潜入捜査の果てに(エルレイン/七緒・砕蜂)



(テイルズ・BLEACH共演パロです。許容できる方のみ、ご覧下さい)


 砕蜂と伊勢七緒が同じ隊の世界でのお話・・・。


 「お呼びですか、砕蜂隊長?」
敬礼をしながら、伊勢七緒は砕蜂に尋ねる。
「うむ、今回はお前にやってもらいたい任務があるのでな」
「どんな任務ですか?」
「潜入捜査だ。エルレインの大聖堂に、潜入して欲しい。実はな・・・」
砕蜂は大聖堂で何か法に触れる行為が行われている疑いがあることを話す。
「なるほど。何が行われているのかを探り出し、その証拠を手に入れればよいのですね?」
「そういうことだ。頼んだぞ」
「わかりました。お任せ下さい」


 それからしばらく経ったある日・・・・。
(とは言ったものの・・・・)
七緒は難しい顔をしていた。
 確かに、胡散臭い人物が時々、出入りしている。
中には、警察のリストに載っている者もいた。
しかし、それだけでは、違法行為をしていることにはならない。
(もう少し探ってみて・・。何も出なければ、一度引き上げた方がいいかもしれないわ)
七緒はそう考える。
何も出ないのに、ずっといても意味は無いからだ。
 「七緒さん、ちょっといいですか?」
不意に呼びかけられ、七緒は振り返る。
すると、捜査の中で知り合いになった、大聖堂付属図書館の司書の姿があった。
「あら?どうしたのですか?」
「エルレイン様がお呼びです。至急、執務室まで来てほしいと」
「わかりました。すぐに行きます」
七緒はそう返事をすると、すぐに、エルレインの元へと向かっていった。
 「待っていましたよ。よく、来てくれましたね」
執務室に現れた七緒に、エルレインは微笑を浮かべて言う。
「それほどのことでもありません。それより、何かご用ですか?」
「ええ。実は、あなたに見せたいものがありましてねぇ」
「見せたいもの?何ですか?」
エルレインは笑顔で、あるものを見せる。
直後、七緒の表情が、凍りついたように、強ばってしまった。
 「こ・・これは・・!?」
エルレインが見せたのは、書きかけの、砕蜂への報告書。
もちろん、見つかってはならないもののため、しっかりと隠しておいたものだ。
「これについて、ちょっと話を聞きたいと思いましてねぇ。もちろん・・嫌とは言いませんよね?」
エルレインは微笑を浮かべているが、目は笑っていない。
その目には、拒否や誤魔化しなど通じない凄みがあった。
その凄みに、七緒は屈服してしまう。
「わ・・わかりました・・」
七緒は力ない声で返事をする。
もはや蛇に睨まれた蛙状態の七緒に、逆らう気力は無かった。


 次の日・・・・。
大聖堂前の広場に、大勢の信者が集まっていた。
「皆さん、よく来てくれました。感謝します」
壇上に現れたエルレインは、集まった信徒に、礼を言う。
 「先日、大聖堂にあらぬ疑いをかけ、スパイ行為をしている者を捕えました。この者です」
エルレインが言うと共に、兵士達が、七緒を連行してくる。
「く・・!は、離して・・!!」
七緒は抵抗するが、兵士達にしっかりと押さえつけられている。
 「彼女は大聖堂で、犯罪行為が行われているなど、というとんでもない疑いをかけた上に、大聖堂のことをスパイしていたのです。これはとても許せるものではありません。皆さんはどうですか?」
エルレインの問いかけに、信者たちも賛同する。
「そこで・・・今から、皆さんの目の前で、彼女に、お尻ペンペンの刑を執行します」
エルレインの言葉に、信者たちから、歓声が上がる。
「な・・!?そ、そんな・・!?」
対して、七緒は顔をこわばらせる。
こんな大勢の目の前で、お尻ペンペンなど、恥ずかしいなどというものではない。
「さぁ、いらっしゃい」
エルレインが手招きするが、当然、七緒は抵抗する。
だが、エルレインが許すはずも無い。
兵士達に、無理矢理にエルレインの元へ引っ立てられ、エルレインの膝に乗せられてしまう。
エルレインは、七緒を膝の上に乗せると、袴を降ろす。
あっという間に、七緒のお尻が、丸見えになってしまう。
 「ああ・・!?」
お尻を丸出しにされた羞恥で、七緒は顔を真っ赤にする。
「ほほほ、何とも恥ずかしい格好ですねぇ。こんな大勢の目の前で、お尻丸出しなんてねぇ」
痛いところをさらに突かれ、七緒は全身を震わせる。
「さてと・・・。スパイなんかする悪い娘のお仕置きを、始めましょうか」
エルレインは笑みを浮かべると、七緒の身体をしっかり押さえる。
そして、ゆっくりと手を振り上げた。


 バアチィ―ンッッ!!
「きゃああ!?」
強烈な打撃音と共に、エルレインの手が、七緒のお尻に叩きつけられる。
パァンッ!パシンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!
最初に一撃よりは弱めな打撃が、今度は間髪入れず、連続して、七緒のお尻に、降り注ぐ。
ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!
「全くっ!あなたという子はっ!本当に悪い娘ねっ!!」
七緒のお尻を叩きながら、エルレインは、子供に対するような口調で、叱り始める。
言葉でも、さらなる屈辱を与えるためだ。
 ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!
「人にあらぬ疑いをかけて!しかも、スパイなんてして!!そんなのは、悪い子のすることでしょうっ!!メッ!メッ!メッ!!」
エルレインは七緒のお尻に、赤い手形を、容赦なく刻みつけてゆく。
 「きゃああっ!痛っ!きゃあっ!ああっ!痛っ!いやぁぁ!きゃああ!!」
エルレインがお尻を叩くたび、七緒は悲鳴を上げてしまう。
生真面目で、仕事をきちんとこなすタイプの為、お仕置きをされた経験があまりない。
そのため、早くも限界を迎えてしまう。
「いやあっ!ゆ、許して下さいっ!!痛っ!いやあっ!やめてっ!きゃああ!!」
七緒は、目尻に涙を浮かべて、許しを乞う。
「ダメですっ!スパイなんかする悪い娘は、許しません!!皆の前で、うんとお仕置きしてあげます!!」
「そ・・そんなっ!!きゃあああ!!いやぁぁぁぁ!!」
エルレインの非情な宣告に、七緒は絶望の声を上げる。
その後、信者たちの前で、七緒のお仕置きが、長い間、続いていた・・・。
 「うう・・・!?」
七緒は真っ赤なお尻をさらしたまま、大聖堂の正門前に、ジッと立っていた。
背中には『私は大聖堂をスパイした悪い娘なので、お尻ペンペンのお仕置きをされました』という、恥ずかしい札を付けさせられている。
お尻叩きは終わったが、今度は恥ずかしい姿で、さらし者にされているのだった。
(こんなことになるなんて・・・。私としたことが・・・)
七緒は羞恥に身を震わせながら、ジッと立ち続けていた・・・。


 数日後・・・・。
「久しぶりですねぇ。まさか、またあなたと顔を合わせるとはねぇ」
「それは・・こっちの台詞だ・・!?」
微笑を浮かべているエルレインに、砕蜂は仏頂面で返す。
以前、大聖堂で騒ぎを起こし、子供たちの目の前で、公開お仕置きされた屈辱は、とても忘れられるものではない(『砕蜂の屈辱』参照)。
 「それより、私が呼んだ理由は、わかっているでしょうね?」
「伊勢七緒の件だろう。わかっている!!」
砕蜂は歯噛みしつつ、返事をする。
 「そうです。全く・・やってくれましたねぇ・・・。大聖堂にあらぬ疑いをかけた上、スパイを潜り込ませるなど・・・」
「く・・!あ、あくまでも街の治安の為だ!!」
「その為ならば、何をしても許されると?それこそ警察の横暴ではないのですか?」
「く・・!?ど、どうしろというのだ!?」
「決まっているでしょう。部下の不始末は、上司であるあなたの責任ですよ。この前のように、あなたにもお尻で・・・」
「ふ、ふざけるなっっ!!」
砕蜂はカッとなって、飛びかかる。
直後、頭上から網が落ちてくる。
砕蜂が網に捕えられると同時に、電撃が走る。
「ぬうう!?お、おのれ・・!?」
「愚かな・・・」
ため息をつくエルレインを尻目に、砕蜂は意識を失った・・・。


