ、いい加減に過ちを認めたらどうなのです?」
中々懺悔の言葉を言わないためか、シスター・ユリアはお尻を叩く手を中断してアンリに促した。
 「い・・嫌です・・・」
アンリは苦しげな表情をしつつも、首を横に振る。
「何故です?自分が正しいとでも思っているのですか?」
「そ・・そうじゃ・・ありません・・でも・・僕は・・自分の気持ちを・・否定したくない・・んです・・。自分の・・気持ちを・・偽るような・・ことは・・したくないん・・です・・何があっても・・・」
「君という子は・・強情ですね・・。もっと・・罰が必要なようですね」
呆れたようなため息をつくと、再びシスター・ユリアは手を振り上げた。
 バアンッ!バシンバシンバシンバシンバシンバシンバシンッッ!
パァンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッッッ!!
「くっ・・・痛っ!ああああっっっ!」
どしゃ降りの雨が地面に叩きつけられるかのような勢いでシスター・ユリアの平手がアンリのお尻に襲いかかる。
嫌というほどアンリのお尻に平手が降り注ぎ、お尻の色を朱色からワインレッドへ染め替えてゆく。
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!!
バシバシバシバンバンバンバアンバァンバンバンバンバンバンバンッッッ!!!
「ううっ!くっ!ひゃっ!ひっ!あうあっ!ひゃああうぅぅぅ!!!」
アンリは苦痛の声を上げ、背もたれの無い椅子に乗せた両手をしっかりと掴み合わせると、ギュッと握り締める。
バァンバァンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンバチンッッ!!
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッッッ!!!
「ふうっ・・ううう・・ふうあっ・・うううぅぅ~~~」
耐え切れなくなったのか、アンリはボロボロと涙を床に零す。
額には脂汗がじっとりとにじみ出していた。
 「さぁ、もう懲りたでしょう?いい加減に間違った思いを捨て去りなさい」
助け舟を出すかのように、シスター・ユリアは話しかける。
ユリア修道女とて、別に苦しめたいわけではない。
だが、アンリが自分の思いを捨て去ろうとしない限り、許すことは出来ない。
 「い・・嫌・・です・・。し、シスター・・お、お願い・です・・。か・・神様・・よりも・・ぼ・・僕を選んで・・下さい・・ぼ・・僕の・・気持ちを・・わかって・・下さい・・うぅう・・」
アンリの言葉にユリア修道女は思い切り眉をしかめた。
「いい加減にしなさい、アンリ君。まだそんなことを・・・今度言ったら鞭ですよ?」
これ以上ないくらい厳しい声でユリア修道女は言葉を突きつけた。
「む・・鞭で・・ぶたれても・・ぼ・・僕の気持ちは・・変わり・・ません・・お・・お願い・・です・・・」
ハァハァと荒い息をし、両肩を小刻みに上下させ、両目に涙を浮かべた状態で哀れっぽい声でアンリは懇願する。
これが他の女性だったならば心を動かされただろう。
だが、相手が悪すぎた。
ユリア修道女は今までよりもずっと険しい表情になったのだ。
「あ・・あなたは・・私に・・誓いを破れ・・というのですか?私に背教者になれと・・」
「そ・・そんなっ・・つもり・・じゃ・・」
アンリは自分がシスターの逆鱗に触れてしまったことに気付く。
 修道女や修道士は正式にその資格を認められるとき、厳しい誓願を立てる。
それを破ることは背教者となることを意味する。
アンリの望みはユリア修道女にとっては、まさに背教者になれといっているようなもの。
たとえアンリが若気の至りで言っていることであっても、絶対に許せないことだった。
 「もう・・・許せません。アンリ君、覚悟しなさい」
修道女はそう言うや、椅子の背に下げられている鞭を取り出した。
鞭は真っ直ぐな乗馬鞭に近いものだ。
「これで・・君の許されない思いを完全に心から追い出します。さぁ、懺悔するなら今のうちですよ」
シスターの心底からの怒りにアンリは恐怖を覚える。
思わず、アンリは謝ってしまおうかととっさに考えた。
だが、次の瞬間、その考えを打ち消す。
どんな辛い目にあっても、自分の気持ちを偽ることだけは嫌だった。
「い・・嫌です。懺悔なんか・・しません!」
恐れおののきつつ、アンリは言い切った。
「そうですか。ならば、もう容赦はしません」
シスター・ユリアはそういいやるや、鞭を振り下ろした。


 バアシィ―――――ンンンン!!
バチィ―――――ン!!ビタァ――――――ン!!バアッシ―――――ンン!!
「~~~~~~~~~ッッッ!!!!」
平手などとは比べ物にならない苦痛にアンリは声も出ない。
まるで、焼け火箸を思い切り押し付けられたような痛みと熱さをお尻に感じた。
バシィ――――ンンンン!ビタァ―――――ンンン!ビシリィィィィィィィ!
「うっ・・うわあああああんんん!痛ぁああああいいいいい!ひひゃあああああ!!」
もはや、恥も外聞も無くアンリは小さな子供のように泣き叫ぶ。
バアッシィ―――――ンンン!!
ビッタアァ―――――ンンン!!
ビタァァ―――――――ンンン!!
ビシャア―――――――ンンン!!
「うわああああ!ひぃひいいいい!きゃあああああ!!!」
アンリはズボンが絡まるのも構わず、両脚を激しくバタつかせる。
「暴れるんじゃありません!聖職を目指す身でありながら!しかも、他人を背教させるようなことまでしようとして!たとえ若気の至りでも絶対に許しませんっっ!!」
シスターは怒りの声と共に容赦なく鞭を振り下ろす。
鞭は一撃ごとに筋をアンリのお尻に刻みつけ、お尻を熱する。
「うわあああああ!ひぎぃぃぃぃぃ!!うううううああああ!!!」
鞭打ちの猛烈な苦痛にアンリは背を仰け反らせかける。
やがて、彼の視界が真っ暗になったかと思うと、そのまま意識を失ってしまった。


 うっすらと目を開けると、白い四方の壁が目に入った。
はっきりと目を開き、アンリは自分が保健室にいることに気付く。
「あ・・っ!!痛っっ!!」
起き上がりかけて、アンリは激痛に顔を顰めた。
ベッドの上でうつ伏せになったまま、アンリは後ろを振り返ってみる。
するとむき出しにされて氷袋を乗せられたお尻が目に飛び込んできた。
 お尻は真っ赤に染まった上に倍以上の大きさに腫れ上がっている。
おまけに目茶苦茶に畝を刻みつけたかのように、鞭の跡が縦横無尽に走っていた。
そんな様を見ると、よくもまあ耐えられたものだと我ながら驚く。
 (でも・・結局・・シスターには僕の気持ちを受け入れてもらえなかった・・・)
動かしようのないこの事実にアンリは一瞬目の前が真っ暗になる。
(でも・・僕は・・自分の気持ちを偽ったりは出来ない。せめて・・この思いは大事に胸に抱えていよう)
アンリはそう決意すると、再び目を閉じた。

 ―完―
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theme : 自作小説
genre : 小説・文学

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