 「皆さーん!こんにちは~!良い子にしてましたか~?」
エルレインは、笑顔で、子供達に呼びかける。
「貴様っ!離せっ!離さぬか~~~!!」
その膝の上では、両手を拘束され、お尻を丸出しにされた砕蜂が、怒りの表情を浮かべて、叫んでいた。
 「皆さーん、あの『お尻ペンペンのお姉ちゃん』が、また皆さんの前に、来ましたよ~~」
「だ、誰が『お尻ペンペンのお姉ちゃん』だー!!」
エルレインによる、あまりにもな紹介に、砕蜂は憤慨する。
 「皆さん、このお姉ちゃんは、また悪い子だったので、今からお尻ペンペンしまーす。よーく、見てて下さいね~~」
「ふ、ふざけるなぁぁ!!」
エルレインの笑顔での宣告に、砕蜂は怒りの声を上げる。
そんな砕蜂を尻目に、エルレインは、片手を振り上げた。


 バッシィーンっ!!
「くうう!や、やめんかぁぁ!!」
思いきりお尻を叩かれ、砕蜂は苦痛に顔を歪める。
バシッ!バンッ!バァンッ!ビダァンッ!バァンッ!バシンッ!
「全くっ!悪い子ですねっ!あなたって子はっ!!」
砕蜂のお尻を叩きながら、エルレインはお説教を始める。
 ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!
「人にありもしない疑いをかけるなんて!!そんなのは悪い子のすることでしょっ!!」
エルレインは、容赦ない平手打ちの嵐を降らせながら、お説教を続ける。
「わ、私は職務を果たしているだけだっ!!わ、私は悪くない!!」
砕蜂は怒りの声を上げる。
 ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!
「言い訳するんじゃありませんっ!仕事だからって、やっていいことと悪いことがあるでしょっ!!」
エルレインは、子供を叱るような口調でお説教しながら、砕蜂のお尻を叩き続ける。
砕蜂のお尻は、赤い手形が幾つも刻みつけられ、少しずつ赤く染まってゆく。
 ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!
「そんなこともわからないのっ!?本当に悪い子ねっ!!そんな悪い子は、わかるまで、お尻ペンペンです!!」
エルレインはお説教を続けながら、砕蜂のお尻を、さらに叩き続ける。
 ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!ピシャンッ!パァンッ!パァンッ!
「くっ!やめっ!やめんかぁ!!ひいいっ!痛っ!やめっ!ひいいいい!!」
辛くなってきたのか、砕蜂の口から、悲鳴が上がり始める。
 バシンッ!バァンッ!バチンッ!ビダァンッ!バシッ!バアアンッ!
「悪い子っ!悪い子っ!悪い子っ!悪い子っ!!」
エルレインは、子供を叱るような口調と共に、砕蜂のお尻を、さらに濃い赤へと変えてゆく。
バシンッ!バァンッ!バチンッ!ビダァンッ!バシッ!バアアンッ!バシンッ!バァンッ!バチンッ!ビダァンッ!バシッ!バアアンッ!
「やめっ!ひいいんっ!や、やめっ!やめてぇぇ!いやっ!もういやあっ!やぁぁ!!」
ついに、砕蜂は耐えられなくなる。
「ダメです。人にありもしない疑いをかけるような悪い子は絶対に許しません。徹底的にお仕置きしてあげます。覚悟なさい」
「そ・・そんなっ!!いやぁぁぁあああ!!!」
砕蜂は、エルレインの非情な宣告に、絶望の声を上げる。
バシンッ!バァンッ!バチンッ!ビダァンッ!バシッ!バアアンッ!バシンッ!バァンッ!バチンッ!ビダァンッ!バシッ!バアアンッ!バシンッ!バァンッ!バチンッ!ビダァンッ!バシッ!バアアンッ!バシンッ!バァンッ!バチンッ!ビダァンッ!バシッ!バアアンッ!
「いやあっ!やめてっ!やぁだぁっ!きゃあっ!いやあっ!やめてぇぇ!!」
プライドも意地も崩壊した砕蜂は、幼児のように、ひたすら泣き叫ぶ。
子供達の見ている前で、お尻を叩く音と、砕蜂の悲鳴が、響き続けた・・。


 「ぐ、ぐっす・・!だ、大聖堂に・・あらぬ疑いを・・か、かけて・・ご、ごめん・・なさい・・!!も、もう・・二度と・・こ、こんな・・ま、間違いは・・い・・いたしま・・せん・・!!」
子供達がジッと見ている中、砕蜂は土下座して、エルレインに謝る。
むき出しにされたお尻は、真っ赤に染め上がり、まるでサルのようだった。
 「いいでしょう。あなたも職務からしたことですからね。今回は、これで許してあげましょう」
「あ・・ありがとう・・ござい・・ます・・!!」
屈辱に身を震わせながら、土下座のまま、砕蜂は礼を言う。
そんな砕蜂を尻目に、エルレインは子供達に向かって言う。
「皆さーん、よく見てましたか~?このお姉ちゃんみたいに、人にやってもいないことをしたと疑うような悪い子は、こうやってお尻ペンペンされますからね~。皆さんはマネしちゃダメですよ~。わかりましたか~?」
「「「はーーいっっ!!!」」」
エルレインの言葉に、園児たちが手を上げて、返事をする。
そんな園児たちの態度、お尻を出した無様な格好で土下座している砕蜂の姿、それらにエルレインは満足げな笑みを浮かべていた・・・。


 ―完―

万引きの代償(テイルズ&BLEACHより:エルレイン/七緒)



(SO2&テイルズ・BLEACHを題材にした二次創作です。許容できる方のみご覧下さい)


 市内でも有数の規模を誇る本屋。
その店内に、伊勢七緒の姿があった。
(今日は・・どんな本に出会えるかしら?)
七緒は本棚を見回りながら、そんな期待を膨らませてゆく。
読書好きな七緒にとって、興味を惹かれる本に出会えるのは、何よりの楽しみだった。
しばらく、店内を回っているうちに、ふとある本が目に止まった。
 「何かしら・・?」
自分にどこか似た、眼鏡姿の生真面目そうな女性が描かれた表紙に、思わず手に取ってみる。
おもむろに、本を開くと挿絵らしきイラストが目に飛び込んできた。
イラストの中では、表紙の女性が、幼児のようにお尻を叩かれてお仕置きされている。
(な・・何なのこれは?)
七緒はイラストに衝撃を受ける。
思わず、タイトルやあらすじを見返す。
どうやら、お尻叩きのお仕置きを題材にした小説のようだった。
 (こんなものが・・世の中にあったの・・・)
七緒は衝撃を受ける。
同時に、興味が出てくる。
(ちょっと読んでみようかしら・・?でも・・・)
七緒はためらう。
レジに持っていく勇気が出ないからだ。
(諦め・・いや・・無理よ!?)
どうしても、この本を読みたい。
その欲求に、七緒は囚われてしまった。
でも、レジへは持ってゆけない。
ジレンマに、七緒は煩悶する。
やがて、七緒は何かを決意した表情を浮かべる。
七緒は、周囲を慎重に見回す。
店員や、他の客に見られていないか、それを確認しているように見えた。
やがて、七緒は恐る恐るカバンに、本を入れる。
見えないように本を仕舞うと、そのまま何食わぬ顔をして、店を後にした。


 数日後・・・。
(何てことをしてしまったのかしら・・・)
七緒は後悔と罪悪感に、苛まれていた。
万引きなど、立派な犯罪だ。
いつ、ばれるかと、気が気ではない。
 不意に、呼び鈴が鳴った。
「は・・はい!?」
七緒は平静を装いながら、玄関に出る。
 「おや・・?どうしたのです?」
外にいたのは、顔見知りの大聖堂職員。
思わず、怪訝な表情を浮かべる。
「はい。実はエルレイン様から、七緒さんに用があるとのことでして。一緒に来てもらえますか?」
「ええ。構いませんが・・」
怪訝に思いつつ、七緒は職員と共に、家を後にした。


 「よく来てくれました。待っていましたよ」
執務室に現れた七緒に、エルレインは微笑を浮かべて、言う。
「い、いえ。それより・・何のご用ですか?」
呼ばれた理由がわからない為、七緒は尋ねる。
 「そのことですが・・。実は数日前、ある本屋で万引きがあったそうです・・」
「!!??」
七緒はハッとする。
同時に、七緒は必死に平静を装う。
「そ・・それは・・大変ですね。でも・・それがエルレイン様と、どういう関係があるのですか?」
「その本屋は、私の部下だったものが始めた店でしてね。何かあったときには、よく相談に乗っているのですよ」
「そ、そうでしたか・・。でも・・それが私と、どういう関わりが?」
「それは・・あなた自身がよく知っているのでは、ないですか?」
エルレインはジッと七緒を見つめる。
静かだが、有無を言わせないエルレインの表情に、七緒は観念した。
「そ・・そうです・・!わ・・私が・・やりました・・・」
「やはり・・そうでしたか。防犯カメラの映像などから、だいたい当りはついていましたけどね。それはともかく・・。何故、万引きなどしたのです?」
「も、申し訳ありません・・。実は・・・」
七緒は、たまたま見つけたスパンキング小説に興味を惹かれたこと、欲しいが買う勇気が出なかったこと、我慢できずに万引きしてしまったこと、などを告白する。
 「なるほど・・。理由はわかりました。ですが・・・あなたのしたことは立派な犯罪ですよ。わかっていますね?」
「わ・・わかっています・・。どのような・・罰でも・・受けます・・」
「よい心がけです。では・・私の膝の上にいらっしゃい」
エルレインは膝を軽く叩いて、命令する。
 「あ・・あの・・何をするつもりですか?」
「ふふふ・・・。あなたが万引きした本の内容と同じお仕置きをしてあげます」
「そ・・そんな・・!?お願いです・・!!そ・・それだけは・・」
「おやおや?あなたが拒否できる立場なのですか?」
エルレインの問いに、七緒は反論できない。
「わ・・わかり・・ました・・。言う通りに・・します・・」
「聞き分けが良くて、助かります。では、いらっしゃい」
エルレインの言葉に、肩を落とし、うなだれた様子で、七緒は言われた通り、エルレインの膝にうつ伏せになる。
 「ふふ、よく出来ましたね」
素直に膝の上に乗った七緒の頭を撫でながら、エルレインは言う。
「い・・言わないで下さい・・!!は・・恥ずかしい・・です・・きゃあ!?」
突然、袴を降ろされ、七緒は悲鳴を上げる。
 「な・・何を・・!?」
「お仕置きは裸のお尻にするもの、と決まっているのですよ。知らないのですか?」
「そ・・そんな・・!!お願いです・・せめて・・・・」
「ダメです。恥ずかしいのも、お仕置きのうちです。あまり、ワガママを言うと、広場で公開お仕置きにしますよ?」
「そ・・それだけは・・!!わ・・わかり・・ました・・」
エルレインの脅しに、七緒は観念する。
「では・・始めますよ。しっかりと、反省するのですよ」
エルレインは片手で七緒の身体をしっかり押さえる。
そして、もう片方の手を、ゆっくりと振り上げた。


 バチィ―ンッッ!!
「あ・・!?」
弾けるような音と共に、エルレインの平手打ちが、七緒のお尻に叩きつけられる。
直後、鈍い痛みが、お尻全体に広がる。
 パシンッ!パァンッ!パンッ!パチィンッ!パンッ!パァンッ!ピシャンッ!
「・・・!・・・!っ!・・・!・・!」
続けて、最初よりは弱い打撃が、連続して、七緒のお尻に与えられる。
お尻を叩かれるたび、七緒の表情が苦痛に歪む。
 パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!
「伊勢七緒・・あなたは・・いけない子ですねぇ・・」
七緒のお尻を叩きながら、エルレインはお説教を始める。
 パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!
「万引きは立派な犯罪ですよ?いい歳をして、そんなこともわからないのですか?」
七緒のお尻に、赤い手形を幾つも刻みつけながら、エルレインはお説教を続ける。
 パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!
「も・・申し訳・・ありません・・!!きゃあっ!ああっ!痛っ!痛あいっ!!」
お尻を叩く音が響く中、七緒は謝る。
だが、お尻を襲う苦痛に、悲鳴を上げてしまう。
 パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!
「きゃああっ!エ、エルレイン様っ!わ、私が悪かったです!!も、もう二度と万引きはしません!!は、反省していますからっ!!ゆ、許して下さいっっ!!」
お仕置きに耐えきれず、七緒は必死に許しを乞う。
「ダメです。万引きをするような悪い娘には、まだまだ反省が必要です。ちょうどよい機会です。身に沁みて反省させてあげましょう」
「そ・・そんなっ!!きゃああああ!!!」
パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!
絶望の声を上げる七緒のお尻に、容赦なくエルレインの平手が振り下ろされる。
パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!
「ごめんなさいっ!きゃああ!!ごめんなさいっ!!もう二度としませんっ!!ごめんなさいっ!!許して下さいっ!!いやぁぁぁぁ!!」
その後、長い間七緒の悲鳴や許しを乞う声と、お尻を叩く音が、執務室に響きわたっていた・・・・。


 「うう・・!わ、私は・・いやらしい本を・・万引きした・・悪い娘・・です・・。なので・・エルレイン様に・・罰として・・お尻・・ペンペン・・され・・ました・・・」
真っ赤に腫れ上がったお尻を出した、恥ずかしい姿で、七緒は恥ずかしい台詞を読み上げる。
そんな七緒の姿を、エルレインはデジカメで撮影している。
「いいでしょう。今回はコレで許してあげます。ただし・・・もしもまた、同じことをしたら、次は公開お仕置きですよ」
「わ・・わかって・・います・・。も・・申し訳・・ありません・・でした・・・」
ようやく許された七緒は、お尻をしまって、大聖堂を後にする。
自宅へと戻る間、火事かと思うほど熱いお尻をさすりながら
「お尻ペンペンが・・こんなに・・辛いなんて・・・思わなかったわ・・・。私の・・馬鹿」
そう呟かずにはいられなかった。


 ―完―

花見酒の果てに(テイルズ・BLEACHより:機械/乱菊)



(テイルズ・BLEACHを題材にした二次創作です。許容できる方のみご覧下さい)


 「おお・・・。見事に咲きましたねぇ」
ずらりと並んだ満開の桜に、エルレインは満足した笑みを浮かべる。
「はい、今年は中々咲いてくれないので、やきもちしておりましたが、無事に咲きましてございます」
傍らでは、管理人が恐縮しつつ、説明をしている。
ここはエルレインの私有地の庭園。
目の前に立つ見事な桜の木々は、熱心な信者たちによる寄進や奉仕活動で植えられたもの。
桜の時期には信者たちに開放し、花見を楽しめるようにしている。
 「では、明日からここを開放しましょう。準備の方は頼みましたよ」
「はっ!お任せ下さい!!」
管理人の返事に、エルレインは満足げに頷く。
その後のことは管理人に任せ、エルレインはその場を後にした。


 その日の夜・・・。
(はぁ~、夜回りなんて面倒くさいわね~~)
松本乱菊は、つまらなそうな表情を浮かべながら、市中を見回っていた。
(夜回りに当たっちゃうなんて、最悪だわよ。夜桜見物しながら一杯って思ってたのに)
そんな愚痴を心の中で呟いているときだった。
 「あら・・・?」
乱菊は、エルレインの桜並木に気づく。
「スゴイじゃない。見事ねぇ」
乱菊は桜の美しさに、思わず感嘆する。
(こんな綺麗な桜の下で、飲んだら最高よねぇ)
乱菊は美しい桜を見ながら、そんなことを考える。
(そうよ!夜回りなんて、かったるくてやってられないわよ!!こんな綺麗な桜があるなら、飲まなくちゃダメよ!!)
乱菊はそう決めると、すぐに近くのコンビニへと走る。
コンビニから、酒瓶を買って戻ってくると、塀を乗り越え、侵入した。
 二時間ほど経った頃・・・。
「あははは~~。やっぱり、花見酒はイイわね~~~」
一番大きく、見事に咲いている木の下で、乱菊は上機嫌になっていた。
周りには、酒の空き瓶が10個近くは転がっている。
 「本当、綺麗よねぇ。せっかくだから、持って帰りましょう」
乱菊は立ち上がると、手を伸ばし、桜の枝を折り始めた。
一本だけでは飽き足らず、次々と折ってゆく。
「あははは~~。これだけあれば、皆へのお土産にもなるわよね~。でも・・その前に、ひと眠りしましょ~~~」
すっかり出来上がった声で言うと、乱菊は折った枝を抱きかかえたまま、その場で眠り込んでしまった。


 翌朝・・・・。
「ん~~?何よ~?人がせっかくいい気持で寝て・・・・」
寝ているところを起こされ、乱菊は不機嫌な声で言う。
だが、目の前で仁王立ちしているエルレインの姿に、声も止まってしまう。
 「あなたですね?不法侵入したのは?」
返答代わりに、乱菊は抜刀して斬りつける。
「愚かな・・。トリニティスパーク!!」
エルレインは難なくかわすと同時に、雷を放つ。
カウンターで雷撃を喰らい、乱菊は吹っ飛ばされる。
地面に叩きつけられると同時に、乱菊は気を失った。


 数時間後・・・。
大聖堂前の広場には、大勢の人が集まっていた。
やがて、広場に用意された檀上に、エルレインが姿を現した。
「皆さん、よく集まってくれました。感謝します」
群衆に対して、エルレインは礼を言う。
「今日、集まってもらったのは、他でもありません。実は、昨夜、私の庭園に不法侵入者がありました。こちらです」
直後、兵士達に連行されて、乱菊が現れる。
「ちょっとっ!いい加減に離しなさいよっ!!」
乱菊は兵士達を振りほどこうとする。
だが、刀は取り上げられ、しっかりと拘束されているため、逃げられない。
 「おやおや?随分と反抗的ですねぇ」
「当たり前じゃないのよ。離しなさいよ!」
乱菊は怒りを込めて、エルレインを睨みつける。
 「そうはいきません。あなたは私の庭園に不法侵入した上、桜を傷つけたのです。いずれも立派な犯罪ですよ」
「ちょ、ちょっと花見酒しただけよ!!それを、何で咎められなくちゃいけないのよ!!」
「まさか・・・本気で言っているのですか?」
反省の色が見られない乱菊の態度に、エルレインも表情が険しくなる。
「だったらどうだっていうの?心が狭いわねぇ、たかが花見酒くらいで」
乱菊は自分のことをすっかり棚に上げて、エルレインを非難する。
「なるほど・・。よく、わかりました。あなたが全然反省していないのは」
エルレインは頷くと、群衆の方を向く。
 「皆さん、聞きましたか?彼女は全然、自分の罪を反省していません。よって、これより、お尻ペンペンマシーンによるお仕置きを執行します」
「ふ、ふざけるんじゃないわよっ!!」
エルレインのお仕置き宣告に、乱菊は怒りの声を上げる。
もちろん、乱菊の抗議が聞き入れられることは無い。
兵士達は容赦なく、乱菊を機械の元へと連行してゆく。
 「何よコレ・・・」
乱菊は目の前の機械に、思わずそう呟く。
それは上半身は人型で、下半身は複数のタイヤがついた、戦車のような形をしている。
「やめ・・やめなさいってば!!」
乱菊の抗議を尻目に、兵士達は、乱菊をマシンの下半身に乗せる。
乱菊が乗せられると同時に、機械からベルトが飛び出し、乱菊の身体や手足を拘束してしまう。
 「な・・何よコレ!?」
「見てのとおりですよ。お仕置きが終わる前に逃げられては、元も子もありませんからねぇ」
説明するエルレインをよそに、機械のアームが、乱菊の袴を降ろしにかかる。
「ちょっとっ!痴漢で訴えるわよ!?きゃあっ!!」
抵抗する間もなく、袴を降ろされ、乱菊は思わず声を上げる。
あっという間に、乱菊の成熟したお尻が、あらわになった。
 「用意は整いました。さぁ・・・悪い子のお尻ペンペンショーを始めましょう」
エルレインは手を振り上げて、合図をする。
合図とともに、兵士がマシンの操作を始める。
やがて、唸るような音がしたかと思うと、機械がゆっくりと、手を振り上げた。


 バッチィィィーーーーンンンンッッッ!!!
「きゃああああああ!!!!」
機械の手が、お尻に叩きつけられると同時に、乱菊の悲鳴が上がる。
バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
続けて、最初よりは弱めな、だがそれでも十分強い打撃が、連続して乱菊のお尻に襲いかかる。
 バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「きゃあっ!ひっ!やめっ!やめなさいよっ!?きゃあんっ!ああっ!ひぃんっ!!」
容赦なくお尻に襲いかかる打撃の嵐。
機械の手が命中するたび、乱菊の身体が震え、悲鳴が上がる。
バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「痛あっ!いやあっ!やめてっ!きゃあっ!ああっ!いやああっっ!!」
拘束されたまま、乱菊は苦痛でもがく。
必死に逃げようとするが、しっかりとベルトで固定されているため、逃げられない。
 「おやおや?お尻が猿みたいになってきましたねぇ」
エルレインはわざと羞恥を煽るように、そんなことを言う。
「だ、誰のせいよ!?い、いい加減に止めなさいよ!!きゃああ!!あああっ!ああああっっ!!」
乱菊は抗議するが、お尻に与えられる打撃に、それどころではなくなる。
 「まだまだ、反省が足りないようですねぇ。では・・少しやり方を変えてみましょう」
エルレインはそういうと、リモコンを取り出す。
乱菊の様子を見ながら、おもむろにエルレインはボタンを押す。
すると、一旦、機械の手が止まった。
 (助かったわ・・・)
打撃が止まり、乱菊はホッとする。
だが、不意にバチバチという音が聞こえる。
嫌な予感が頭をよぎった、そのときだった。
 バシィーンッ!!バジジジィィ!!
強烈な一撃が、乱菊のお尻に叩きつけられる。
同時に、電撃がお尻に走った。
「きゃあああああ!!!!」
乱菊は絶叫し、思わず振り返る。
すると、機械の手が、バチバチと電撃を放っているのが見えた。
 「な・・何よコレ!?」
「ただ、お尻を叩くだけでは、反省出来ない悪い子もいますからねぇ。そんな悪い子でも、十分反省出来るように、こういう機能もつけてみました」
「ふざけるんじゃないわよ!?い、いい加減に・・」
そこまで言いかけたところで、再び機械の手が振り下ろされる。
 バシィンッ!ジリィィィ!!
「きゃあああ!!」
バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!
電撃を纏った打撃が、容赦なく乱菊のお尻に、降りかかる。
バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!
「ひぃぃぃ!やめてぇぇぇ!!やめてぇぇ!!も、もう謝るからぁぁ!!許してぇぇぇ!!ごめんなさぁぁあああいいいい!!!」
電撃混じりの打撃に、乱菊は限界に達してしまう。
乱菊はプライドをかなぐり捨て、許しを乞う。
「ダメです。まだまだ、反省が必要です。あと、100回は叩いてあげましょう」
「そ・・そんなぁぁぁぁ!!!」
エルレインの無慈悲な宣告に、乱菊は絶望の声を上げる。
 バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!
「いやぁぁぁ!ごめんなさいっ!きゃああ!きゃああ!ごめんなさいっ!やめてぇぇぇ!お願いだからやめてぇぇ!!ごめんなさいっ!!ごめんなさい~~!!」
その後、少なくとも100回を超えるまで、乱菊の悲鳴と、お尻を叩く音が広場に響いていた・・・。


 『私は、エルレイン様の私有地に不法侵入した上、桜を傷つけた悪い子なので、お尻ペンペンの罰を受けました』
こんな恥ずかしい札を首から下げ、お尻をさらした恥ずかしい姿で、乱菊は大聖堂の正門前に立たされていた。
お尻は倍近くに腫れ上がり、打撃と電撃で、痛々しい姿になっている。
道行く人々のひそひそ声や、指を指して笑っている声が、乱菊の耳に嫌でも入って来る。
それらの声が屈辱感を掻き立て、乱菊は身を震わせる。
 ビシッっ!!
「何をしているのです!動いてはなりません!ちゃんと、立っているのですよ!!」
鞭でお尻を叩きながら、エルレインは叱りつける。
思わず乱菊はエルレインをキッと睨みつける。
 「おや?まだお仕置きが足りないのですか?でしたら、もう一度マシンに乗せてあげましょうか?」
エルレインは微笑と共に、そんなことを言う。
その言葉に、慌てて乱菊は、お尻をさらしたまま、姿勢を戻す。
屈辱に身を震わせながら、お尻を出して立つ乱菊を、エルレインは満足げに見つめていた。


 ―完―

契遼州物語3(ショタ/ショタ)



 第七治安隊隊舎、その奥まった一角に、治安隊長の執務室がある。
室内では、主である近方が、書類の決裁をしていた。
(何だ?)
命令書にハンコを押そうとしていた近方は、執務室へ慌ただしく近づいてくる足音に気づく。
ドンッッ!!
突然、ノックも無しに、いきなりドアが乱暴に開かれた。
 「何の用だ・・?」
ドアの向こうから現れた人物に、近方は露骨に嫌そうな表情を浮かべる。
やって来たのは、近方と同年代の少年。
藍色の髪と、蒼い瞳をした、美しい面立ちをしている。
少年らしい細身の身体に、黒を基調にした開襟式の軍服と短パン・軍帽・軍用マントを纏っている。
上着の下には、緑色のシャツと黒いネクタイを着込み、日本刀式の軍刀を腰に、左腕に治安隊の指揮官であることを示す腕章を身に着けていた。
 少年の名は佐々原只信(ささはらただのぶ)。
第八治安隊の隊長である。
「ふふ、随分な台詞だね。君と僕との間柄じゃないか」
「ただのいとこ同士だろう。用事が無いなら、帰ったらどうだ?隊長がサボっていて良いのか?」
佐々原の言葉に、近方は不機嫌な声で返す。
二人はいとこ同士だが、近方の方は、佐々原を嫌っている。
 「つれないなぁ。まぁ、そういうところがカワイイけどなぁ。ねぇ、ソウちゃん」
「ソウちゃんなどと呼ぶな!?私は忙しいのだ!?」
近方は苛立った声で言う。
「おぉ、怖い怖い。まぁいいさ。ソウちゃん・・僕は約束を果たしてもらいに来たんだよ」
「約束・・?」
「おやおや?まさか忘れたのかい?」
「忘れてなどいない・・!!」
佐々原の言葉に、近方はさらに不機嫌な声になる。
同時に、数日前のことを思い出していた・・・・。


 数日前・・・。
その日、近方は、管轄区域内の某寺院を訪れていた。
寺院は巡礼地として、地元では有名な場所。
その為、境内は多くの人でごった返していた。
 (話に聞いてはいたが・・・想像以上の賑わいだな・・・)
境内の賑わい振りに、近方はそんなことを思う。
近方は軍服ではなく、詰襟の学生服と短パン、学帽、学生用のインバネスコートを着ている。
今日は非番で、寺院を訪れたのも、観光目的からだ。
 (むむ・・・。さすがに有名なだけあって・・見事なものばかりだな・・・)
壁面や屋根に施された、様々な装飾用の彫刻や絵画の素晴らしさに、近方は感嘆する。
芸術のことはよく知らないが、素人目にも素晴らしいものなのが、見てとれる。
それらの装飾に、近方が思わず見とれていたときだった。
 不意に、甲高い声で何かを唱える声が聞こえてくる。
近方が振り向くと、ガイドに引率された、観光客の一団がやって来るのが見えた。
観光客たちは、近方の方へと近づいてくる。
近方はぶつからないよう、脇へと移動しようとする。
だが、その先に、観光客たちが、ドッと押し寄せてきた。
津波のように押し寄せる観光客らに、近方はおしくらまんじゅう状態になる。
(ま・・まずい!?)
このままでは押しつぶされてしまう。
そんな危機感が頭をよぎった、そのときだった。
 (ん!!??)
近方はお尻に手が当たっていることに気づく。
(押されているせいか・・?)
そう思った直後、いやらしい動きで、お尻を撫で始めた。
 (ち、痴漢だと!?)
こういう大勢の人が集まる場所で、痴漢が現れるのは知っている。
だが、男の自分が狙われるとは、思いもしなかった。
 (く・・!?)
痴漢の手は容赦なく近方のお尻を撫で回す。
まるで毛虫がはい回っているかのような感触に、嫌悪感と屈辱感しか湧いてこない。
(な・・情けない・・!?)
抵抗することも、周囲に助けを求めることも出来ない。
卑劣な変質者に、自分のお尻をいたずらされるがままになっている。
あまりにも悔しくて、情けなくてたまらない。
屈辱感で、近方は思わず身体を震わせる。
そんな近方の姿に、痴漢はさらに攻勢を強める。
 (おい!?まさか!?やめろ!?)
痴漢は何と、ズボンに手を突っ込んできた。
痴漢の手が、直に近方のお尻を触る。
直にお尻を鷲掴みされ、近方の背筋に悪寒が走る。
同時に、胃の中身がこみ上げてきてしまう。
吐きそうになるのを、近方は必死に堪える。
痴漢にあった上に、嫌悪感で吐くなど、あまりにも情けないからだ。
身動き取れず、痴漢のいいようにされている。
そんな状態が、このまま続くのか。
思わず絶望しかけた、そのときだった。
 突然、人間の壁の一角が崩れた。
(今だ!?)
とっさに、近方は崩れたところから、脱出する。
 抜け出した近方が見たのは、治安隊の兵士達に連行される、観光客たちの姿。
制服や腕章のデザインから、第八治安隊だとわかった。
(第八・・・まさか・・)
嫌な予感を覚えつつ、近方はあたりを見回す。
「ふふ・・。奇遇だね、ソウちゃん」
「やはりか・・!?」
佐々原の姿に、近方は表情が険しくなる。
 「そんな顔されるとキツイなぁ。助けてあげたのにな~」
「く・・!そ、そのことは・・礼を言おう・・。不本意だが・・・。助かった・・・」
近方は渋々ながら、礼を言う。
 「ん~?何かあまり誠意が感じられないんだけどな~」
「く・・!どうしろと・・言うのだ!?」
イラッとしそうになるのを、近方は必死に抑えながら尋ねる。
「そうだねぇ。後で・・一つだけ、僕の言うことを聞いてもらう、っていうのはどうかな?」
「一つだけ・・だな?」
「そうだよ~。一つだけだよ~」
佐々原の笑顔に、近方は何か企んでいる、とは感じる。
だが、拒否することは嫌だった。
助けられたことは、事実だ。
要求を拒否すれば、恩知らずになってしまう。
それだけは、軍人としての誇りにかけて、嫌だった。
墓穴を掘るのを承知で、近方は返答をする。
「わかった・・。助けられたのは事実だ・・。お前の望みを聞こう・・。ただし・・本当に一つだけだぞ?」
「ふふ、さすがソウちゃんだね」
佐々原は近方の返事に、満足げに笑みを浮かべる。
そんな佐々原の笑みに、近方は苦々しい表情を浮かべずにはいられなかった。


 数日前のことを思い出し、近方の表情はさらに険しさを増す。
「つまり・・この前の借りを取り立てに来たというわけか・・・」
「まさか・・嫌だなんて、言うつもりなの~?ソウちゃん?」
「そうは言わん!!ちゃんと借りは返す!!」
近方は挑発するような言い方に、思わずそう返してしまう。
 「ふふ・・。それを聞いて安心したよ。さすがソウちゃん、立派な軍人だね」
「こ・・子供扱いするな!?それより・・要求は何なのだ?」
苛立ちを抑えながら、近方は尋ねる。
「ふふ・・・。僕の要求はねぇ・・ソウちゃんだよ。正確には、ソウちゃんのお尻だね」
「な・・何?どういう・・意味だ?」
物凄く嫌な予感を覚えつつ、近方は尋ねる。
「ああ、言葉が足りなかったねえ。ソウちゃん、僕が満足するまで、ソウちゃんをお尻ペンペンさせて欲しいんだよ」
「ふ・・・ふざけるな!?冗談も大概にしろ!!」
「僕は本気だよ?本気でソウちゃんをお尻ペンペンしたいのさ」
「この・・変質者が!?」
近方は思わず言う。
「変質者でも構わないさ。ソウちゃん・・約束をしたのはソウちゃんじゃないか?ソウちゃんは約束も守れない子供なのかい?」
「ち・・違う!?」
「じゃあ、僕との約束も守ってもらおうかなぁ」
「く・・!?」
近方は歯噛みする。
子供っぽいプライドや意地なのはわかっている。
だが、自分が約束をした以上、それを覆すのは嫌だった。
「わ・・わかった・・!!好きに・・するがいい!!」
半ばやけくそで、近方は言う。
「さすがソウちゃん、話がわかる~!じゃあ、さっそく始めようかな~」
佐々原はそう言うと、来客用の椅子に腰を降ろす。
 「さぁ、ソウちゃん。ここに来て」
ニコニコと笑顔で、佐々原は自身の膝を軽く叩いて、呼びかける。
「く・・!」
屈辱感に顔を歪めつつ、近方は佐々原のそばへ行く。
一瞬、佐々原の脇で立ち尽くしたが、覚悟を決めた表情で、佐々原の膝にうつ伏せになった。
 「さすがソウちゃん、いい子いい子」
佐々原は近方の頭を撫でてほめる。
「ば・・馬鹿に・・するな・・!!さっさと始めて・・終わらせたら・・どうだ!?」
「それはソウちゃん次第だね~。フフフ・・・」
佐々原は笑いながら、近方の短パンを降ろす。
 「ああ・・!相変わらず・・可愛いお尻だね・・ソウちゃん」
ウットリした表情を浮かべ、佐々原は近方のお尻を撫で回す。
「ひ・・!や、やめろ・・!?」
痴漢にあったときの嫌悪感を思い出し、近方は全身を震わせる。
「ああ、ごめんごめん。じゃあ・・始めようっかな」
佐々原はそう言うと、ゆっくりと、手を振りかぶった。


 バッシィーンッッ!!
「く・・・!?」
甲高い音と共に、近方のお尻に、鈍い痛みが走る。
近方は思わず顔を顰め、声が漏れてしまう。
(馬鹿者!?何をしている!?)
声を漏らしたことに、近方は思わず自分を叱咤する。
パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!
近方の心理を尻目に、佐々原は立て続けに、平手を振り下ろしてくる。
「・・・!・・・!・・・!・・・!」
近方は声を押し殺し、佐々原の平手打ちに耐える。
 パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!
「ふふ、ソウちゃん、イイ恰好だね。膝の上で、お尻だけ丸出しだなんてね」
近方のお尻を叩きながら、佐々原は言う。
 「く・・!お、お前が・・させたの・・だろうが!?」
「そうだね。でも・・本当に可愛いよぉ、ソウちゃん」
佐々原は愛しさの籠った表情を浮かべて、言う。
パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パァンッ!パチィンッ!
「・・!・・・!・・・!・・・!・・・!・・・!」
近方はお尻に与え続けられる痛みに、必死に耐える。
一打、また一打と、佐々原の手が近方のお尻に叩きつけられる。
そのたびに、近方のお尻に、赤い手形が刻みつけられてゆく。
手形は重なり、近方のお尻を赤く染める。
「ああ~!ソウちゃん、真っ赤なお尻がとってもカワイイよぉぉぉ!!!」
「へ、変なことを言うな!この変態めが!?」
「ああ・・もう!我慢できない!無理!!」
叫ぶように言うと、何と佐々原は近方のお尻の最奥部に、指を突き入れた。
 「ひ・・!?や、やめろ!?この変態!?」
「ああ・・!そうやって・・嫌がるソウちゃんも可愛い!!」
佐々原はだらしない笑みを浮かべながら、さらに近方のお尻にイタズラをしようとする。
「いい加減に・・せんかぁぁぁあ!!!!」
ついに近方は怒りを爆発させる。
膝の上から抜け出すと共に、佐々原を殴りつける。
 「うわっ!何するのさソウちゃん!?」
「それはこちらの台詞だ!?尻叩きだけならまだしも・・痴漢の真似まで・・!!」
近方は怒りを込めて、軍刀を抜き放つ。
「そ、ソウちゃん!ま、待って!ソウちゃんが可愛いからつい・・!!」
「理由になるか!?お前はいつも・・!?」
近方が怒りを佐々原にぶつけようとした、そのときだった。
 ドンッッ!!
突然、ドアが乱暴に開く。
近方も佐々原も思わずドアの方を振り向く。
すると、佐々原に逮捕されたはずの痴漢達の姿があった。
 「お前たちは・・・」
痴漢の姿に近方は嫌悪と怒りをあらわにする。
一方、佐々原は恐怖によるのか、顔から血の気が引いていく。
 「旦那!話が違うじゃないですか!早く報酬を支払って下さいよ!!」
痴漢のリーダーが、佐々原に向かってそんな要求をする。
「お前たち、どういうことだ?」
何かがおかしい。
そのことに気づき、近方が尋ねる。
 「実はこの旦那に頼まれたんですよ!!好きな子を振り向かせるために、痴漢役をやってくれと!!報酬も弾むってね!!それなのに・・牢屋とは話が違いますぜ旦那!!」
「そうか・・・!そういう・・ことだったか・・・」
近方はゆっくりと佐々原の方を振り向く。
近方の表情を見るなり、佐々原は絶望で血の気が引く。
 「ソ、ソウちゃん!ぼ、僕が悪かったから!!で、でも、ソウちゃんのことが好きなのは本当だよ!!」
「貴様の・・歪んだ愛情など・・いらん!!消え失せろ!!」
近方は怒りを込めて、渾身の突きを繰り出す。
直後、壁を突き破り、吹っ飛んでゆく佐々原の姿が目撃された。


 「うう・・!ソウちゃん、愛が痛すぎるよ・・!!」
包帯姿でベッドに横になった姿で、佐々原は嘆く。
(失敗したなぁ・・。でも・・ソウちゃん、僕はどんなに嫌われてもソウちゃんが好きなんだよ!!絶対にソウちゃんを振り向かせてみるからね!!)
近方が聞いたら、再び怒り出しそうな決意を胸に、佐々原は心の中で呟いていた・・。


 ―完―

契遼州物語2(/ショタ)



 月明かりが照らす中、原野を疾駆する騎馬の一団があった。
先頭に立って、馬を走らせているのは神楽。
神楽の背後には、騎兵銃や回転式拳銃、或いは柳葉刀(りゅうようとう)と呼ばれる、大陸伝統の幅広の刀などで武装した手下達が、付き従っている。
やがて、彼らは、ある谷の入り口までやって来た。
 「ここか・・・・」
目の前にそびえる谷に、神楽は満足げに笑みを浮かべる。
「頭目・・。本当にここに入るんですか?」
部下の一人は、何故か不安げな表情で尋ねる。
「当然じゃないか。何をビクついているのさ、お前たち?」
「しかし・・ここは『毛龍(もうりゅう)の谷』ですよ!!」
馬賊の一人が、思わず大きな声を出して言う。
毛龍とは、契遼州の伝説に登場する魔物。
全身に毛の生えた、巨大な龍の姿をしていると伝えられている。
非常に凶暴で貪欲、見つかったら、人などボリボリと貪り食われてしまう。
そのように、太古から語り伝えられていた。
その毛龍が住み着いている、と伝えられているのが、この谷である。
その為、滅多に入るものはいなかった。
 「馬鹿を言うんじゃない。そんなの、ただの伝説さ。お前たち、それでも契遼馬賊か?おとぎ話なんかに、ビビってるんじゃない!!宝の山を、逃す気なのか!?」
神楽は部下達を叱咤する。
恐ろしい魔物の住む谷、などと信じられていても、中には足を踏み入れる者が時にはいる。
その者達の証言から、この谷には豊かな自然に恵まれていること、そのおかげで、高級毛皮の原料となるテン、漢方薬の最高級の原料である薬用ニンジンなどに恵まれている、ことなども神楽は突き止めていた。
毛皮も、薬用ニンジンも密猟するだけのリスクを冒すだけの価値があるもの。
それに、ここは未だ誰も征服していない、いわば無主の地。
自分が最初の主になる。
それも、未だ少年である神楽にとって、何とも言えない悦びだった。
 「そういうわけでは・・。しかし・・せめて副頭目にも・・・ぐうっっ!!」
途中まで言いかけたところに、神楽の拳が部下の腹に命中する。
少年ながら、馬賊の頭目である神楽だ。
腕が無ければ、荒くれ者ににらみを利かせることなど出来ない。
たった一撃で、屈強な馬賊が地面に倒れ、苦痛に呻く。
「馬鹿言うな!ヤツに話したら、絶対に反対するじゃないか!だから、お前たちだけ連れて来たんじゃないか!!さぁ、グズグズしないで、行くぞ!!」
神楽はそう言うと、谷へ入ってゆく。
ボスを置いてゆくわけにはいかない。
馬賊達は、神楽を追って、谷へと入っていった。


 「頭目!!こんなにありましたよ!!」
手下の一人が、興奮した様子で、地面を指さす。
地面には、薬用ニンジンの花が、これでもかとビッシリ、咲き誇っていた。
手下達は、興奮の息を吐きながら、薬用ニンジンを掘れるだけ掘ってゆく。
「うひょおおお!!こんなに獲れましたよ!!頭目ううう!!」
また別の部下達が、これまた興奮しながら、神楽の元へ駆けつけてくる。
彼らは皆、銃で仕留めたテンを幾つも抱えていた。
 「スゴイですね、本当に宝の山だ!!」
「だから、言ったじゃないか。やっと、わかったのかい?」
分かりきっていたことを言う部下達に、少し呆れたような口調で、神楽は言う。
「まぁいいさ、お前たち、今夜はそろそろ引き上げるよ」
「ええ!?まだこれっぽっちですよ!?」
「あまり欲をかきすぎても、良くない。それに・・・・これ以上は、向こうも焦れてるからねぇ」
何のことかと、部下の一人が尋ねようとしたそのときだった。
突然、神楽は草むら目がけ、拳銃を発砲する。
直後、呻き声と共に、騎兵銃を手にした、治安隊の兵士が、転がり出てきた。
兵士は騎兵銃を抱えたまま倒れる。
直後、馬賊達は銃や刀を構え、あたりを見回す。
 「ふふ・・。いるんだろう、出てきたら、どうだい?」
神楽は、愛用の剣を手にしつつ、笑みを浮かべて言う。
「やはり・・気づいていたか・・・」
声と共に、木陰から、軍刀を手にした近方が現れる。
同時に、隠れていた兵士達も、騎兵銃を構えて、姿を現した。
 「よくわかったねぇ、近方ク~ン、さすがって褒めてあげるよ」
「黙れ!神楽、お前に勝ち目はない!降参せよ!!」
「はぁ?馬鹿なコト、言わないでよね~」
そういうや、神楽は近方目がけ、再度発砲する。
近方は軍刀で銃弾を弾き落とす。
「抵抗するか・・。ならばやむを得・・・・」
発砲命令を近方が下そうとした、そのときだった。
 突然、地響きがあたりに響きわたる。
「何だ・・!?」
近方も、神楽も思わず周囲を見回す。
馬賊も、兵士達も、つられて周りを見回す。
やがて、地響きの主が、姿を現した。
 現れたのは、全長9メートルにもなる、巨大な生物。
太い後ろ足を中心に、身体を水平にし、長い尾を後ろへピンと張った姿勢をしている。
鋭い牙がずらりと並んだ巨大な口と頭とは対照的に、前脚は小さい。
その全身は、20センチ近くある毛に、びっしりと覆われている。
爬虫類的な姿をしながら、哺乳類のように毛に覆われている。
まさに、毛のある龍、という姿だった。
 「も・・毛龍・・!?」
「まさか・・」
神楽や近方をはじめ、全員が驚きのあまり、毛龍をジッと見つめる。
あくまでも、伝説の存在と思っていた。
まさか、実在するとは思わなかった。
だが、そんなことを考えている余裕は、すぐに消える。
突然、毛龍が雄叫びを上げたからだ。
全員、危険を感じる。
直後、その予想は当たった。
毛龍が、たまたま一番近くにいた兵士の一人に、頭からかぶりついたからだ。
骨の砕ける音や肉の引きちぎられる、生々しい音が、その場に響きわたる。
 銜えられた兵士は、最初は口からはみ出た下半身をバタバタさせていた。
やがて、巨大な顎に粉砕された、無残な下半身が、ドスンと地面へ落下する。
兵士も馬賊も関係なく、ただ、呆然とその光景を眺めていた。
だが、再び、毛龍が人間たちを見回すと、我に返る。
「逃げろおおおおおおお!!!!!!!!」
誰かが叫んだ。
その声に、兵士も馬賊も関係なく、我先にと、逃げ出した。
当然、毛龍も獲物である人間たちを追いかける。
人間たちは走りに走る。
毛龍も、自らの食欲を満たすため、必死に追う。
やがて、馬賊の一人が石につまずき、倒れてしまう。
起き上がろうとしたところへ、毛龍の大きな後ろ足が、馬賊を思いきり踏みつける。
絶叫する馬賊を、龍の巨大な口が食らいつき、骨の砕ける音と共に、貪り食った。


 (何とか・・撒けたか・・・・)
毛龍が追ってこないことを確認すると、神楽は安堵の息を吐く。
(まさか・・本当にいるなんて・・・)
あくまでも伝説の存在と思っていた生物が実在したことに、神楽は驚く。
しかも、危うく食われるところだった。
(さっさと・・脱出しないと・・・)
怪物の胃袋に収まるなど、真っ平ごめんだ。
谷の入口へ、向かおうとした、そのときだった。
 突然、木々の間から、サーベルが突きだされる。
咄嗟に、神楽は愛用の剣で受け止める。
「どこへ行く!逃がしはせんぞ!!」
サーベルを構えて迫りながら、近方は言う。
「く・・!しつこいなぁ!!そっちも逃げたらどうだい?毛龍のエサになるよ!?」
「馬鹿を言うな!!あんな獣ごときを恐れて、お前を逃がしてたまるものか!!」
二人は互いに突きを繰り出しながら、そんな会話を交わす。
神楽は何とか間合いを離し、谷から逃げ出そうとする。
近方はそうはさせじと、幾度も突きを繰り出しながら、間合いを保つ。
走りながら、二人は互いに激しい突きの応酬を繰り広げる。
火花と共に、金属がぶつかり合う音が、森に響きわたる。
そんな派手な音を毛龍が見逃すはずがない。
鼻先を血に染めたまま、毛龍は音のする方向を振り向く。
捕食生物ならではの、よく見える目で、毛龍は、斬り合う近方と神楽の姿を認める。
直後、二人の少年目がけ、毛龍は走り出した。
 近づいてくる地響きに、二人の少年は思わず振り向く。
同時に、巨大な龍の口が、二人に襲いかかった。
 とっさに、二人とも、横に飛び退いてかわす。
毛龍は、近方に狙いを定め、近方に喰らいつこうとする。
近方は木々の間を巧みに走り、噛みつかれないようにする。
 (へぇ、ナカナカやるじゃないか)
姿を木陰に隠し、神楽は巧みに身をかわす近方の姿に、感心する。
最初は、この隙に、谷を脱出しようと考えた。
だが、すぐにその考えを捨てる。
毛の生えた大トカゲごときに、近方を食われてはたまらない。
近方は、自分が倒すことに決めているのだ。
その楽しみを守るためだ。
神楽は剣を構えると、毛龍の背後へと近づいてゆく。
幸い、毛龍は完全に近方に気を取られている。
近方も、毛龍の攻撃をかわすのに必死で、神楽には気づいていない。
ある程度の距離まで近づくと、再び、神楽は立ち止まり、両者の様子を伺う。
毛龍は吼えながら、近方に喰らいつこうとする。
近方は軍刀を構え、右に左に巧みに動いて、噛みつきをかわす。
やがて、毛龍に隙が見えたそのときだった。
 神楽は毛龍めがけ、剣を飛ばすように投げつける。
直後、毛龍の片側の後ろ足の太ももに、剣が深々と突き刺さった。
毛龍は苦痛の雄たけびをあげると、片膝を地面について、座り込む。
剣が刺さったのが見えない為、近方は一瞬、困惑する。
だが、すぐに迷いを捨てる。
近方は、片膝をついた毛龍の脇へ回る。
そして、太い首のそばに立つと、裂帛の気合と共に、軍刀を振り下ろした。
手ごたえを感じた直後、近方は飛び退く。
毛龍の太くがっしりした首に、赤い筋が走る。
筋の幅が広がったと見えた直後、鮮血が噴き出した。
毛龍は断末魔の咆哮をあげた後、自らの血だまりに倒れ伏す。
近方は慎重に近づくと、毛龍を数度、軍刀で触れ、死を確認する。
(危なかった・・・む?)
近方は毛龍の太ももに、深々と剣が突き刺さっているのを見つける。
(コレは・・!?)
柄頭にあしらわれた獅子頭の装飾が、神楽のものであることを示していた。
途端に、近方の表情が険しくなる。
逮捕すべき存在である馬賊に、窮地を救われたのだ。
軍人として、何とも恥ずかしいことだ。
しかも、幼児のように尻を叩かれる屈辱を与えられた神楽にだ。
屈辱感で、近方は怒りの炎を燃やさずには、いられなかった。


 (やっと・・・着いたか・・・)
ようやく谷の入口へたどり着き、神楽はホッとする。
だが、自分の馬の傍にいる人物の姿に、ギクリとする。
 「頭目・・。お待ちしておりましたよ」
柔和な微笑を浮かべながら、眼鏡に長衫姿の青年が、神楽に呼びかける。
青年の名は張徹(ちょうてつ)。
獅頭一味の副頭目である。
 「ちょ、張・・・ど、どうして・・ここに?」
神楽は引きつった笑みを浮かべながら、尋ねる。
この谷には、絶対に行ってはいけない。
張に厳しく言われていたからだ。
その言いつけを破ったのだ。
ただでは、すまない。
とっさに、神楽は獅子頭の形をした、小さな分銅を、張目がけて、投げつける。
だが、張はそれを簡単に受け止めてしまう。
「おやおや?いけませんね~。いきなり暴力なんてね~。幾ら頭目でも、見逃せませんね~」
「ちょ、張・・。ちょ、ちょっとした遊び心だったんだよ。だ・・だからさ・・・」
神楽は後ずさりしながら、弁解する。
「『遊び心』?そのせいで、部下を何人も犠牲にしているんですよ?それに・・下手をすれば、頭目自身も毛龍に食い殺されていたかもしれないんですよ?」
目が笑っていない、怒りのこもった微笑を浮かべながら、張はジリジリと主人との間合いを詰めてゆく。
追いつめられた神楽は、何と、張目がけ、飛びかかる。
飛びかかると同時に、副頭目の顔面目がけ、パンチを繰り出した。
 だが、神楽の突きは難なく受け止められてしまう。
「おやおや?いけませんね~。これは、お仕置き確定ですね」
そういうと同時に、張は神楽のみぞおちに打撃を入れる。
直後、神楽はそのまま、気を失った。


 バッチィィーーンンン!!!
「ひいいいいんんっっ!!ごめんなさぁぁあああいいいい!!!」
パドルが叩きつけられると同時に、神楽の悲鳴が上がる。
神楽のお尻は、既にサルのように、真っ赤に染め上がっていた。
 バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!
「ひいいっ!張っ!ごめんなさいっ!やめてぇぇ!!ごめんなさいっ!!」
「頭目、言ったはずですよ~。毛龍の谷は、危険ですから、絶対に行ってはいけませんとね~。それなのに、何で約束破ったんですか~?」
泣き叫びながら、必死に謝る神楽に、どこか楽しげな表情で、張はパドルを振り下ろす。
「ひぃぃん!だ、ダメって言われれば、い、行ってみたく・・なるじゃ・・ないかぁあ~~っ!!」
「それが理由になりますか~?頭目のその気まぐれの為に、何人の部下が死にましたかね~?それに、頭目も危うく食われるところだったかも、しれないんですよ~?」
バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!バシィンッ!笑顔のまま、容赦なく張は神楽のお尻を叩く。
「だ、だからごめんなさぁああいい!!も、もう、しないからぁぁぁ!!」
「もうしない、のは当然ですよ~。悪い子な頭目のお尻には、まだまだ反省が必要ですね~。あと100回は叩いて差し上げましょう~」
「そ・・そんなぁぁぁぁ!!!」
絶望の声を上げる神楽のお尻に、容赦なく張のパドルが振り下ろされる。
その後、長い間、神楽の悲鳴が響いていた・・。


 同じ頃・・・。
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「う・・!くぅ・・!くっ・・!ううく・・!!」
苦悶の表情を浮かべながらも、近方は必死に耐える。
近方は机にうつ伏せになり、お尻を突き出している。
ズボンを降ろされ、むき出しにされたお尻に、容赦なく『精神注入棒』と刻まれた棒が叩きつけられる。
 バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「全く・・近方隊長、君ともあろう者が・・賊を取り逃がすなど・・」
「も・・申し訳ありません・・!!総督閣下・・!!く・・!?」
苦悶の表情を浮かべつつ、近方は総督に謝る。
神楽逮捕に失敗した罰として、注入棒による尻打ちを受けているところだった。
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!ババシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!シンッ!
「謝れば、よいというものではないのだよ?ヤツは開拓地の脅威なのだ。その脅威をのがしてしまうなど・・!!二度と失敗せぬよう、身に沁みて反省したまえ」
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
総督の非情な声と共に、近方のお尻に、容赦なく精神注入棒が叩きつけられる。
「くうっ!ああっ!くあああ!申し訳・・ありません!!くっ!ああっ!くあああ!!」
その後、長い長い間、お尻を叩く音と、近方の苦悶の声が響き続けた・・・。


 ―完―

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